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黄昏英雄譚 ~アナザーワールド・クロニクル~  作者: 憂木 ヒロ
最終章【傲慢】悪魔ルシファー討伐編/マギア侵略編

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42  覚醒するモノ

 ある黒髪の青年は、漆黒の異形がひしめく空を仰ぎ、呟く。


「目覚めさせてくれたね、母さん。ありがとう……これで僕の計画の実現は、より現実味を増した」


【原初の神】として君臨した時代、『名無しネーモー』を名乗った『ユグドラシル』時代、そして【マギ】を肩書とした現代。

 悠久の時を生きてきた青年は、その時代ごとに名を変えて暗躍し続けてきた。

 その全ては【神】を降ろすため。

 自分たち人類の干渉できない領域にこの世界を統べる存在がいるのだと、彼は魔導の研究に勤しむ間に偶然気づいてしまった。

「次元の狭間を観測する窓」――これを初めて覗いた彼は、そこに確かな意思を持つ存在を認めた。

 しかし、こちらからは覗けるだけで干渉は不可能。彼は神の側からこちらへ『修正』行為をしにくるのを、待つしかなかった。


「ふふ……これから世界は崩壊する。悪意に侵され、朽ちていく。それじゃ困るよね、神様? さぁ、この地に降臨してくれ。僕はあなたに、ずっと会いたかったんだ」


 千年前にユグドラシルが崩壊した際は、彼が現れた神と接触することは叶わなかった。

 愚かな神々がシル・ヴァルキュリアを騙した「悪」を討つべく、彼の前に立ち塞がったためだ。

 あれから、千年。

 長かった。長すぎた。彼は気が狂うのではないかと思えるほどの時を、この日の準備に全て注ぎ込んだ。

【組織】が宗教団体として存続できるよう手回しし、大罪の悪魔を封印から解き放てるように何度も干渉し、【組織】の長に就かせるためにシル・ヴァルキュリアを目覚めさせた。

 才能ある魔導士の少年に国を築く道を示し、「戦争こそが世界を変えられる最高の手段なのだ」と刷り込んだ。そうして生まれたのがマギア帝国であり、戦争がもたらす「死」という供物を帝国は期待通り作ってくれた。

 そして今、【悪魔の心臓】は誕生した。青年の――「セト」の、願いを宿して。



 悪魔の軍勢の中に、黒髪の少年とよく似た姿を持つ個体が散見されることに、三国とマギアの【神器使い】たちは目ざとく気がついた。

 驚愕する者、困惑する者、全てを理解し動じぬ者と反応は様々。似ている当人のトーヤはアダマス帝に肩を並べ、彼に訊ねる。


「……これはあなたの計画外のことなんですよね?」


「そうだ。【マギ】は、私を欺いて……いや、利用していたに過ぎなかったのだ」


【悪魔の心臓】が生まれたのはセトの思惑によるものであり、アダマスは無自覚にその片棒を担がされていただけだった。

 彼の言葉に息子、娘たちは激しく狼狽える。これまで、アダマスはタラサ以外の者の前では「自身の弱さ」を窺わせる発言は一切していなかった。完璧な父のペルソナが剥がれ、一人の男の素顔が露呈する。


「プラグマ、トゥリフェローティタ、ロンヒ、エウカリス。私はお前たちを失望させてしまったかもしれない。しかし……これが、私なのだ。アダマスという男の、紛れもない素性なのだ」

 

 子供たちがアダマスに幻滅し、見限ることも可能性として考えられる。だが、それでも彼は図々しく願った。息子たちが自分と共に在り続けてくれることを、切に祈った。

 そんな彼に、子供たちは。

 父の本当の姿をそこに認め、拒まずに受け入れた。

 トゥリは帝の前に出て、イルヴァの防壁越しに悪魔たちを見据えながら言う。


「お父様はお父様です。それ以上でも以下でもない。人は等しく人であるのだから、過ちを犯すこともあるでしょう」

 

 鉄扇を構える女戦士はその瞳に桃色の輝きを宿し、前進する。

 アダマスの【雷霆(ケラウノス)】が悪魔どもを一掃したとはいえ、新たに生まれ出たモノたちが続々とこちらへ押し寄せてきていた。エールブルーの軍港よりもずっと多くの魔力がある、『アイテール』目がけて。

 風に髪をなびかせて急降下していくトゥリは悪魔たちと激突する寸前に鉄扇を開き、弧を描くようにそれを振った。

 

「さあ! 君たちも、私の虜になるんだ!」


 桃色の光と、微かに甘い匂いを孕んだ煙。

 放たれたそれが彼女の前方にいた悪魔たちを包み、そして――


「いい子だね。君たちは、私を邪魔する他の悪い子たちにお仕置きをしておいで」


 トゥリの行く先の悪魔たちは彼女がそこを通れるように身を引き、さながら黒い壁に風穴が開いたかのようだった。

 湧き出でる悪魔どもを逐一相手していても意味がない。無謀だとしても突っ込み、【悪魔の心臓】へダメージを与える――それ以外に、この状況の解決策はない。

 

