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しがない鑑定眼の情報屋さん ~闇の聖女~  作者: もるるー
第三章 闇の聖女と世界の話
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とある日 レティシアの手紙

 

 風の気持ちいい丘の上 空は青空 海は青色 所々浮かぶ白い雲 


 私の手には、あの時の手紙。


 何度も読んだレティシアからの手紙。


 大分柔らかくなって、変な所に折り目もつきはじめた手紙。


 レティは読んでるところを見ると 見るなぁ! って赤くなって怒るんだけどね♪


 うふふ♪ 可愛いんだからぁ♪


 少し手紙がボロボロになってるのは、いつも肌身離さず持っているからなの。


 この手紙を見ると、あの時の事を思い出すわ。


 私が感謝してもしたりないって知らないだろうな。メンタルの弱い貴方、あの時はこんなにメンタルが弱くて自分に自信がない人なんて思ってなかったわ。


 だって、すごい生命力をしてたもの。


 そんな貴方は、会ったばかりの私の為にゴーレムを倒してくれて、会ったこともない妹の為に月下美人を手に入れてくれて。


 月下美人が無事だった時も泣いてたよね。


 私が傷付けば怒ってくれて、私の事を考えて行動してくれて。


 私がマニカと一緒にいる為に、夜逃げまでしてね。


 あんなに泣くほど、私の事を思っていてくれているのに。


 貴方から聞いた光の破壊者の夢。倒れていた銀髪の女性。もしもそれがレティなら、私は貴方の未来を守りたい。


 自分の未来は自分で作るもの? そう思うわ、だけど大切な人の未来のお手伝いはしてもいいわよね?


 大事な、大事な仲間の、未来を思う人が他にいてもいいわよね。


 それはレティが進む道の先への、力になってくれるよね。


 私への思いが書かれた、ボロボロになった紙。


 うふふ♪ よくこんな事書けたよね♪ 赤くなっちゃうわぁ♪


 いつ見ても顔がにやけてしまう。


 そして手紙の最後の方に書かれた言葉には、少し呆れてしまう。




『もしね、光の破壊者が現れたら。私怖くて立ち向かえないんじゃないかなって思ってたけど』


『今でも思ってるんだけどね』


『世界を救おうなんて思ってないけど、光の破壊者と戦う理由が一つ出来たよ』


『私、モニカの未来を守りたいなぁ』




 もぉ、自分の未来を守りなさいよぉ。なんで私の未来なのかしら。


 だったら、私が貴方の未来を守る為に行動しても文句は言えないわよぉ?


 何か言われてもやめないけどねぇ♪


 うふふ♪ 今は戦う理由はぁ 一つではないでしょうけどねぇ♪



 風が紙を揺らし、カサカサと手紙が音を立てる。


 私は手紙から視線を外し、青い空と海の境界線に視線を移す。


 

 レティ? 貴方が誰かの為に戦うと言うのなら、私は貴方の為に戦うわ。


 貴方の為に、私は戦う。


 だって貴方は、自分より私達を優先するでしょう?


 貴方を動かすものは、貴方が優先するものは。


 自分じゃなくて、自分が大切にしている人なんでしょう?




「モニカぁ! 何してるのぉ!? 行くよー!」


 私は立ち上がり、少し汚れた手紙を大事に折りたたみます。


「はぁい♪ 今行くわぁ♪」


「モニカ! 聞いてよぉ! ・・・・・・・・・!」


 レティ私はねぇ 貴方の未来をぉ


「あらあらぁ♪ それは大変ねぇ♪」

 

 守りたいのぉ


 あらぁ? レティと一緒かしらぁ? 人の事言えないわぁ♪ 




 

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