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一話・歴史と伝統だけが我が家の武器(現状)

 デスマーチ。デスマとも言われるものがある。システムエンジニアなんかが陥る一種のトラブルだ。

 これに陥ると、過労や自殺なんかがおきやすくなるわけだが……、俺もそんなデスマに陥ってくたばった人間の一人だ。

 無茶苦茶な仕事の量。

 押し付けられたプロジェクトリーダー。

 最低限の説明もなし。

 段々と減っていく人。

 迫る納期。

 磨耗する意識。

 出来上がるスパゲティプログラム。

 続出するバグ。

 挙句にもっと良くやれと説教だ。

 ようやく取れた休みは泥のように眠り、そして起床して気づけば首にロープをかけ、反対側をカーテンレールに引っ掛けていた。

 そして、ヤバイと思った瞬間俺は既に遅かった。

 まだ、ようやく三十二になったばかりだというのに、結婚もせずに死んでしまうとは。

 それが、最後に思ったことのはずだった。

 だというのに、

「では、頼みますよ?」

 聞こえるのは若い女性の声。そして、俺を抱える乳母の腕の感触だ。

 思う。

 何で俺は子供になっているのだろうか、と。

 あやされながら思う。

 良くあるネット小説のように、赤ん坊からやり直して羞恥プレイのコンボはなかったが、目が覚めたら俺は見ず知らずの他人になってしまった。挙句子供。

 せめて最低系と呼ばれるみたいに神様でも出てくれば良かったのに。小説なら正直見ていてあれだが、実際転生するなら神様からチート能力貰ったほうが俄然良い決まっている。

 まあ、今更そんなことを責めても仕方がない。

 それどころか懐かしさのようなモノもかんじんる。

 俺って、子供のときこんな風に抱かれて育ったんだな、と。両親は元気にしているかな、とふと思う。

 あんまり親孝行も出来なかったし、迷惑もかなりかけたけど、それでも少なくとも良識的な人間に育ててくれた両親は今どうしているだろうか。

 これがホームシックというやつらしい。なんとも厄介なことだ。

 だが、そんなことを知ってか知らずか、乳母の女性は俺を微笑ましそうに見てくる。美人じゃあないけれど、どこか愛嬌を感じさせる肝っ玉母ちゃんとでも言うべき女性だ。

「さ、お外に行きましょうか」

 言われ、とりあえず首を縦に振る。この時間が、この世界で唯一、俺にとって癒しの時間といっても良い。

 そう、この散歩が終われば地獄が待っているのだから。


  ※


 今、乗り越えなければならないのは目の前に山の如く積まれている課題、つまるところは英才教育という奴である。そう、これこそが地獄なのだ。

 だだっ広い部屋の中で、執事の男性とマンツーマン。地獄としか言えない。

 ……俺、まだ十歳にもなっていないはずなんだが。いや、実年齢は三十超えてますがね。

 いや、それにしても嫌になるほどの紙の山だ。前世? で仕事してたときの書類の山を思い出す。……プログラミングしている最中に四十枚以上もある紙束渡すなっての。

 ふう、と思いながらも割と高級品であるペンとインクを持ち、やはり高級品である紙にペンを走らせていく。

 執事が言った。

「坊ちゃん。今日はこの国の歴史を勉強しましょう」

 俺は言う。

「そろそろ、別のものをやりましょうよ」

 だが、当然のことながら一言で却下された。

 ……仕方ないのは知っている。だけどさ、もう同じ事を毎日毎日やってるんだぜ? 少なくとも十回以上だ。たとえるなら、えんえんと1+1をやり続けているようなものだ。そろそろ、二桁とまでは行かなくても1+2くらいになっても俺は良いと思う。

