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しがない鑑定眼の情報屋さん ~闇の聖女~  作者: もるるー
第三章 闇の聖女と世界の話
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闇の聖女のベイランの日々

「ちょ、ちょっと待っておくれ? 少し時間をもらってもいいかい?」


 私達は冒険者ギルドで換金をおこなってもらっています。

 先日手に入れた袋一杯のメタルゴーレムの破片と魔石です。


「はい、大丈夫です」


 私とモニカはギルド内で時間を潰します。マッチョターと目が合うと、此方に歩み寄り声をかけてくれました。相変わらずのローライズの短パンに、私は知り合いと思われたくはないと思います。


「変態には会ってないかにゃ? 最近は被害も減ったらしいニャ!」


 マッチョターも変態ですけどね。と思いながら、変態とはモニカの事ではと思い ハッ とモニカに視線を向けます。


「あらぁ♪ 変態さんは怖いですねぇ♪」


 自分の事とは全く考えていない様に、モニカは頬に手を当てて、アラアラ♪ っと自然な反応です。


「そうにゃ! お嬢さん達も気を付けるニャ! まだどこかにいるかもしれないにゃ!」


 仮に変態がモニカだとしても、私はマッチョターとモニカどっちに付いていくかと言われれば間違いなくモニカに付いていきます。


 タンクトップにローライズの短パンは変態です。自分は変態だと公言しているのと変わりません。


「はい♪ ありがとうございます♪ 変態さん♪」


 え? ちょ。 モニカ……? 変態さんはマッチョターの事じゃ……いや、マッチョターも変態なんですけど……


「にゃ! いいって事にゃ!」


 マッチョターは自分の事だとは思わなかった様で、そのままカウンターへと戻って行きました。

 私から聞いたらどう聞いてもマッチョターの事を変態と呼んだとしか思えなかったのですが、気付いてないならないでいいのです。私も変態はマッチョターだと思いますし。


「おーい、換金の結果が済んだぞい」


 換金所のおじさんの言葉に私達は話を聞きに行きました。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「高く売れたわねぇ♪」


「これからメタルゴーレムさんがお金に見えそうだね……」


 商店通りを歩く最中、私とモニカはまさかの値段で売れたメタルゴーレムさんの余韻に浸っています。


 メタルゴーレムさんと魔石は合わせて金貨400枚。二人で分配して一人頭200枚というとんでもない大金になりました。


 そのまま190枚の金貨をギルドに預け、10枚の金貨を袋に入れてギルドから移動中です。


「ギルドに金貨264枚……どうしてこうなった……」


 宿に泊まる事すらままならず、野宿をすることもあった私は現実を直視出来ません。眩しすぎて。


「ねぇレティ? ちょっとお買い物していかない?」


 モニカが微笑みながら、ちょいちょいとお店を指で指し示します。

 指の先にあったお店は、女性用の下着のお店でした。


「レティの下着ぃ♪ ごわごわ過ぎてダメェ♪」


 そんなモニカに連れられて、私はお店へと連れ込まれました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 銅貨5枚の下着


 鑑定結果 おいおい、お前こんな布の面積少ないの履けるの? 冗談は顔だけにしとけよ?


「はぁっ!? どういう意味よっ!!」

 

「あらぁ♪ レティ? それは少しセクシーなんじゃないかしらぁ? 冗談は胸だけにしておきましょう♪」


「ちっちゃくないし!! 冗談のつもりないしっ!!」


 私はモニカに銅貨2枚以下の下着は着用を禁止され、今まで手に取る事もなかった下着を見ています。どんなものかと興味津々で鑑定をしながら手に取っています。



 銅貨8枚の下着


 鑑定結果 スケスケだな。シースルーって奴だな。何? 見せたいなら下着履かなきゃいいじゃん? この変態っ! レティスルーに改名を要求するっ!


「手に取っただけでしょっ!!」


「あらあらぁ♪ レティ? それは夜に私に襲われてもいいって事かしらぁ?」


「シースルー履いてたら襲われるのっ!?」


 私は慌てて違う下着を手に取ります。このままじゃ私が変態みたいになってしまいます。銀貨1枚の下着を手に取ると可愛らしいレースが施された物でした。


 銀貨1枚の下着


 鑑定結果 おまっ……それ……ちょ、あ、ごめん。いや、別にいいんだけどさ……あ、そう……。


 ?? 私には可愛らしいレースの下着に見えるのですが……? 鑑定結果が何か言いにくそうにしています。


「……レティ? それはちょっとぉ……私も履く勇気ないかなぁ……?」

 モニカが困った様な顔をしながら頬を赤らめました。

 ……? なぜでしょう? 可愛らしい下着に見えるのですが?


 私は二人? の反応にまじまじと下着を見ます。そして気付きました。この下着は股の部分がぱっかりと開いているのです。


「ちょちょちょっ!!? ちょっ!? あっあのっ!!? は、履かない! 私こんなの履かないから!?」


 慌てる私をモニカは恥ずかしそうに口元を手で押さえて見ています。


 鑑定結果 趣味はそれぞれだからさ……うん……その……気にしなくていいよ……


「ないないない!! そんな趣味ない!そんな趣味ないからぁっ!!」



 結局私が買ったのは生地の柔らかい銅貨8枚の下着とフリルの可愛い下着です。


 下着を買う時は気を付けなければいけません。



 

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