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黄昏英雄譚 ~アナザーワールド・クロニクル~  作者: 憂木 ヒロ
最終章【傲慢】悪魔ルシファー討伐編/マギア侵略編

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エピローグb 夢と、愛と、友情と、未来と、心と――。

 波の音と風の音だけが少年たちを穏やかに撫でる中、ふと誰かの足音がそこに加わった。

 振り返った彼らの先にいるのは、白髪赤目の眼鏡の男。

 ノエル・リューズはスウェルダ王家に反逆した大罪人であったが、【使徒】討伐の功労者として処刑の執行猶予を三日貰っていた。

 魔導士の黒ローブを纏ったノエル・リューズは驚くトーヤたちのもとへ足を運び、そして、息子に声をかける。


「エイン……お前、リューズ商会を継ぐ気はないか?」


 突然突きつけられた選択肢に、エインは逡巡する。

 自分はずっとトーヤたちと共に居続けるのだと、彼は思っていた。だが、ノエルが大罪人として処刑されることが決まっている以上、『リューズ』を継承する者は不可欠になる。


「で、でも、だったらルーカス兄さんの方が適任なんじゃ……」


「ルーカスは【悪魔】に憑かれてフィルンで暴れたところを多くの者に目撃されている。もちろん、彼にも要職に就いてもらうつもりだが、トップとしてはいささか印象が悪いからな」


 その点、エインはトーヤたちと共に【悪魔】に抗った戦士として、さっそく今朝の新聞にも取り上げられている――ちなみにラファエルの根回しもあってのことだ――。

 彼ならば大衆の支持を得られる、そんなノエルの考えは間違ってはいないだろう。

 

「だけど、ぼくは経営者としても商人としても何の勉強もしていないのに……」


「無論、いきなり全てを任せるとは言わないさ。私と若い頃から付き合いのある者を教育者として選定しておいた。彼女の下で一年、お前には商人とはなんたるかを学んでもらう。私の息子として生まれたのだ、できて当然だろう?」

 

『組織』を抜けてやっと手にした自由。それを捨ててまで父の示す道を行くべきなのか、エインは迷った。

 トーヤたちと離れたくはない。だが、このまま彼の側にいてはその好意が抑えきれないほどに膨らんでしまう気がした。


「ぼくは……」


 初めて、父に期待されている。彼が思ってもみなかった、選択肢を提示されている。選ぶか選ばないか、その決定権は彼にある。

 トーヤたちに見守られながらエインは考え、考え抜いて、そして決めた。

 

「分かったよ、父さん。ぼくは父さんの後継者になる。『リューズ』を守り、父さんに誇れるような商人になってみせる」

 

「ありがとう。だが、一つ訂正が要るな。『父に誇れる』のではなく、『誰にでも誇れる』商人を目指してくれ」 


「――はい!」 


 これが父としてノエルが果たせる、最初で最後の役目だ。目標を得て、巣立っていくエインはこれからめきめきと成長していくだろう。それを見届けられないことだけが残念ではあるが、罪人として贅沢は言っていられない。

 眼鏡の下から少年たちを見つめるノエルは、トーヤと出会った頃を思い返して微笑した。

 奴隷という当然にあるものに対し、それは違うのではないかと声を上げた少年。奴隷制度の是非はともかく、「当たり前」に疑問を呈した彼の勇気に感銘を受けた瞬間を、ノエルは今でも鮮明に思い出せる。

 彼なら何かを変えられる、そう確信した。その確信は現実となり、マギアという大国の帝の思想さえ変えさせてしまった。

 彼らのような子供たちが担う世界は、きっと今より明るいものになっているだろう。

 

 ――年寄りが心配する必要はなさそうか。


 内心で呟き、ノエルは少年たちに背を向ける。

 去り際に手を振った男に対し、エインは精一杯背伸びして手を振り返した。

 


