第九十話 説明回(街)
珍しく連日投稿
「おっしゃ、じゃ早速始めよか」
ダンテはそう言って机の上に紙を広げる。
紙全面に大きく丸が描かれており、その丸の中に沢山の四角い図が存在している。
「これは街の全体像や。まぁマリなんかは知っとる思うけど知らん奴もおるやろしもう一度ちゃんと説明しとくわ」
ダンテはそう言って街全体をグルッとなぞる。
「まずはこの街の壁やな。高さ20メートル、幅8メートルの玉鋼3割石材7割ちゅう豪勢なもんや。
ウチが無制限に玉鋼が産出出来るから出来た力技やな。
実際使ったのなんて数千トンなんかじゃ到底きかん位やから相当や。
その分たとえ何が来ようとも簡単には潰れへんどころか傷付けることも出来へんのちゃうか?」
そう言って外壁をなぞっていたのを街の中に移す。
「で、見ての通り街は円形や。
中央には直径500メートルの大広場があって大通り3本ともここに繋がっとる。
ちなみに街全体の円は半径800メートル。
面積で言うたらこの始まりの町の6倍近いわ。
まぁ単純計算で3万人は入るっちゅうことやけどそこから商店やら宿屋、あとは道なんか諸々を引いたとして1.5っ万人。
これが想定してるこの街の人口やな」
「おい待て、そんな広いのか?
最初は1万人を想定してたはずだがどうやってそこまで埋めるんだ?」
当初話していたのは1万人。
それを2倍にまで持って来ていたのにあの広さを見ているため納得もあるが逆にプレイヤー全員だとしてもその数に追いつくことはできない。
「そのことは後で話すさかい、もうちょい待ってくれ」
「……了解」
「じゃ、続きいくで。
街には見ての通り3本の大通りがあるんや。
東通りと西通りは商店、飲食店、宿屋なんかの店が中心に並ぶ道になっとる。
で、南通りは生産通りっちゅう事で錬金術、鍛治、武器防具屋、まあとにかく生産系はこっちやな。
でや、この3本の大通りには露店は並べへんつもりや。
露店はこの大広場に出してもらう。
これまで3つの街を見て来たけど大体が店の前に露店があって邪魔にしとったからな。
あとは大広場からこの城までの300メートルほどのここも露店は出店できるようにしとる」
一息おいて次は大通りと大通りの間を指す。
「基本大通りの間は民家を作っとる。
大体一つの四人家庭に200坪っちゅう広い土地やな。
それでも大体がさっき言った通り1.5万人。
ちなみに街の道は最低7メートルの幅は取っといた。
犯罪なんかもし起こったらめんどうやからな。
あと大通りに関しては15メートルほど、これは逆に他の街から見たら狭いかも知れんけど屋台が置かれない分広いと思うで」
(確かにそう聞いているとかなり真面目に考えられてるようだな。……あれ?でも何か足らない気がするんだが)
ダンテの説明を聞いているうちに何が抜けているかを思い出し質問する。
「そういえばだけど水路ってないのか?
この世界ってトイレとかリィースの屋敷では水洗便所だったけど平均は普通のトイレだろ?
他にも料理やらで使った水なんかも水路がないと処理できないと思うんだが」
「そや。その質問はええとこや。
実はこの街の家全てには水洗トイレがついとるねん。
凄いやろ、これだけはこの世界で数少ない嬉しくない存在やったからな。
水洗ができるって聞いた瞬間全部取り付けたったわ。
まぁそれでも水は出るわな。
で水を水路で処理するのもええんやけどここはファンタジーの世界やで。
もっとええ存在がおるんや。
なんやと思う?」
「スライムでしょ!よく本とかで出てくるよ!」
ダンテが逆にそう聞いて来たのに対しミウが間髪入れずに答える。
それを聞いてダンテは頷いた。
「ミウの言う通り、スライムや。
言うてもそこらの普通のスライムじゃあかんねん。
そこらのは水を吸い込むだけで消化せえへんからな。
でや、水を吸収して大きくならないっちゅう超便利なスライムがおったんやな。
あんま借りは作りたく無かったんやけど一匹6000万で三匹、閣下に売ってもらったんや」
「6000万を三匹って……殆ど2億じゃねえか!?高すぎだろおい!」
値段を聞いて驚愕する。
「まぁ高かったけどそれに見合った価値はあったで。おかげで汚染の元でもある水路を作る必要は無くなったんやからな」
「それは……うーん?そうなのか?」
まぁかなり玉鋼で儲けたと言っていたしそれならいいのか?と思いながらも曖昧に頷く。
「とまあ街についてはこんなとこやな。じゃ次は簡単に街の外について言っていくで」
今回はセリフに文字が多かったから行分けてみたんだけどこっちの方が読みやすいのかな……?
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