第八十七話 運営側の人間
祝(((o(*゜▽゜*)o)))♡
20万字突破(100部達成)&2000ブックマーク突破&15万ユニーク達成
ありがとうございます。正直ここまで続けている自分に驚いています。それも偏に読者の方がいるからだと思います。これからも、微力ながら続けて生きますので引き続きよろしくお願いします。
「おっと、紹介が遅れたね。ワタシは上條 桜。キミたちが言うところの運営側の人間だ」
フォーチュンでも珍しい緑の黒髪は腰あたりまで伸びており、所々がほつれている。服には白衣を着用し、顔は半分眠たげにして片目から覗いて見えるブルーライトの効いた色をした見た目は完全に研究職の人間だった。
(だから……どうして俺にはこんな濃い奴らばっか来るんだ)
スグルは達観の域に達しているがそんなことに気づく様子もなく桜と名乗った彼女は話しかける。
「それにしても、クラーケン討伐から1ヶ月が経ってようやく開けるなんて。全く遅すぎだ。お陰でオフロに入ってたのを急いで出て来たのだよ?」
「えっと……ごめんなさい?」
道理で出て来るまでに数分時間がかかった筈だ、とスグルは思う。
よく見れば髪がほつれている他に若干髪が乾いていないのか光を反射している。
「ま、それは良いさ。じゃあ早速だけど何か欲しいものはあるかい?スキルでも武器でも、何でもいい」
「……え?」
桜が言った言葉に何とも言えず反応する。
それを見て桜は
「あ……またやってしまった。すまない、職業柄ことは短く済ませるんだ。説明か……久しぶりだな」
勝手に自己完結していた。
「まず現状説明から行こうか。キミは試練を一つクリアした。そしてその結果として此処にいる。此処まではいいね」
「試練ってのがクラーケンならそうだな」
洞窟の壊れかけの扉を壊した時流れたテロップに試練という言葉があったのを思い出しそう頷く。
「そう、クラーケンのだ。まぁ簡単に言うとキミにあげたあの世界にはクラーケン以外にも試練がいくつも隠れている。今回はクラーケンの試練を突破した報酬で、この空間に飛ばされたと言うわけだ」
「それの景品が何でもって事なのか?」
「そうだね。勿論無理なものも多いが、聞くだけならタダでもできる。ワタシがいちいち決まった景品を渡すよりも個々が欲しいものを考えた方がお互いに有意義だろう?」
そう言って桜は黙ってしまった。
(欲しいもの……欲しいものか。この世界に来て結構な日数が経ったがそれでも困ったことなんて無かったし。最近は新しく夜鳴も手に入ったから攻撃面で心配は必要ないからなぁ。とりあえず今はこれと言って思いつくのが無いな……)
そのように頭の中で結論付けたスグルは
「保留にしてもらってもいいか?」
と問題を先延ばしにした。
「……まあすぐに決めろと言うのも無理な話か。じゃあ少し待っていたまえ」
桜はそう言ってまるでキーボードを打ち込んでいるかのように空中で指先を操る。
その光景を黙って見ていたらシャン、と何も無い空間からいきなり鈴が落ちて来た。
それを拾いスグルに向かって差し出す。
「これを使えばワタシに連絡が来るようにしておいた。欲しいものが決まったら使えばいい」
「今作ったのか?」
「ワタシは運営側の人間だと言っただろう?つまりはそういうことだ」
成る程、と思いながら鈴をアイテムボックスの中にしまう。
自分の仕事は果たしたとばかりに桜は背伸びをした。
「じゃあこれでワタシは帰らせてもらおう。もう一度オフロに入って来たいしな」
「あ、お疲れ様です?」
「んむ」
鷹揚に頷きながら空間をバリバリと割いてその中に入っていく。
最後に手のひらをひらひらと振りながら最初から何も無かったかのように裂け目は閉じられ消えてしまった。
「……帰るか」
半ば放心状態でスグルも始まりの町に戻っていった。
いやー、それにしてももうすぐ5000ポイントかぁ。実感が全く湧かないけどよく考えたら投稿し始めて約8ヶ月。長かったなぁ
もう受験生と言われる年ですが、アプリの時間を割いてこれからも頑張って投稿します。
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