「デバイサー君、『リューズ商会』の後継になるんですってぇ。あーあ、声かけるの先越されちゃったわぁ」

 

 そう嘆くのは、アマゾネスの科学者アナスタシアである。

 戦いが終結した翌日にはフィンドラの研究室に直帰していた彼女は、溜め息と一緒に煙を吐き出す。

 アズダハークは煙草の匂いに顔をしかめながらも、椅子にかけている女の後ろに回り、彼女の肩を揉んでやった。

 

「子供の決めたことだ。我々がとやかく言っても仕方ないだろう」 

  

「まぁ、そうねぇ。でも、勝手にぼやくくらいはいいでしょう?」

               

 薄明かりに女の唇が妖しく照らされる。それを見つめ、この先もこの口がこぼす言葉を聞き続けるのだろうか、と男は考える。


 ――悪い気はしない。


 いい加減な女だが、それくらいが自分には丁度いいと彼は感じた。 

『怪物の子』という異端の存在を生んだことに後悔がないといえば、嘘になる。それでも彼らが笑って過ごしているのを見ていると、彼らを作って良かったと心から思えるのだ。

 彼女と共に、子供たちを育てていきたい――それがアズダハークの率直な願いであった。

 ぽつぽつと自分の思いを恥じらいもなく伝えてくる男に、アナスタシアは鼻を鳴らす。


「あんたの子たち、きっとあんたのこと恨んでるわよ」


「それでも、向き合うさ。何度拒まれようが、お前たちを大切に思っているのだと伝える」


「あたし、家事なんて全然できないわよ」 


「できるようになるよう、努力しろ。私も共に努力する」


「口だけじゃないでしょうね」


「まさか」



 二人の会話に、『怪物の子』たちは研究室のドアの側で聞き耳を立てていた。

 寝間着姿で肩を寄せ合う彼らは、室内の二人に気取られぬよう気配を消しつつ囁く。

 

「聞かなかった振り、するべきかしら」

「それは意地悪じゃないか、姉さん?」 

 

 睫毛を伏せるケルベロスに、オルトロスは耳をピクリと動かして答えた。

 リルは、彼の肩に頭を預けてうつらうつらしているヨルの髪を撫でながら、呟く。


「俺たちは幸せなんだよ、きっと。怪物の子として生まれて、戦うためだけに育てられたけど……人の温もりを、知ったんだ。それはあいつも同じで」

「愛着、と一言で片付けて良いものか分からないけれど……アズダハーク様は確かに、(わたくしたちを愛してくれている。それで十分じゃなくて?」

 

 アナスタシアにアズダハークを取られたのを少し悔しく思うヴァニタスだったが、アマゾネスの女への拒否感はなかった。彼女のメンテナンスのおかげで、怪物の力を制御できなくなるリスクは限りなく減ったのだ。この先誰も傷つけずに人として人生を全うすることも、可能だろう。

 もう、『怪物』として生きなくても良いのだ。『組織』も【悪魔】も存在しない世界で、彼らは歩んでいく。

 自分たちは「人の出来損ない」ではないと、リルは思う。『怪物』の血が混じっているからこそ、人の良さをより実感できた。『怪物』として戦う力を持っているから、ノエルとの戦争で怪物の軍勢から味方を守れた。

 リルたちは「人を守った怪物の子」として、胸を張れる。人と手を取って、人の世界で笑っていられる。彼らは人からも怪物からも排斥される存在ではなく、居場所があるのだ。

 

「兄貴も商人として頑張るみたいだし、俺たちもなんかやること探さないとな」

「あたし、もう決めました♡ 魔法の才能を活かしてフィルンの学園で先生をやるの♡」

「えっ、マジで!? お前には無理だろ」

「ばっ、馬鹿にしないでくださいね! あたしだって何かを教えることくらい、できるんですから!」

 