 しかし、そんな俺の思いなど知られるはずもなく。

「よろしいですかな」

 よろしくねえ、

「はい」

 心にもないことばかり言えるようになってしまった俺はもう駄目かもしれない。

 執事は軽い咳払いをし、

「さて、では講義を開始しましょう」

 執事は机に一枚の紙を置いた。地図だ。陸地と海の一部が記された簡易的なものだ。国境線など適当に引かれ、正直地図と言って良いか分からんが。

「クジョウ家の統治するミッドガルド王国はこのヴァルハリア大陸の東に存在します」

 既に赤丸で囲まれている部分を見る。他にも別のカラーリングで円が施されている。その中でも赤は特に小さな円だった。

「ヴァルハリアというのは元々大陸の名前ではなく一つの巨大な王国の名前でありました」

 前世の記憶で似たような事例を考えてみればカール大帝の統治したフランク王国だったか? のようなものだ。どんな賢者だ。ヴァルハリア統治した人間は。

「クジョウ家の始まりは、極東と呼ばれる島国からこのヴァルハリア大陸に流れ着いてきたことから始まりました。

 クジョウ家が極東に流れ着いたのは約600年前。今でこそクジョウ家は王族として名を連ねています。当時のクジョウ家はただの漂流民であったのですが……」

「刀、と呼ばれる剣の作成技法を持っていたためにヴァルハリアの東、オーディアン王家に召抱えられることになった、でしょう?」

 俺は思う。何で北欧バリバリの世界に日本文化的なものが乱入してきたのだろう、と。いや、北欧っぽいのは名前だけで地形も何もが前世の北欧周辺とは全く違うのだが。

 執事は頷くことで肯定を示し、続け、

「まあ、それは一部ですな。他にも、こちらには伝わっていない作物、薬草の知識、文化などもクジョウ家が召抱えられる要素にもなりました。まあ、これがクジョウ家の実質的な始まりといえましょう」

 それでも、やはり漂流民は漂流民。与えられるものは小さいわけで、

「勿論、与えられた領地もここではなくオーディアン王国の北、ミドガルッダの寂れた領地でした。ありていに言えば、丁度取り潰しを喰らった貴族の領地に押し込められたと言うのが正しいでしょう」

 ミッドガルッダ、まんまミッドガルドのもじりだ。だが、神話のもじりにしてはかなり酷かったようで文献には『人はおらず、獣がおり、作物は枯れ、山は荒れ、川は汚れ、飢えと渇きがあった』などと記されていたくらいなのだから相当ひどかったのだろう。さらに文献を調べてみればクジョウ家が来る前の領主はかなり横暴であり、自分の私腹を肥やすことばかり考えていたという。なんでクジョウが来るまでに更迭されなかったんだろうか、いや、本当。

「クジョウ家がその土地で最初に着手したことは、まずは税の軽減でした。これは当然でしょうな。それ以上の税をとることが出来たならば悪鬼羅刹で御座いましょう」

 もしくは相当な人でなしだ。確か、八公二民とかいうとんでもない税率だったらしいし。そのせいで何度も人が逃げたとも言われている。

「さらに、比較的寂れた土地でも収穫しやすい芋を植えさせました。これは、極東から流れてくるときの荷物にあったものでもあります」

 字面的に極東は日本的な国なのだろうが、何で極東から芋が着たんだろうか? ポジション的に言えばそれってアステカ当たりから来なきゃいけないんじゃない? と言うのは野暮だろう。

 なお、これ以上初代クジョウの活躍は聞かない。初代は有能でも無能でもなく、言ってしまえば凡庸な男だったという。あ、俺がそんなこと言えるわけないか。だが、領民にしてみればそれより酷いのが来るよりはましか。

「クジョウの二代目は苛烈な人柄をしていたと言われております。そして豪気であったとも伝えられておりますな」

 なんでも、潰した盗賊団の大半を取り込んで自分の軍隊に吸収してしまったのだからすげえよな。

「ええ、まあそれでも逆らうものは容赦なく打ち首でしたが。それと、武勇のほうに目が行きがちですが、政策のほうもそれなりの善政だったようですな」

 いわゆる公共事業だったはずだ。荒れた土地を開墾させたり、川の氾濫をせき止めるために石を積ませたり、他にも領地内に兵士を巡回させ治安をよくしたり、と様々したようだが、まあ、半分くらいは失敗していたようだった。良くも悪くも大雑把な性格であり、政策もアバウトだったようだ。それでも、その人柄は愛されており、誇張されて童話にまでなっていたりする。

