目の前にスタイルの良い女が座った、死ねばいいのにと思う。
こいつは電車の中の男の視線を釘付けにするためにここにいる。
綺麗に組まれた細くて長い足を見ると余計イライラする。
彼氏が私に気付かれないようにチラチラ見ているのはもう知ってる。
立った瞬間、待っていました!とばかりに向かい側のオヤジが美女を見上げる。
そりゃ見ますよね〜!
心の中で毒付く。
こちらから、鼻の下が伸びたアホ面が丸見えだ。
家族連れが乗り込んできた。
うるさい子供、それを注意しない図々しい母親、朝の満員電車の時間帯に乗ってくるなんてもう少し時間を考えたら?
先日テレビで話題になった「皆これから仕事なんですから!」叫んだ女を世間はどう見たか?心の狭い女と思っただろう。
だか、私はこの女に一票。
サラリーマンが騒いでいる子供達を不快に思ってか、咳払いをした。
分かるよ、その気持ち。
これから大きな仕事があるのだろう。
スピーチでもあるのか?
緊張してるのか?
髪の毛を見ると余計辛そうに思えた。
それから年寄。満員電車の優先席の前に堂々と立ち、席を譲らないのが非常識だと言いたいくらいの表情をしている。
だが、席を譲ろうと「どうぞ」と女性が立ったら不満そうに断る。
年寄だと思われたくないのだろう。
なんてワガママな。
この前、優先席に座ったじいさんとばあさんが「私達70代が優先席に座っていいのかしら〜」と呑気に話していた。
いや、充分だろう。
それ以上行くと下手すりゃ死んでる。
そもそも優先席すら必要なくなる。
歳を取っても心は若いままだと良く言うが、全くその通り。
自分が歳を取ったら、ある程度年齢をわきまえた言動をしようとこうゆう時誓いたくなる。
糞ばかりのこの世界。
まだ愛せそうにない。
餓鬼が嫌い、と妹が言った。
私も、とすかさず返す。
でも分かってる。私に好かれたいがために合わせてる妹を。
お前は良い子だよ。
友達も多いじゃないか。
途中駅で彼氏が降りる。
開放感に満ちた顔で携帯電話をいじる、ように私には見える。
携帯を触っているだけで、他の女と連絡取ってると疑われるからだろう。
そうやって、みんなみんな私に気を使って…。
ゴミの吹き溜まり(職場)に到着する。
同僚と同じ事を聞いても自分だけ嫌な顔をされる。
何故、私は人から嫌われるタイプの人間に生まれて来たんだろう。
伊達に転職してねぇぜ!
塾に通っていた学生時代、塾の先生に「この世の終わりみたいな顔してるね」と言われた。
アイツももう死んだか。
生徒に平等に接する事ができないなら教師なんかやまちまえ。
何故、教師になった?
子供相手に舐めやがって、ヘボ教師。
素質がないんだよ。
人なんか…
人なんか…
テキトウに仕事して何も質問しなきゃいいんだろ。分かったよ。
こんな心と裏腹に客から「ありがとう」と言われる。
何故だか申し訳ない気分になる。
私なら絶対言わない。
人に感謝できる人間はやはり尊敬する。
だから嫌な顔されてもまた質問してしまう。
どこの誰か知らないが、感謝してくれる人の案件をミスし困らせたくないから。
それでまた私は嫌な顔される。
今日も、明日も、明後日も…。
そして毒付いては、この糞みたいな世界を罵り続ける。
あんたが辞めない限り、私は辞めない。
人を否定する事を。
幸せな精神論なんて呑気な金持ちが唱えてりゃいい。