 素で否定してくるリルに顔を真っ赤にしたケルベロスは、自分たちが盗み聞きしていたのも忘れて大声を出してしまう。

 オルトロスが固まり、ヴァニタスが肩を竦めて溜め息を吐くのと同時に、案の定室内の声がぴたりと止んだ。

 

「……バレましたね」

「まあ、いいんじゃねぇの?」


 俺たちの間に隠し事なんていらないだろ、とリルは微笑する。

 男と女の一夜は一転、親と子供の団欒の時間へと変わっていった。


 

 科学者と怪物の子が穏やかな時を過ごすのと、同時刻。

 ルノウェルス王国首都スオロにて、王宮内に設えられた官舎の自室で本のページを捲ろうとしたオリビエは、ドアをノックする音に手を止めた。

 机に置かれた『魔導ランプ』の薄明かりに浮かぶ男の横顔は、最後の戦いに参加できなかった苦渋が滲んでいる。能力があるのに、活かせなかった。息子同然に愛情を注いできた青年の側に、いてやれなかった。

 気を抜けば、自罰の声が心中に響いていた。愚かにも悪魔に憑かれてしまった迂闊さを、彼は常に呪っていた。

 再度ノックがあり、慌ててオリビエは返事をする。殆ど間を置かず開けられた扉から覗けたのは、カイ・ルノウェルスと彼のよく知る青髪の女の姿だった。


「……レ、レア……?」


「やあ、オリビエ。ようやく目覚められたよ」

 

 最初は幻覚だと思った。だが、こちらに歩み寄って差し伸べられる女の手を取り、その温度に触れてしまえば否定などできようはずもなかった。

 レアに憑依していたリリスの魂は死に、沈黙させられていた彼女はようやく言葉を取り戻したのだ。

 彼女の肉体はアレクシルとアダマスの大魔法によって一度は散ったものの、トーヤとセトのもたらした奇跡によって蘇った。


「心配かけて、悪かったね」


「君は何も悪くないんだ。僕が、悪魔に憑かれてしまったから……きっとリリスは、僕を介して君に乗り移ったんだ。あの女は人の肉体を渡り歩ける秘術を持っていたから――」


 いつかは分からない。だが、彼とレアが二人きりになったある時、それは起こったのだ。オリビエ自身が違和感を抱かないほどに憑いていた女は息を潜めており、その瞬間、牙を剥いた。