「道は私が切り開く! ロンヒ、君もさっさとついてくるんだ! 戦いしか能のない君が陛下に認められる、貴重なチャンスなのだからね!」


「ちっ、いい気になって煽りやがって……! 言われなくとも、行ってやるぜ!」


 赤き呼気を吐き、飛び出した側から巨大化していく【アレスの神器使い】。

 先導するトゥリにすぐさま追いついてみせた彼は、規格外のリーチを誇る大槍を薙ぎ払い、周囲の悪魔たちを蹴散らしていく。

 槍の穂先が掠めるだけで、その熱に耐え切れず悪魔は悲鳴を撒き散らした。


 ――ただ戦う機械じゃねえ、奴らにも痛みが、感覚があるんだ。


 数体で部隊を組んで戦えることから、悪魔たちにはそれなりの知能があるのだろう。彼らを指揮する「少年型」の悪魔は、特に優れた頭脳を有しているはず。

 ロンヒはそこに勝機を見出した。機械にはなく、人にはある弱点――それは、異常事態がもたらす「混乱」である。

 トゥリに操られて味方へ攻撃している悪魔の存在は、それを生み出すのに丁度いいものといえた。


「掻き回せ、掻き乱せ! 戦場を混沌の色に染め上げろ!」

 

 先行した二人の【神器使い】に触発され、少年少女たちも続々と飛び出していく。

 シアンの蹴りが悪魔の顔面にめり込み、ジェードの拳がその鳩尾を突き、ユーミの大剣が胴体を一刀両断する。

【ノルンの神器】の専用魔法は、一度の戦闘につき一度きりの使用が限度の、強力無比な代わりに消費する魔力も莫大な技であった。その切り札は本命にたどり着くまでは使えない。彼女らは【神器】に頼らず、自らが持つ純粋な実力のみで戦い抜かねばならなかった。

 

「エルさんの治癒術はやっぱり凄いです……戦闘に何の支障も残らないほど、完璧に治っていますから」


「お喋りなんて余裕じゃんか、シアン! 俺も負けてられない!」


「あたしだって、いいとこ見せられるんだから!」 

 

 獣人の少女が燃やす炎が鮮やかな尾を引き、漆黒の合間を赤く彩る。

 病み上がりを窺わせないほど俊敏な動きを披露する彼女に、同胞の少年は生来の負けん気を発揮した。

 雷が黄金に弾け、弾け、弾け――拳の連撃が悪魔たちを穿ち、爆砕する。

 その断末魔の叫びを快く聞きながら、巨人の女性は『魔剣』の回転斬りを見舞い、四方から迫る悪魔を暴風で引きちぎった。

 彼女らの『魔具』や『魔剣』を用いた技は、既に【神器】のそれに匹敵する威力まで昇華していた。トーヤという追い縋るべき目標がそばにあったおかげで、彼女らはどこまでも力を伸ばすことができた。

 少年と出会う前は眠っていた才能が、彼との旅の中で芽生え、めきめきと成長していっている。

 トーヤへ感謝の言葉を内心で送りつつ、三人はそれぞれの武器を敵へ振るった。

 


「エル、【悪魔の心臓】には核となる人間が必要だったよね? となると、今、あの黒い心臓の中にいるのは……」


「間違いなくイヴだろうね。私たちが彼女から逃げてノエルとの戦いに臨んだ後、彼女の動きは全くなかったけど……この時のために、身を潜めていたってわけだ」


 跡形もなく破壊されたエールブルーから目を背けたい衝動を必死にこらえ、トーヤはその上空にある【悪魔の心臓】を睥睨する。

 訊ねてくる彼に答えるエルの分析は、正しかった。彼女は存ぜぬことだが、イヴがリリスの肉体と魂に融合した直後、意識を失った彼女を回収したのはセトであった。


「エインくん、私たちがいない間、トーヤくんと一緒に戦ってくれてありがとう」


「ううん、ぼくはただ当たり前のことをしただけで……」


「その『当たり前』が素晴らしいんだよ。自分たち以外は全て敵という状況で戦い抜いたんだ、謙虚にならず誇るに値することさ」


 共に港町へ飛ぶエインに、エルは心からの感謝を言葉にした。

 自分たちがトーヤを守りきれず、敵に奪われるのを許してしまった不甲斐なさ――その汚名はここで活躍することで返上しようと、彼女は全力の【防衛魔法】でトーヤとエインの守護天使となった。