 乳母が好んで俺にする話もこの二代目の話だ。

「三代目と四代目も凡庸ではありましたな。まあ、そうそう簡単に有能な者などは生まれませぬが。逆に、無能なものは生まれやすい。五代目は色に溺れ、戦争ばかり、またそのために悪政をしき、一事はクジョウ家が取り潰されてしまうところまで追い込まれたこともありました」

 どうにも喧嘩っ早い男だったそうで、戦争をするためにかなり横暴な徴収をしたとまで言われている。

「だが、五代目は暗殺された」

 まあ、これは当然の帰結かもしれない。

「ええ、その通りに御座います。起こしたのは家臣団の一人ですな。処刑されたのは言うまではありませぬ。相当感謝されたようですが。そして、六代目が領主になりましたがやはり凡庸なおとこで御座いました。ですが、領内は次第に苦しくなる中で現れたのが八代目ですな」

 七代目は病弱であり、即位して数ヶ月で死んでしまったようだ。……暗殺じゃないよな?

 八代目は相当な敏腕であり、一時は危うく取り潰されそうになったクジョウ家を立ち直らせたそうだ。人身掌握が上手く、人に付け入るのが上手く、政治が上手かったと言われている。クジョウの中でも賢者とまで呼ばれるほどの者だったらしい。そして、この頃にヴァルハリアの王宮にて公爵に抜擢されたのだそうだ。

 公爵は王族の縁者に与えられる爵位故に、オーディアン王家の姫が八代目に嫁いだのだと言う。

 本来はありえないことだ。爵位とは人間ではなく土地に付随する物だからだ。日本だと爵位は個人や家系に与えられるものだから分かりにくいかもしれないが、要するなら男爵領を納めているから男爵を名乗れるのであり、男爵と呼ばれる人間が納めている地を男爵領と呼ぶわけではないということである。

 だからこの婚姻による爵位の上昇は本当に例外中の例外なのだ。数がなかったわけではないが、個人に爵位を与えられた上に、王家の姫を与えられる。しかも当時のクジョウ家は倒産待ったなしの企業並みに傾いていたのだから凄いね八代目と言うほかない。

 と、天に愛されまくりの人間に聞こえるが、やっぱり人間であることは変わりないわけで、

「だが、戦争は下手糞だったんだろう?」

「ええ、政治は出来ても戦争や諍いのいなし方はからっきしであったようですな。八代目もそのことを自覚していたのか戦争は殆ど家臣にまかせっきりだったようですな」

 だが、その八代目は戦争に使う金の配分は上手かったらしい。多すぎず、少なすぎずの境目を見計らうのが上手かったようだ。これを聞くと、戦争が下手だったということが嘘に思えてしまう。

 商人でもやれば本当に凄かったんだろう。

「九代目は奔放であり、魔術にばかり力を注ぎ領地の運営をおろそかにし、数えにして十四度目の反乱がおきたようですな。まあ、それを培った魔術で一人、反乱を鎮圧したところを見ると天才と言われる人種だったのでしょう」

 クジョウの書庫にも九代目の蔵書は多く眠っている。古代語や失われた秘術について纏められたものだ。これは、王家にも保存されている。王家に保存されているのが原版で、クジョウの書庫に眠っているのが写本だ。

