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しがない鑑定眼の情報屋さん ~闇の聖女~  作者: もるるー
第三章 闇の聖女と世界の話
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闇の聖女の戦いの後

「うえぇぇぇえぇん」


 私は泣きながらゴーレムの頭だったブロックをヨタヨタと持ちながら、モニカの元へと向かいます。

 四角い頭だったブロックには、四角に絶妙に収まる大きな丸い穴が空いています。私が持っているのはギリギリ繋がっている枠と四隅が少し残ったブロックです。

 それでもかなりの重さと大きさです。私はヨタヨタと右へ、左へとよろめきながら、滲む視界に映るモニカを目指します。


「モニカァァァァ えっく……うくぅ……げっかびじ……ん…えぅ……すん……」


 両手でブロックを持っている為、涙を拭う事が出来ません。しゃくり泣く様に えっくえっく と泣く私に向かい、モニカは微笑みました。


 その笑顔を見て、私の目からはより一層涙が溢れます。


「無事だったよぉ~~(嬉し泣き)」←(紛らわしい)


 月下美人は四角い枠の上に三本、何事も無かったようにユラユラと揺れながら咲いています。


「あらあらぁ レティ 泣き過ぎよぉ? うふふぅ ありがとぉ♪」


 ペタリと女の子らしくその場に座り込みながら、モニカは頬に手を当てて優しく笑います。私はゴトリとブロックをモニカの傍らに置くと、衝動のままにモニカの胸に飛び込みました。


「うぇぇぇぇぇ! モニカぁ、無事でよかったよぉ……私……ほんとに……よかったよぉぉ……」


「あらぁ うふふ レティ ありがとぉ♪」


 モニカは私の頭を撫でてくれました。


 私達がゴーレムの頭から月下美人を もぎもぎ したのはその少し後でした。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 

 メタルゴーレムの鋼鉄

 属性 無(加工すれば土の場合もある)

 効果 加工、生成に使用しなければなし

 能力 武器や防具を加工、製作する時に用いれば強度大幅増加。稀に土属性が付与する事もある。何もしなければ硬い鉱石 

 一言 使い方:雪玉に詰めて投げよう! 嫌いなあの人にバレずに大ダメージっ!


「バレるでしょ!?」



「あらぁ レティ 楽しそうねぇ」←?



 体硬化の魔石

 属性 無

 効果 体が硬くなる。カッチカチになる

 能力 見た目が少しメタルになる。それ以上に硬くなる。重量も増す。素早さ低下

 一言 元から素早さ無い様なもんだし使っていいんじゃん? ある程度筋力ないと動けなくなっちゃうかもだけど、まぁ動いて無い様なもんじゃん? ダイジョブダイジョブ!


「絶対寝たきりになっちゃうだろっ!?」


「お勧めのベッドがあるわぁ♪ だいじょぶだいじょぶぅ♪」←(あまり分かってない)


「介護は任せてってか!?」



 一通り鑑定を済ませた後に、私達は洞窟の通路で夜を明かす事にします。モニカの体調がまだしっかり回復してない事と、夜の鉱山は危険と判断した為です。足を滑らせ崖に落ちれば、それこそ大参事なのです。


 空が白み始めた頃にメタルゴーレムのバラバラになった体と、生命力の中にあった魔石を袋に入れて私達は鉱山を下りました。


 枠しか残らなかった頭はそのまま置いてきました。あんなの持って鉱山を移動出来ません。

 私は頭を月の光が当たる割れ目の下へと移動させておきました。もしかしたらまた月下美人が咲くかもしれません。


 私は盾や剣は使いませんが、粉々に砕けた体は袋に詰められるだけ詰めます。高く売れそうです(えへへぇ)


 ベイランに着く頃には、陽が傾むき夕日に変わっていました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 冒険者ギルドには寄らず、それぞれの宿へと直行します。


 私は重たい荷物をテーブルに置くと、早々に浴室へ移動しようしますが、私を待っていたかの様にお留守番をしていたうーたんが、ベッドの上で パタパタ と飛び上がりシャドーボクシングを繰り広げました。


「うみゅ!! うみゅぅ!? うみゅみゅぅ!!」


 自分も戦える、連れて行けと言う事でしょうか? なんとなくそのうーたんを眺めていると


「うみゅ?!?! うみゅぅぅぅ!!?!? みゅぅ…… (パタリ)」


 シャドーボクジングの相手に負けたのでしょう。ベッドにうつ伏せに倒れました。

 連れて行けませんね。


「うーたん。その相手に勝てたらね」

 私は浴槽の扉を開けます。お風呂に入る準備をして、服を脱ごうかと思った時、ドアがコンコンと叩かれました。


「お邪魔しますぅ♪」


 扉を開けると荷物を抱えたモニカが立っています。鉱山に行った時よりも多く荷物を抱えていました。


「モニカ、どうしたの?」


 首を傾げながら声を掛けると。


「私もぉ 一緒に泊まるのぉ♪」


 ………………? え? 一緒の宿に泊まるって事ですか? いや、いいんですけど。え?


 これからの事も話そうと、モニカは部屋に来ると言っていたのですが、まさか一緒の宿に泊まるとは思っていませんでした。よくよく考えれば一緒の宿の方が都合がいいですよね。


「うふふぅ♪ 一緒にお風呂入りましょぅ♪」


 モニカはそう言って笑います。


 ん? え? お風呂も一緒なんですか? 仲間だと普通なんですか? 恥ずかしくないですか?


 頭の整理の出来ない私は、当たり前の様に振る舞うモニカに半ば押し切られました。


 きっと、これが普通なのでしょう←(そんな事はありません)


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