 彼女の優しい意思が具現化した、大きく包み込むような温かい光の防壁。それは何よりも硬く、どんな悪意も通しはしない。

 悪魔の放つ闇属性の砲撃をものともせず、絶対の盾をもって突撃する彼女らを阻む者は、この戦場に存在してはいなかった。

 海を越え、エールブルーの軍港上空までたどり着いた三人は、そこで戦う二人の【神器使い】に気づいて声を投じる。


「カイ、ミラ!」


「っ、トーヤか!? 助かった! 流石に俺たち二人だけじゃ、きつい戦況だっ――」

『オオオオオオオオオオッッ!!』


 その救援に胸を熱くするカイだったが、入ってきた横槍に舌打ちする。

 これまでに倒れた味方の魔力を吸収して肥大化を遂げた悪魔は、いびつに太く長い両腕を振り回し、その手でカイを捕らえんとする。

 緋色のマントを翻す青年は既に限界に近かった。口から血を吐き、目には赤い涙を滲ませながらも、しかし彼は魔力が尽きるまで戦う所存でいた。

『必ず生きて戻るのよ』という姉の言葉と、世界を悪意から守る使命――それを秤にかけた彼は、最愛の姉の願いを捨てる残酷な選択を余儀なくされた。 


「迸れ、【紅蓮(グレン)】!」

 

 疲労が足を引っ張り、反応が遅れた一瞬。

 カイの脚を掴んだ悪魔の豪腕を、その二刀は断ち切っていた。

 漆黒の刃が紅蓮の華を咲かせ、放出された火花はカイの身体を包み込み、彼に魔力という名の祝福を施す。

 五感が澄み渡り、赤く濁った視界もクリアになっていく。

 本体から切り離された悪魔の巨大な腕は、それを維持するための魔力を失って霧散していった。


「い、命拾いした……ありがとう、エイン」


「本当ならお休みして頂きたいくらいの疲労度合いですが、すみません。今は、戦い続けなきゃいけない時です。ぼくなら炎の魔力を分けてあげられますから、共に抗いましょう!」


 トーヤたちの元を離れ、エインはカイを支える役割に徹することを決めた。

 青年王の背中を守るように戦場に立った彼は、眼下で震える一人の兵士に言ってみせる。


「大丈夫です、ぼくが守ります。お兄さんはそこから動かずに、極力息を潜めていてください」


 エインは深く息を吸い、二刀の片方を鞘に収めると左胸に手を当てる。

 呼吸を整え、魔力を紡いだ彼の前には――もう一人の「エイン」が出現していた。ドリス・ベンディクスとの戦いの前に彼が独力で身につけた【大罪の悪魔】の技、「分身体」の生成魔法である。

 ふわり、舞い降りた分身は男のそばに立つと、彼へにこりと微笑みかけた。

 悪魔の力があった頃は何体でも作れた分身体は、今となっては一体が限度。しかし、それでも構わなかった。もうその分身は殺戮のためではなく、尊い命を守るために使えるようになったのだから。



 燦々と降り注ぐ日光から魔力を得られていることもあって、光属性の【神器】を扱うミラは魔力に余裕を残していた。

 レイピアの先端を瞬かせ、放つ光線は、立て続けに悪魔たちを貫き、焼き殺す。

 聴覚を麻痺させるほどの断末魔の叫びの連鎖にうんざりさえしつつ、彼女は叩きつけられた絶望から意識を逸らすべく戦闘に没頭する。

 父の死、イルヴァの裏切り、海軍の大損害、奪われたトーヤ、それらに追い打ちをかけるように行われたエールブルー市民の虐殺。

 どうしてミラだけ、こんなにも過酷な運命を背負わされてしまったのか。この世に神がいたとして、彼女は問えるのなら問いたかった。しかし、現実には答えをくれる者はいない。ならば、考えても仕方のないことではないか? 運命を呪うくらいなら、修羅になる方がずっとマシだと彼女には思えた。

 


「スパイとして潜入した敵国に、未練を残している……そう言ったら、あなたは私を殺しますか」

 

『アイテール』を背後に防壁を展開するイルヴァは、【雷霆】で若者たちの援護射撃を行っているアダマス帝へ訊いてみた。

 彼の答えが「イエス」でも「ノー」でも、イルヴァの行動は決まっている。

 その覚悟を察したのだろうか――アダマスは彼女に無言を返した。

   

「ありがとう、ございます。偉大なる、皇帝陛下」 

 

