闇の聖女とモニカのとある一夜
「私陸が好きだよ!!」
帆船から降りて、ラースカド大陸の港町の一つグラベルの町へと降り立ちました。
ベイランと交流のあるグラベルは同時期に作られた町と聞いています。町並みもベイランの町の様でした。
まだ陽も高い時間なので、私達はこのままシャンベリーに向かう予定です。
「レティ? シャンベリーに向かうのにぃ♪ 馬車で行くんだけどぉ 大丈夫ぅ?」
私はモニカの言葉に足を震わせます。しかし悟られるわけにはいきません。モニカの妹さんを早く治してあげたい気持ちに偽りはありません。ましてや大事なモニカの妹です。一刻を争わなくても早く治してあげるに越した事はないのです。
悟られない様に……バレない様に……冷静に……慎重に……
「だだだだだだいだいだいだいじょじょじょうぶだよよよよ? ばしゃしゃすきすきすきだよよよよ?」
よし、大丈夫ですね。これならバレませんね。
「あらぁ……ちょっと高めの馬車にしましょうかぁ♪ それなら揺れも少しは楽になる筈よぉ♪」
何故バレたんでしょう? モニカ鋭いですね……
「うぅ……ごめんねモニカぁ……ありがとぉ……」
「あらぁ♪ いいのよぉ♪ 私の方こそぉ ありがとぉ♪」
モニカはそう言って うふふ♪ っと微笑んでくれました。
◇◇◇◇◇◇◇◇
モニカの手配した馬車は荷台に椅子が備え付けられた馬車でした。
椅子はクッション性も高く、衝撃を吸収してくれるのかもしれません。これは期待できそうです。
ガタガタと動く馬車ですが、あまり揺れを感じない気がします。
「ふぇぇ? なんか大丈夫かも……?」
油断は禁物ですが、今までよりも大丈夫な予感がします。予感ですが……。
「うふふ♪ 気持ち悪くなったら言ってね♪ すぐに馬車を止めてもらいましょぉ♪」
きっとそういう事も出来る様にしてもらったんだと思います。モニカの優しい配慮が胸に響きます。
「モニカぁ……ありがとぉ……」
私はモニカの胸にがばっと飛び込みました。おっぱいがプルンプルンでした。
「いいのぉ♪ 無理しなくていいのよぉ♪」
おっきい胸よりも、モニカの優しさが嬉しくて胸は気になりませんでした。と言うか勝てませんしね。でもやっぱりちょっと羨ましいです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
丸一日馬車で移動したでしょうか? グラベルを出てから二度目の夜を迎えた頃に、町での休憩となります。
また明日の朝には馬車での移動になるのですが、今日は宿で一泊します。
モニカの選んでくれた馬車で気持ち悪くなる事は無かったのですが、流石に一日中馬車に乗っているのは大変でしたので、宿で泊まれるのはありがたいです。これもモニカが段取りを組んでくれたのでしょう。
私達は近くの宿へと歩き始めます。
「レティー♪ お風呂に入りましょぉ♪」
お風呂の準備を終えたモニカが浴槽からチラリと顔を出して声を掛けてくれます。もしかしたらもう服は脱いでいるのかもしれません。
「うん! ちょっとまってー!」←(一緒に入るものと思ってる)
私は着替えを取り出して浴槽へと向かいます。モニカは服を脱ぎ始めるところでした。
モニカの体は綺麗以外の言葉が見つかりません。胸もおっきいのに張りがあり、垂れている気配なんて微塵もないのです。反則ですよね? あんなの信じられません。おっぱい選手権なんてあったらぶっちぎり優勝だと思います。
「むむぅ……」
私は自分の胸をポフポフしながら浴槽へと向かいます。
モニカと二人で宿に泊まるようになってからは、いつも二人用の宿に泊まるので浴槽は広めです。二人で入る事が出来ます。
二人でお湯に浸かっていると、モニカがすっと私の側へと寄ってきました。
「うふふ♪ レティ可愛い♪ ちょっと触っていいかしらぁ?」
胸がですか? 胸が可愛いって事ですか? 可愛らしい胸って事ですね? モニカは苛めっ子です。
私がそう思った時、モニカの腕がスルリと私の体に伸びました。
「ふぇ!? ちょ、ちょっとモニカ!? どこさわっ……てぇ……あっ…… こらぁ……! だめぇ……そこ……ふぇぇぇっ!?」
…………え? 何もありませんでしたよ? えぇ、何もありませんでした。
明日からはまた馬車での移動です。