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黄昏英雄譚 ~アナザーワールド・クロニクル~  作者: 憂木 ヒロ
最終章【傲慢】悪魔ルシファー討伐編/マギア侵略編

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38  真実と偽り

 扉を開け、その先の廊下へ。

 大理石で作られた無機質な床の上を足早に進みながら、僕は隣を行くエインに声をかけた。


「エイン……僕は君に生きていてほしいんだ」


 彼が抱える辛さは、他人である僕には完全に理解できるものではないのかもしれない。知ったふうな口を利いて表面だけ寄り添っても、何の意味もない。

 今、僕がやれるのは――彼に素直な想いを伝えることだ。


「……ぼくなんかが生きてたって……辛いこと、ばっかりだ。望んでこうなったわけじゃないのに、他人ひと以上の辛さに押しつぶされそうになって……気を抜けば、自分を傷つけたくなってしまう」


 初めて、エインは僕の前で自身の「辛さ」を曝け出した。

 運命の女神様は残酷で、幸せを平等に配ってはくれない。何の痛みも抱えずに逝く人もいれば、苦痛を味わいながら生かされる人もいる。エインは、後者だった。

 異常なほど休みなく続けた訓練は、その辛さを紛らわすためのものだったのだろう。性行為で痛みを忘れようとした僕と同じく、彼も「戦い」以外の手段を知らなかった。


「何も考えずに、楽になれたら……そう何度も思ったよ。でも、できなくて。僕には戦うしかなくて。それしか出来ないのが、余計に辛くて……。悪魔を全て倒した後、自分がどうなるのかを想像すると、恐ろしくなるんだ」


 アイデンティティの喪失。

 戦闘に明け暮れた地獄の過去を想起させるそれは、既に彼の根幹と成り果てていて、引き剥がせなくなっていた。

 僕には、どう言葉をかけたら良いのか分からなかった。それは僕が経験もしたことのない恐怖だった。


「ごめんね、今はウジウジしてる場合じゃないよね。前を向いて、この苦境を切り抜けないとね!」


 笑顔で憂鬱さを払拭したエインは、声を張り上げて意気込む。

 彼と視線を合わせて僕は頷き、それから――


「……っ!?」


 ぐらり、と。

 床が、壁が、天井が、大きく一揺れした。


「エイン掴まって!」

「う、うん!」


 体勢を崩したエインの腕を掴み、僕は精一杯足を踏ん張った。

 その間も、揺れの第二波は襲い来る。続いて耳朶を打ったのは、フィルンの魔導学園を見学した時に聞いたことのある『魔導機構』――魔力で円盤等を動かし、エネルギーを生み出す装置――に似た音。


「……要塞が、動く」


 僕の推測はおそらく当たっているだろう。

 そして、その推測が導かれる結末も、きっと現実になるのだろう。


「エイン、僕たちでこの要塞の『砲』の操作を止めるんだ! 僕なら高い魔力反応を探知できるから、君は護衛して!」


「――わかったよ! じゃあ、急ごう!」


 前世譲りなのか、僕の最も得意とする魔法は「力」属性だ。

 さっきの【グリッド・ケージ】だって、単に光を格子状に放つだけでは檻としての役割を果たせない。それを空間に固着させ、触れたものを弾き返すほどの魔力を与える――これは、「力」属性の働きあってのことだ。

 無人の廊下を僕たちは駆けていく。走りながら、僕はここが要塞であるという自分の予測を疑いたくなった。アダマス帝が『神事の間』と呼んださっきの大部屋といい、この無駄に長い廊下といい、戦争のために作られたものとは思えない。

 あの『魔導機構』の音とこの場の規模を鑑みて、ここを「動く要塞」だと判断したのだ。マギアには確かそんな発明もあるのだと、いつだったかティーナさんが話していた。


 胸騒ぎが収まらない。

 何かが起ころうとしている。

 僕たちの及びのつかないところで、何かが現れようとしているような――そんな予感があった。



「おっと、動き出したか! こりゃ、ちと戦いにくくなるかもなぁ!」


 神アレスの【神器使い】、ロンヒは笑う。

 彼はこの揺れが進撃の始まりだと信じて疑っていない。


「天空より本土を攻める。あなたたちが必死に抗った海戦は、そもそも無意味だったのよ」


 獣人の少年を鞭でいなしながら、女神ヘラの【神器使い】プラグマは告げた。

 彼女は少年の絶望の顔を舐め回すように眺め、暗い悦楽に浸る。


「……何か、変だね。あのフォティアが、こんなに激しく揺れるほど雑な操縦をするわけない」


 ユーミと一旦距離を取って相対しつつ、トゥリは呟く。

 この場において彼女だけが、正しく異変を察知していた。

 防衛に使われるはずであった魔力が別のところへ回されていた件に続いて起こった、異変。何か関連性があるのか、とトゥリは疑う。

 