 方向性が違っても二代続けて天才とは、本当に現実ってのは不思議なものだ。

「――そして、十代目の代になり、このヴァルハリアを二分に分ける戦争がおきました。当時の首都アースガルから北、ミドガルッダよりもさらに北、ヴァナヘインで打倒オーディアンを叫んだのが、ロキいうオーディアン王家に使えていた将でした。周囲の諸侯を巻き込み、オーディアンに対し戦線を布告、後に終焉戦争リアグナロクアと呼ばれる戦争は四十年続きました。十代目もそれに参加し、初陣をきりました。結果、ムスペルの将スルァトと戦闘になりました。結果は、敗北。原因は美女と名高きゲルダナを娶るために、天下五刀と呼ばれる名刀のうち一本を差し出したからだと言われています。差し出したものは童子切安綱と呼ばれる鬼切りの名刀。これを手放したがために、十代目は敗北したと言われています。と、言うのもスルァトとの戦いで天下五刀のうち四本は折れましたが後一歩まで追い詰めたのですが、最後、あと一太刀入れれば勝利だと言うのに、童子切安綱を手放していたがために、最後の一太刀を加えることがかなわず、討ち取られたのです」

 関ヶ原の合戦とラグナロクを足したようなものらしい。どう見ても、途中で入り混じった日本っぽいものが違和感を醸し出している。

 そしてこれはこの大陸ではかなり有名な話であり、オーディアンの『全能』オーディナ王はロキの息子『天狼』の異名を持った息子フェンリスに殺され、

 家臣の『雷神』トーラも宿敵の『大蛇』ヨムルガンズと相打ち、

 『法翁』ティールも『冥犬』のガラムと、

 『仙眼』ヘイムラドは『悪心』ロキとそれぞれ相打ち。

 ああ、『界力』ウィザーリがフェンリスを殺したらしい。

 全部が全部北欧のもじりと言うのもある意味凄い。いや、ギリシャとか中国のが混じってカオスされるよりはマシだが。

「そして、終焉戦争の後ですが、地殻が変動するほどの地震がおきました。多くの人々が死に、一時は国自体が滅びるのではないかと思われるほどの巨大なものでした。ですが、それが功を奏したのか、精霊や知樹などが動き出し、かえって豊かな土地へと生まれ変わりました。ですが、また覇権争いのために戦乱が起きました。そして再度荒廃します。ですが、争いを止めようとする者は殆どいませんでした。ですが、この後その覇権争いに巻き込まれるのを嫌がった第十一代クジョウ頭首は放浪に出ました。その放浪の中で多くの死人、裏切り、別れなどをしました。そしてこの地に根を据え、貴方の父の十二代目のクジョウが家を継ぎ、現在次期十三代目のクジョウ頭首次期筆頭、それが貴方エッジセィオウ・シュヴァルツ・アイゼン・クジョウ様なのです」

 このやたら長い名前こそが俺の名である。自分でも時々忘れるがな。

 それにしてもクジョウの現在頭首である俺の今世の父と祖父は偉大な人物であるといえよう。いや、本当に気後れしてしまうくらい。

 今住んでいる土地は辺境ともいえる土地といっても過言ではない。だが、現在ミッドガルド王国のある土地には魔力が溜まりやすい土地が十個もあり、更に土地の形状からかファンタジー(笑)のせいか寒暖が存在するという資源的に良い土地である。それを見つけた十一代目。それを引き継ぎ一代で少なくとも王国と名乗れるほどにしてしまう父親殿。どちらも、それこそ戦争もこなせる完璧な九代目ともいえる存在と言っても良い。

 言うならば、立花・道雪と立花・宗茂みたいな感じだろう。勇将やら知将やらは危機に出やすいってのは本当なのかね。

 何で、こんな偉大な人間の息子に生まれてきてしまったのだろう、本当。

 偉大な身内と言うのは時として圧力に他ならないときがある。それが現在の俺に当てはまる。

 前世の記憶を持っている人間としては、風評はとてつもなく気になってしまう。父親に似ずに愚鈍とか言われた日には、もうショックで寝込む自身がある。

 これで俺が第一子とかじゃなくてもっと妾の子供とかだったらまだ良いのだが、残念ながら弟はいるが兄はいない。つまるところ俺が長男となるわけだ。次男だったらまだ政治とかに関わりにくくなるのだが、二人しかいない兄弟の長男ともなれば……ため息が出るね。

