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しがない鑑定眼の情報屋さん ~闇の聖女~  作者: もるるー
第三章 闇の聖女と世界の話
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闇の聖女の怒り

 明日、ラースカド大陸に渡る船が出港します。

 宿や町にいても勿体ないという事でモニカと近くのダンジョンに訪れます。


 妹さんに早く月下美人を届けたい筈なのに、慌てる様子もなく一日を過ごせるモニカはすごいなと思います。

 モニカ曰く


「うん♪ 早く届けたいけどぉ こればっかりはねぇ♪ 私が出来る範囲で、出来るだけ早く届けるわぁ 付き合わせてごめんね♪」


 との事です。大切なモニカの妹さんです。何も謝る事はありません。私も早く病気が治ってほしいと思っています。一刻を争う事態ではなくてよかったと心から思います。


 もしかしたら今日ダンジョンに来た理由は、何もしてないとその事を考えてしまうからなのかな?っと少し思いました。


 近くの迷宮はD級です。私達が怪我をしたら意味がないので簡単なダンジョンへと赴きます。


 ダンジョンへ行く事が今朝決まった事もあり、私はどんなダンジョンかは知りません。D級でモニカも一緒なのです、危険は少ないと思っていいでしょう。


 そしてこのダンジョンはなんと一階のみ、迷うことも今日中に帰れなくなる事もありません。明日の船に間に合わないなんて事にはまずならないのです。


 私達はダンジョンの入り口にはいり、地下への階段を下ります。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「やだやだぁ!! こないでぇ!? スライムやだぁ!!? うわぁぁぁぁん!! ふぇぇぇぇぇん!!」


 ダンジョン内はレッドやイエローの色とりどりのスライムの巣窟でした。見渡す限りスライムです。見た瞬間に喉の奥から込み上げる物を感じたぐらいです。二度と おぱぁぁぁ はしたくありません。


「あらあらぁ♪ レティ? 貴方はぁ メタルゴーレムさんを倒したレティさんだよねぇ?」


 私の取り乱しようにモニカがおっとりと質問を投げかけますが、それどころではありません。油断をすれば おぱぁ なのです。奴らは隙を淡々と伺っているのです。


「いやぁぁ!! それ以上は近寄らないでぇ!! もうおぱぁいやぁ! ヨダレ止まらなくなっちゃうよぉ! やだやだぁ! おぱぁしたくないぃ! ふぇ、ふぇぇぇぇん」


 私だって好きで吐いているわけではないのです。女の子ですよ? そうそう おぱぁ なんてしていられません。出来れば私は口から何か出すのは遠慮したいんです。


「あらあらぁ♪ レティ……? そんなに怖がらなくてもぉ♪」


 モニカの足音にポヨポヨとスライムが移動していたんですが、私は自分の事に精一杯でそれをなんとかする事は出来ません。モニカに限って おぱぁ とはならないでしょうしね。自分の身を守るのが優先です。


 ポヨンッ!


 ポヨンッ!!


 私は聞きなれた恐ろしい音に身構えますが、私に跳びかかるスライムの姿はありません。

「ふぇ?」


 私はキョロキョロと周りを見渡して気付きました。


 ポヨヨンッッ!!


 ドンッッッ!


「げっふぅ!?」


 モニカの脇腹に深々と突き刺さる黄色いスライムの姿がありました。私はそれをみて胃から何かが込み上げるのを感じます


「おぱぁぁぁぁぁぁぁ」←モニカ

「おぱぁぁぁぁぁぁぁ」←レティ


 反射的に私も おぱぁぁぁ っとヨダレが止まらなくなったのですが、私はダメージを受けているわけではありません。


 何故か胃が痛い様な気がしましたが、それよりもモニカが大変です。あの苦しみは半端じゃありません。モニカへの仕打ちは万死に値します。


「てめぇこら……モニカに何してんだ?」←(誰?)


 私の体から黒い霧の様なものが立ち昇ります。これが隠せない怒りというやつでしょう。


「そこは私だろぉぉぉぉ!!」←(何言ってるか分かりません)


 私の周りから数えきれないダークアローが飛び出しました。




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