 虚偽と欺瞞に(まみ)れた人生。自身の本心を殺し、使命のためだけに進み続けてきた偽りの道。

 だが、本当にそのまま終わって良いのだろうか。自分の望みから目を逸らしたまま、死んでしまっても良いのだろうか。

 魔力を過剰摂取し、また過剰に吐き出したイルヴァの心身は既にボロボロだ。あと一回大ダメージを食らえばひとたまりもなく死ぬほど、彼女は弱っている。

 せめて、最期の瞬間を迎える前に謝らせて欲しい。彼女が心から尊敬する女王、ミラ・スウェルダに。


「――行きます」


 両翼を広げ、雄大なる空を彼女は飛翔する。

 天高く舞い上がり戦場を俯瞰した彼女の目は、白く瞬く光の連続を確かに捉えた。

 直後、急降下。

 独りで奮闘する主のもとへ、鬼と化した女は一直線に駆けつけていった。



 シル・ヴァルキュリアは【悪魔の心臓】が出現してから、誰よりも早くそれを倒すために動き出していた。

 死した者の魔力を吸い上げて肉壁の層を重ね、触手を増やしていく【悪魔の心臓】。絶えず湧き出る悪魔たちに「キリがない」と舌打ちする彼女は、詠唱を何度も行い地道に【心臓】本体へ損傷を与えようとしていた。


「【大地の底より湧き上がれ、絶対零度よ。天空を裂いて降臨せん、絶対の炎熱よ】! ――【氷炎龍(ひょうえんりゅう)】!」


 青き光が彼女の足元から屹立し、同時に頭上から赤いオーラが降り注いだ。

 とぐろを巻いて吼える二体の龍は、周囲に蔓延る悪魔たちを睥睨し、片っ端からそれらに食らいついていく。

 氷と火炎の魔力を牙に宿した龍たちは悪魔たちの頸を噛み千切り、腹を爪で裂き、背後から迫るものは刺の生えた長大な尾で薙ぎ払った。

【悪魔の心臓】の表面を守るように密集し、蠢く漆黒の異形たちは――彼女が召喚した魔導生物たちによって徐々に、だが着実に数を減らしてきていた。


「【召喚魔法(インヴォカーレ)】!」


 空中に描き出された漆黒の魔法陣から呼び出されたのは、(たこ)のような触手を無数に全身から生やした人型の怪物である。

 彼女が幼い頃読んだ創作神話に登場した化物。読んだのが昔すぎてその形状はあやふやで、「イメージ力」が強さを左右する魔法としては悪かったが――それでも不鮮明なイメージは、怪物の「形なきモノ」としての属性を後押しする方に働いた。

 伸ばされた黒い触手の数々が悪魔たちの胴体を絡めとり、絞め殺す。どす黒い瘴気と血液を撒き散らしながら、悪魔たちは断末魔の声を連ねていった。 


『アアアアアアアアアアアアアアアッッ!!?』


「本体の肉壁が、覗けた……! 今なら、撃ち込める!」


【心臓】の表面に生え、悪魔を生み出す触手たち。シルは龍たちや「不定形の怪物」にそのうちの一点のみを集中して当たらせ、そこだけだが悪魔の供給よりも討伐速度を上回らせることに成功する。

 悪魔に邪魔されない、一瞬の隙。そこに大魔法を撃ち込めば、確実に【心臓】を傷つけられるはずだ。


「決着をつけましょう、イヴ――【時幻展開】!!」


 虹色に輝く八つの魔法陣を背後に展開したシルは、己の出せる最大火力をその一撃に込めた。

 二千年前の『魔女計画』から始まった、悪魔の悲劇。人の抱える「罪」が絡まり、交わり、起こってしまった悪意の連鎖。――それを断ち切ることこそ、シルがこの時代まで生かされていた理由なのだ。

 喪った者は二度と戻らない。だからこそ、その人の遺志を今に生きるシルが継いでいかなくてはならない。彼が願った平和な世界を作るために、世界を破壊せんとするイヴの野望を挫く!


 八つの魔法陣がその照準を全て一点に定め、寸分たがわぬタイミングでその砲を発射する。

 瞬間、迸る光条が視界を塗り潰し――【心臓】の表層に直撃、爆音を轟かせた。 

 

「姉さん――」

「やった、のか……?」

 

 この場に到着したエルとトーヤが、眩い光と爆風を放つ爆心地を見据え、呟く。

【神器使い】たち全員が、その光景に固唾を呑んだ。【ユグドラシル】時代より生きる最強の魔女の一撃が【悪魔の心臓】を破壊したのだと、誰もが信じた。

 光の奔流が収まり、爆風もなりを潜めたその一点を彼らは凝視する。

 確かにシルの魔法は【悪魔の心臓】を穿ち、反対側が覗ける大穴を開けていた。しかし――その穴は、みるみるうちに塞がっていき、トーヤたちが阻止せんと魔法をぶつけても既に遅かった。

 肩で息をしながらシルは喘ぎ混じりの声で唸る。


「一撃で完全に破壊しなければ、無意味ってこと……!?」 

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新作ロボットSF書きました。こちらの作品もよろしくお願いいたします
『悪魔喰らいの機動天使《プシュコマキア》』
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