「考え事は後にしたら!? その腕、鈍ってるわよ!」

「……あぁ、そのようだね。敵に叱咤されるとは、私もまだまだだ」


 ユーミの袈裟斬りを鉄扇で受けたトゥリは、膝を沈めて歯軋りする。

 ――僅かな動揺が隙を作ってしまったか。

 ――だけど。

 ユーミの剣から感じた圧が、霧散した。


「効いてきただろう。じきに、君は私を傷つけられなくなる」


 互いに得物を打ち合わせる近接戦闘の中で、何度も、何度もトゥリはユーミの目を覗いていた。

 桃色の輝きを宿す瞳は、それを見た者に『愛の呪い』を擦り込んでいく。

 そうなればもう、トゥリの勝利は確定的だ。

 仲間を救うために敵陣に突入するような勇猛果敢で仲間想いのユーミには、特に呪いは強く作用する。傷つけられなくなるどころか、トゥリを守ろうとまでしてくるかもしれない。


「……っ、いや……あたしは、あんたを、倒さなくちゃいけないのに……!」

「君の心意気は賞賛に値するけど、そう思えば思うほど辛くなるだけさ」


 相反する感情の狭間で苦しむユーミに、トゥリは告げた。

 その葛藤に抗い続ければ、二方向に心が引っ張られ、やがては千切れてしまうのだと。

 そうして自己矛盾に屈し、折れた敵をトゥリは腐るほど目にしてきた。人は苦痛から逃れたがるもの。そうできる手段があるならば、追い詰められた者は簡単に飛びついてしまう。


「ふふ……君はいつまで耐えられるかな」


【愛の魔女】は蠱惑的に口許を緩める。

 天空要塞が揺れと共に動き出す中、【神器使い】たちの戦いは佳境へと突入していった。



「おい! あれ、こっちに近づいてくるぞ!」

「迎撃部隊は何をもたもたしてるんだ!? 急がねえと、またさっきみたいな砲撃が――」

「んなこと言ったって、この距離じゃ届きゃしないだろうが! ちったあ落ち着け、お前ら!」


 エールブルーの軍港は叫喚に満たされていた。

 空を仰いで見える巨大な天空要塞の接近に、スウェルダ兵たちの混乱は収まらない。

 部下を怒鳴りつける上官自身も、自分がいま何を為すべきか分からずにいた。とりあえず部下たちに声掛けしても、焼け石に水という状況である。



 彼らの混乱も露知らず、『アイテール』管制室のモニター越しにエールブルーの街並みを見下ろすのは、ゼステーノ・ロ・マギア。

『ヘスティアの神器使い』である赤いツインテールの少女は、軍服の胸元の階級章を力任せに引き剥がす。

 