 オリビエの断定に近い推測に、レアは「なるほどな」と呟く。 

 彼女の付き添いで来たカイも辻褄の合う考えに頷き、それから再会できた二人に言い残した。


「俺は行くよ。レアがリリスに憑かれたわけも把握できたし、二人の逢瀬を邪魔しちゃ悪いしな」


「……君が逢瀬という単語を知っていたとは。王子様も少しは成長したらしい」


「も、もう王様だ。馬鹿にするなよ」


 驚きを隠そうともしないレアに、カイは若干顔を赤らめる。年相応の少年らしいその表情を素直に愛おしく感じたレアは、彼を呼び止めようとして、やめた。


「王様、私のことは甘やかさなくていい。私は自力で、でっかい仕事を掴んでみせるよ」


 眠っていた間に王子は王となり、悪魔は滅んだ。世界の姿が変化していく中で、その波を乗り越えてみせようとレアは宣言する。

 病み上がりにも拘らず勝気な女に、カイはにやりと笑みを返した。

 心配よりも叱咤を望むのがレアという女の精神性なのだ。時に傲岸不遜に捉えられる態度は、自分の力への絶対の自信があってのもの。


「積もる話は、また後でだな。じゃあ、おやすみ」


 カイ・ルノウェルスは人気のない廊下を歩きながら、これまでの戦いを回顧する。  

 始まりは、悪魔に憑かれた母親を救うための力を求め、【神殿】攻略を決めた時だった。オリビエの導きでレアやロイといった協力者を得、トーヤたちとも出会えた。

【神器】を手に入れ、ヴァルグら傭兵団も加わってベルフェゴールとの決戦に臨み、死闘の果てに撃破。

 その後も王となったカイには試練の連続で、一時だって気を抜くことは許されなかった。

 だが、今夜だけは。今だけは、一息ついても誰も文句は言うまい。


「あいつ、いい顔してたな……」


【使徒】との戦いを終えて帰還する間際、見送りにきたトーヤは少し寂しそうにしつつも、安らいだ表情だった。

 彼はきっと、戦いの中で何かを見いだせたのだろう。彼だけでなく、その仲間たちも。

 少年と再会を誓ったカイは、彼が自分に与えてくれたものの大きさに改めて気づいた。心で分かり合える同年代の友――その存在が生涯を通してかけがえのないものになるだろうことは、明らかだった。

 

 ――ありがとう。 


 窓から見上げる銀色の月と、親友の瞳とを重ね――カイは、静かに少年へ感謝の言葉を贈った。



 全ての戦いを終えた直後、僕はまずアレクシル王のもとへ赴いて、彼に「これからの道を選ばせてくれませんか」と打診した。

 王はそれを快諾し、その日から僕たちのフィンドラ王城の食客としての立場は失われた。 

 エミリアさんやエンシオさんは僕たちと頻繁に会えなくなるのを心細そうにしていたけど、でも、呼び止めてくることもなかった。

 ただ、ティーナさんだけは泣きながら僕を離すまいと抱きついていたけど。少し引いた位置からのカイたちの視線が微妙に痛かったなぁ……。 

 

 マギアの面々を見送り、ノエルさんがエインに思わぬ提案をした後。

 波止場に残された僕たちは晴れ空を見上げて、しばらくそこに佇んでいた。

 

「ねぇ、トーヤ、みんな。あたしね……故郷に、『ヨトゥン渓谷』に帰ろうと思うの。エインがノエルさんの跡を継ぐって決めて、あたしはどうしようかって考えたら、やっぱりいつまでも旅をしてるわけにはいかないかなって……」


 切り出したのは、ユーミだった。

 悪魔を倒す使命から始まった、僕とエルの旅。その使命が果たされ、戦う理由もなくなった以上、この集いが「解散する」選択肢が浮上してもおかしくはなかった。

 

「うむ……私も、そろそろ母上や幼馴染(カルの顔を見に行きたいのじゃ。トーヤたちとの旅の中でどれだけ成長できたのか、同胞たちに見せてあげたいからのぅ」


「と、トーヤ殿……誠に勝手ながら、私たちも一度故郷に戻らせていただけますか」


 リオが遠い目をして呟くと、追随してアリスも申し出る。頭の後ろに手をやって動く入道雲を眺めていたヒューゴさんは、「そうだなぁ」とぼんやり言った。


「特に俺なんかは、失踪してから録に同胞たちと顔を合わせてないからなあ……君たちと一緒にいられないのは寂しいけど、里帰りしなきゃな」


 彼らとの日常が当たり前になって、僕は忘れていた。彼らには、故郷に家族がいるのだ。 

 僕が両親と妹を愛していたように、同じだけの愛を彼女らは生きている肉親に注いでいる。

 それを理解したら、止められるはずがなかった。


「寂しくなんか、ないですよ。たとえ離れ離れになっても、僕たちの心は繋がってる。だから……大丈夫です」


 言葉ではそう言っても、声が震えるのを抑えられない。

 本当は寂しい。みんなと離れたくなんて、ない。でも、今は泣いちゃいけないんだ。これは永遠の別れなんかじゃなく、一時の離別でしかないのだから。

 温かい手が、僕の手を包んだ。いつも僕の隣にいてくれた、使命のために戦う同志であり、「共犯者」であり、恋人であるエルの手。

 