「さて、終焉戦争後、クジョウはこの土地にかつて住んでいた土地の名にあやかりミッドガルド王国と名づけました」

 ぶっちゃけ勝手に侵略して勝手に王国建国した様なもんだが、建国しているときはまだ終焉戦争の後片付け真っ最中でこっちに気を使っている暇はなかったようだ。

 まあ、前世でも普通に侵略戦争とかやってるからなあ。中世、あ、魔法のおかげでちっと前世の中世より進んではいる部分はあるが、未だに大半は中世レベルなのだから侵略とか普通……か?

「このミッドガルド王国の周囲にはアートリー王国」

 ミッドガルドの北側の青い丸を指し、

「スワイデン公国」

 そこから南西の緑の丸に移し、

「アルビオン王国」

 そこから南東の白丸に移す。

 正直地図としてはアバウト極まりないが、まあ仕方ないだろう。

 勿論、これは周囲の国だけでまだ他にも国は存在するのだが。

 それでもって紙の上にでっかく描かれてる大陸中心を南北に分割して南側の中心に位置するのが、

「そしてヴォーダン王国」

 正確に言えばヴォーダンはオーディアンをほぼ引き継いだ国で、実際は大して変わらないそうだが、終焉戦争終了の折に現在の名前に切り替えたそうだ。

 なお俺の住むミッドガルド王国はこのヴォーダン王国と同盟を結んでいるのだが、このヴォーダン王国と北側のヴァナ帝国は簡単に言えば仲が悪く何時戦争が起きても可笑しくない状態だ。

 まあ、ヴォーダン王国はヴァルハリアの王だった『全能神』オーディナ王の末裔の国で、ヴァナ帝国は『悪心』ロキの息子が作った帝国なのだから。つまるところ犬猿の仲ともいえる間柄というわけだ。

 そして現在最も危険なのは、このヴォーダン王国とヴァナ帝国が近年戦争するんじゃないか、などという話が噂されていること。

 当然、同盟結んでいるウチの国もその戦争に巻き込まれるのは明らかだ。

 その上この国も含めてこの近場の国は最近まともな戦争もないから兵の練度も微妙だともっぱらの噂。

仕方がない。俺の爺さんの代少し前まで国家規模の関ヶ原みたいなことやってて国自体がぼろぼろになっているし、どの国だって自国の建て直しに必死だっただろう。

 だから戦争なんて言う物は最近ほとんど起きない、個人領での争いだって少ない、国家ともなれば睨み合いと口だけになるのがほとんどだ。噂だけど

 国家に至っては戦争するぞ侵略するぞ! と仲の悪い国に向かって言ったり言われ返されたりしても結局軍事行動が起きることなんてほとんどない。

 それなのに最近聞こえてくる戦争の噂。よっぽど国家間の関係の限界が近かったのだろうか。

それとも国家の建て直しに一段落ついて再度戦争を行おうとでも言うのか? そこら辺は俺の預かり知らぬところではない。

 ただそれ以上に問題なのはもしも、戦争が噂通りに起きたとして、その戦争で父が死んでしまったらどうしろと言うことになる。

 一番分かりやすいのは俺と腹違いの弟を担ぎ上げて内部分裂。暗殺も考えられる。……なんでこんなことを考えなければいけないんだ俺は。

 別に傀儡になるのはかまわないが、傀儡になったせいでいろいろ押し付けられるのは勘弁願いたいし、権力の旗印になりそうな存在なんて即効で殺されそうだ。

 うえ、腹痛い。

「? どうかしましたか坊ちゃん」

「あー、いやなんでもない」

 さて、どうやってこの状況を打破したものか。

説明が不明慮名部分を幾つか改訂しました。

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