「うふふっ……階級など、もはや意味を成しません。これからの世界は【マギ】と神によって生まれ変わるのですから」


 捨てたそれを踏み付け、ゼステーノは哄笑した。

 隣に要塞の設計者である青年を従える彼女は、彼へ命じる。


「私の『炉』の魔力を与えます。『魔力凝縮装置』にアクセスしたのち、『魔導砲』と接続を。準備が整い次第、エールブルー()()()に撃ち込んでください」


 フォティアは鋭く息を吸い、洗脳下にありながらも首を横に振ろうとして、出来なかった。

 白い指が彼の細い首を掴み、締め上げる。少女のものとは思えない握力に、フォティアは喘ぐことも許されない。


「どうして、首を横に振るんですか? あなたはもう、私のものなのに。主に従うのが正しい臣下の在り方でしょう?」


 少女の指から発される魔力が青年の頸を伝い、頭に達した。黒い魔力に侵される脳は正常な判断力を失い、フォティアは一切の抵抗の余地を奪われる。

 首に赤い跡を残す彼は、ゼステーノの前に跪いて微笑んだ。


「うん……わかったよ。僕があの街を、ゼステーノの魔力で焼いてあげる」


「いい子ですね。さぁ、始めてください」


 兄のアッシュブラウンの髪を撫で、満足げにゼステーノは言った。

【マギ】の洗脳によって彼女らは自らが企図しない凶行に及ばんとしている。

 それを自覚できないのは、おそらく幸福だ。

 もし、知ってしまえば――彼女らは、罪悪感に心を殺されていただろうから。



 天空より、赤き弾丸が投下されんとする。

 それは終わりの始まりだった。

 軍を信じて自宅に身を隠す者たち、避難のために関門へと押し寄せる者たち、非日常を楽しもうと軍港を覗くべく近づく変わり者、ここが稼ぎ時とばかりに手帳にペンを走らせる記者。

 民たちの姿は様々だった。混乱の中にありながらも、彼らは心のどこかで思っていた――戦争とは軍人同士が行うものであって、自分たちは無関係なのだと。

 長らく戦争のなかった平和ボケは、彼らに準備をさせず、記憶を薄れさせた。 

 街の誰もが、フィンドラのアレクシル王が放った稲妻を目撃した。その神威が敵に致命的な打撃を与えたことも、軍港から上がった号砲のごとき歓声で分かっていた。

 あの王をはじめとする【神器使い】たちが、自分たちを守ってくれる――彼らはそう、盲信していた。

 だから、その瞬間に都市外へ逃れていた人の数は、全人口の2割にも満たなかった。


「うふふ……消し飛ばしてあげます」


 赤髪の少女は嗤う。

 女神ヘスティアの【神化】を発動した彼女は、胸に埋め込まれるように出現したオーブ――魔力を無尽蔵に生成する『炉』――に右手を触れ、『魔力凝縮装置』の水晶玉へ左手を置いた。

 今、ゼステーノが立っているのは、管制室に隣接する『魔導砲』の制御室。そこにいた兵たちを洗脳魔法で無力化した彼女は、『魔導砲』の射出スイッチをいつでも押せる状態にある。

 

 魔力は十分に溜まった。

 あとは、撃つだけ。

 スイッチを守っていたガラスのカバーをハンマーで破壊したゼステーノは、そこへ手を伸ばし――部屋の扉が乱雑に開けられた音に振り向いた。


「私の邪魔をするのは、どなたで――」


「そのボタンは押させません!」


 叫んだ少年の容姿に、ゼステーノは思わず息を呑んだ。

 一瞬狼狽えるも、その声の違いにすぐに別人だと気づく。【マギ】の声にある冷たく乾いた響きが、この少年にはない。

 ――じゃあ、あの御方が仰られていた「写し身」とは、この子……?


「あなたがトーヤ君ですね? 私はゼステーノ・ロ・マギア。【マギ】に選ばれ、彼の使命を果たすために戦う者です」


 偽らざる本名と肩書を明かす少女に、トーヤもエインも瞠目どうもくしていた。

 アダマスやモナクスィアが度々口にした、彼らの活動原理となっている魔導士【マギ】。その存在に選ばれたのだと一切の謙遜なしに豪語してみせるゼステーノに、トーヤは訊ねる。


「また【マギ】ですか……。あの、【マギ】って何なんですか? あなたもアダマス帝やモナクスィアさんのように、僕を利用して【神】を作ろうって魂胆なんですか」


「そんな不遜なことはしませんよ。人が作る神なんて所詮は紛い物。真の神は作るのではなく、降ろすものです」


 帝の娘でありながら、彼の理想に賛同しない人物。ただ、それだけなのだろうか? 

 トーヤにはゼステーノの人物像を掴みきれない。彼女が【マギ】とやらを信奉しているのは分かったが、そもそもその【マギ】の正体も明確な目的も不明なのだ。判断材料が、足りなさすぎる。


「わざわざ来てくれたのはありがたいですが……残念ですね。私はあなたとのお喋りに付き合ってやるほど、お人好しじゃないんですよ」


 ゼステーノはにこりと笑い、そのスイッチに手をかけた。

 少年二人が飛び出しても既に遅い。

 カチッ――小さな、しかしそれでいて確かな音が、制御室内に響いた。


「しまった――」

「……そんなっ」


 彼らの声は、ゼステーノにとって雑音未満の価値しかなかった。

 彼らは愚かなのだ。スイッチを押すのを止めたいのなら、はじめから不意打ちをかけてくれば良かった。それをしなかったのは、甘え以外に言いようがない。

 

