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闇の聖女と村長さん

 A級魔石

 属性 無(不死に分類)

 能力 痛覚半減(能力付加)

 効果 痛覚半減。痛みが半減する。体は傷ついているので治癒魔石必須

 一言 超鈍感さんみたいな感じ?


 この魔石に需要はあるのでしょうか?

 私なら絶対に使いたくない魔石です。


 A級魔石

 属性 無

 能力 光を放つ(半永久)

 効果 魔石に生命力を込めれば光を放つ魔石。生命力が無くなれば光を失うが込めればまた光る。任意の方向。光の明るさまで調節可能。少量の生命力で強く光る

 一言 いつもの! これ出ないと締まらないよね!


 出ると思いました。

 この魔石に関して言う事はありません。

 他の魔石が出たので安心したぐらいです。呪われているのかと思いました。


 A級魔石

 属性 無(気)

 能力 気の防御力上昇

 効果 纏った気の防御力増加。硬気と相性良 自然師でも使えなくはない

 一言 魔力の方には縁のない一品です


 でしょうね。私も使う気はありません。

 気操師さんが使うべきでしょう。持ってても仕方のないものです。


 子鬼のパンツ

 属性 無

 能力 身体能力上昇

 効果 自信の身体能力を引き上げる。履いていないと効果はない。

 一言 がんばれば脱げる 頑張れば女性着用可


 うん。どこかで見た気がしますね。

 私は履きませんけど。というか小さな女の子用下着なんですけど。大人の男の人履けるんですか?私でも多分履けませんよ?


 グールのシャツ

 属性 不死

 能力 自然回復増大

 効果 初級治癒魔石で治る傷程度なら再生可能。若干グール化有

 一言 お勧めの一品です! でも闇の聖女使えない……めっちゃお勧めだよ? あ、子鬼のパンツと一緒に使うと効果が2倍になるかも!


「テキトー言うなっ!!」


 グールのシャツに子鬼のパンツ。お断りです。しかも私に効果のないシャツを着せてどうしたいのか分かりません。……もしかしてグール化はするんですか? 私をグール化させたいんですか? 私をどうしたいのか詳しく話し合う必要がありそうですね。


 私は一通り魔石や道具パンツとシャツを袋に詰めて迷宮を戻ります。

 袋の中にパンツとシャツが入っている事に若干の不快感を覚えながらも、深く考えたら負けだと思い。来た道をトコトコと戻っていきました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 村長さんの家で迷宮突破の証拠としてシャツとパンツを袋から取り出すと。


「こ、これはまさしく。子鬼パンツじゃないか!?」


 え? これそんな驚くものなんですか?


 村長さんは目を丸くして両手を震わせながら子鬼のパンツを手に取ろうとしています。好きなだけ手に取ってもらって構いません。


「迷宮最深部に 稀 に出現すると言われる珍しいものじゃ。お前さんえらい物を手に入れてきたもんじゃ」


 ……え? 呪われた鬼のパンツありましたよ? 滝の裏の洞窟に。


「良かったら譲ってくれんか? タダでとは言わん。妖精の森に代々伝わる秘法と交換してはくれんか?」


 ……ん? そんなパンツに代々伝わる秘法程の価値があるんですか? 喜んで交換しますけど?


「その顔じゃ不服か。そこを何とかお願いできんかのう……? 後生じゃ」


 なんにも不服じゃないから大丈夫ですよ村長さん。そんなパンツに後生を使わないで下さい。

 

「分かりました。先に光の破壊者、世界の終わりについて知っている事があれば教えてもらってもいいですか?」


「わかった。これは儂の曾祖母だった初代村長から代々受け継がれてきた話じゃ」



 世界の境に金色の悪魔がこの地に現れる

 悪魔はすべてを破壊する。

 立ち向かった勇者達は戦いに敗れた。


 多分ですが、初代村長さんは生き残りなのだと思います。


「おとぎ話の様な語り草じゃ」


 私はこの話を聞く為に迷宮に潜ったわけです。別に迷宮に潜って覚悟確かめなくても教えてくれて良かったんじゃないでしょうか?


「そんな言い伝えが……」


 と私は思ったのですが、口に出せるわけもありません。


「詳しく知りたければ天人族に話を聞きに行くといい。立ち向かった者の一人は天人族だったらしいからのう」


 しかし一つはっきりした事があります。噂はどうも、本当らしいという事。十数年後世界の境には光の破壊者が現れる可能性があるという事です。


「それはそうとこれじゃ。曾祖母が見つけ、持つべき者の為に残したといわれる魔石じゃ。宿せなかったら知らんぞ? 子鬼のパンツは頂くぞ?」


 ……新手の詐欺でしょうか? 詐欺ですよね……? あの…別にそのパンツ要らないんですけど……なんといいますか。伝説の剣を抜けるか試すのに子鬼のパンツ戴きます。抜けなくてもパンツは戴きます。抜けないのが悪いんです。みたいな感じですか? あの……この村長さん何いってるんでしょう……? もしかして迷宮に潜らせたのは覚悟云々じゃなくて、子鬼のパンツが欲しかっただけなんじゃ……


 私は差し出された魔石を両手で取り、鑑定眼で覗きます。


 SS級魔石(これ結構珍しい)

 属性 無

 能力 魔力の場合高度生成 気の場合気の濃さ増大

 効果 魔力 魔術を生成する際。高度な形で生成可能 生物も修練次第で生成可能 気 闘神気 飛龍気 金剛気 纏う事可能。気操師の性質により纏う気は分かれる。気増加。

 一言 これ珍しい。闇の聖女だし多分宿せる。この婆さんに思い知らせてやろう! やってやろうぜ! 宿せなかったら才能ないよ……カモがネギと鍋持って歩いてる様なもんだよ…………


(宿せなかったら私立ち直れないよ?)


「試してみるんじゃ。宿せたらお前さんは持つべき者じゃったという事じゃ。遠慮するな」


 私は少し考えます。もちろん遠慮する気はありません。


 何故なら子鬼のパンツは強奪されるわけです。あ、もうされてるんでしたっけ? 詐欺まがいの商法に遠慮するつもりはありません。私だってネギと鍋を持ったカモにはなりたくないのです。


 それよりも問題は世界で唯一の 闇の聖女 でありながら魔石を宿せなかった時です。

 世界で唯一でありながら才能無しなんて、この先やっていく自信が無くなってしまいます。闇の聖女は死にましたと何も変わりません。まさか闇の聖女の命運が賭かるとは思ってもいませんでした。


 ふぅ


 私は一度軽く息を吐き。両手に魔力を込めます。


 キィン!


 光輝いた魔石は。光の粒のとなって私に宿ります。あっさりでした。


「まぁそうじゃろう。あの迷宮を突破できたんじゃ。可能性はあると思ったわい」

 村長さんは初めから宿ると思っていたのか、ニッコリと微笑んでくれました。


「村長さん……」


「いい金儲けじゃったのに、宿ってしまったわい(ボソリ)」


 村長さんは斜め下を向き呟きました。ニッコリと微笑んだ顔はいつの間にか悪い顔に変わっています。


 その顔を見て私は分かってしまいました。この村長。こうやって何かと理由を付けて迷宮に冒険者を潜らせては道具を強奪している詐欺師だ……と。


 微笑んでいた私はその笑顔を崩さないまま思います。


 村長最低だなっ!!



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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