「ユーミたちは里帰りするとして、私たちはこれからどうしよっか?」


 涙ぐんでしまう僕の寂しさを吹き飛ばそうとするように、彼女は明るい調子で問うた。

 シアンとジェード、それにセトさんは顔を見合わせる。彼らにも僕にも、特に計画はなかった。悪魔を討伐し、イヴさんやリリスさんとの決着をつけるという使命が、僕らのゴールだったから。

 ゴールに到達したら、また新たなスタートを切る――それしか、ないだろう。

 僕たちはどこにだって行ける。まだ見ていない場所や知らないことだっていっぱいある。シアンたちの故郷や僕のお母さんの故郷にも、足を踏み入れていない。


「――旅を続けるよ。行き先は、シアンとジェードの故郷さ」


 シアンとはいつか故郷に亜人族の居場所を作るのだと約束した。その国は既にマギア領となっているが、アダマス帝の方針転換もあって『変革』を起こす機はすぐそこだ。

 

「約束、覚えていてくれたんですね」


「当たり前じゃないか。シアンもジェードも、家族同然の仲間なんだから」 


 胸に手を当て、瞳をうっすらと潤ませるシアンに僕は頷いてみせた。

 八重歯を覗かせて笑うジェードは、水平線の向こうを見据えながら確固とした口調で言う。


「ああ。行くんなら、今から準備しなくちゃな」


「そうだね。船を選んでルートを決めて……ふふっ、忙しくなりそうだ」


「ねえトーヤ君。僕なら【転送魔法陣】でマギアまでひとっ飛びだよ」

 

「ホントですか!? うーん、でも船旅もしてみたいしなぁ」 


 さっそく計画立てていく僕に、セトさんはさらっと凄いことをのたまった。

 時間と経験を秤にかけて唸りながら、僕は選択肢があることのありがたさを実感する。

 エルとの出会いをきっかけに、僕の世界は文字通り広がった。闇の中を手探りで歩いていくような危うさは、もうどこにもなかった。


「決めたよ。船旅、しよう!」


 セトさんとシアン、ジェード、それからエルへ、僕は当面の計画を宣言した。

 彼らからの異論の声はない。セトさんは僕らと共に人と触れ合い、シアンたちは故郷へ戻れて、エルと僕は一緒にいられるだけで嬉しいから。

 その時上がった海鳥の声は、まるで僕らの門出を祝福してくれているようで。

 彼らの祝福を一身に浴びながら、僕らは開かれた世界へと飛び立っていく。


 ――遥かなる未来へ。

 人の物語の中にたゆたう「可能性」を、信じて。



* * *



 何もないまっさらな空間に、線を一本引いたとしよう。

 虚無だったそこは、その一本だけで世界となる。

 線一本だったとしても、何かがあれば立派な世界だ。


 人の心も同じだと思う。誰かが一本の線を引けば、新たな世界がそこに生まれる。


 線とは、何かが居着くための足場だ。

 点とは、そこに居着く何かだ。

 線と点とが交わり、結びついて人の心はできている。その交差には無数のパターンが存在しており、その違いの一つが運命をも変えてしまう。


 線の太さも、点の数も、人それぞれ違う。

 その差で優劣はつかない。つけられない。

 なぜなら、つけたところで意味がないからだ。優劣など所詮は人の集合意識が生み出す価値観にすぎず、それに執着しても個人の本質が見えることはないのだ。


 前おきはこのへんにしておこう。

 とにかく、今日は何を食べただとか、好きな人に話しかけられたとか、仕事で失敗をしてしまったとか、そういう些細なことに価値を感じてくれればそれでいい。

 自分の本質を知れるのは自分だけだ。自分の価値を幸せに変えられるのは自分だけだ。

 時には誰かに頼り、誰かを支えても、最後に決めるのは自分だ。

 

 まぁ結局、僕が何を言いたかったかというと――少し照れくさいね――君に、笑っていてほしいってことかな。



(完)

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新作ロボットSF書きました。こちらの作品もよろしくお願いいたします
『悪魔喰らいの機動天使《プシュコマキア》』
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