「あの御方とよく似た姿を持ちながら、中身は甘い子供だなんて……本当に、ほんっとうに、もったいないですね。あぁ、叶うのなら私が、その身体に魂を宿せればよかったのに」


 少女の嫉妬が粘っこく少年へ絡みつく。

 その甘さが残る限り、トーヤは【マギ】の後継を担う器にはなりえない。そして、そういった人間性は他者の介入で書き換えられるものではないのだ。人の性格は後天的に変化することはあれど、先天的に決まった「根幹」は揺るがない。

 不完全さを変えられないのならば、最初から彼は必要なかったのだ。

 だから、ゼステーノは。


「ここで始末してしまいましょう」 


 胸の『(オーブ)』に手を添え、囁くように宣言した。

 砲が放たれる爆音にかき消され、トーヤたちには彼女が何と口にしたのか分からなかったが、自分たちが歓迎されていないことは明らかだった。

【神器】も魔剣も持たない二人だが、戦わなくてはならない。

 

「大丈夫、僕らには魔法がある。敵の【神器】の能力次第では、勝機は十分にあるよ」


 防衛魔法を展開しながら言うトーヤに、エインは頷きを返した。

『神事の間』にいた時に感じていた脳内で魔力が滞る感覚は、あそこを脱出してから嘘のように治まっている。

 目の前にいるのは、これまで積み重ねてきた訓練の全てを出し切らなければ勝てない相手だ。


 ――大丈夫。僕と、トーヤ君を信じて。


 自分だけは自分を裏切れない。救われた命を無駄にしないためにも、ここで、勝つ!

 エインは詠唱を開始する。トーヤが守ってくれる間に魔法を完成させ、一撃で決めるべく彼は玲瓏な調べを奏でていく。


「【悲しみに囚われた過去は、ぼくの背中を押す。喜びに満ちた未来は、ぼくの手を引く。この刃は護るために、この声は願いを貫くために】――」


 その歌は、エインの新たな決意表明であった。

 意志を言葉へ、言葉を魔力へ変えていく白髪の少年。

 そんな彼の隣に黒髪の少年は佇み、緑色の絶対の防護壁へ絶えず魔力を注ぎ込む。

 敵が放った土属性の魔法により生み出された石の小剣が幾つも飛来するも、防壁はそれら全てを通さなかった。


「防げてる。でも、彼女が全力を出したら、守りきれるかどうか……!」


 トーヤはゼステーノの魔法が【神器】によらないものだと見抜いていた。彼女はこの制御室の魔道具を破壊しないよう、威力を抑えた攻撃しか撃てない。

 やはりこちらに分がある――トーヤが内心で呟いた、その時だった。


「いつだって天使は残酷なのです。人に救いなんて齎さない。だから……人自ら、天に働きかけなくてはならないのです。それが不遜なあり方だったとしても。でも、良いではないですか。人は生まれながらに罪を背負っているのですから」


 唐突に、ゼステーノは己の意見を露にする。

 このタイミングで、何故……? と、少年たちが疑念を抱いた、その直後。

 彼らの両手首は見えない手によって上へ引っ張られ、続けて背中に何か硬いものが当てられるのを感じた。

 

「っ!? 何――!?」


 引っ張り上げられた手首と、さらに両足首に釘を打ち込まれるかのごとき衝撃が走り、遅れて骨を穿たれた激痛が襲い来る。

 両手足首を固定され、背中に当てられた柱に縛り付けられた二人がそこから自力で逃れるのは、不可能。

 

「特に小細工などしていません。さっきの台詞、あれが呪文ですから。……十字架に磔にされてしまえば、自重に耐え切れなくなっていずれは死にます。こればかりは、回復魔法でもどうにも出来ない問題です」


 ゼステーノの種明かしにトーヤとエインは顔を歪める。

 防壁があってもなお、それを無視して身体を磔にした皇女の魔法。間違いない――【神器】抜きでも、彼女は「強者」なのだ。

 だが、弱者でも強者に抗う術はあるはずだ。恐れずにそれを探れば、細い勝ち筋を掴めるかもしれない。


 ――考えろ、考えろ、考えろッ!  


 ゼステーノは二人に背を向け、『魔力凝縮装置』に手を触れて第二射の準備に入っている。絶対に勝てると信じているが故の余裕だ。

 

 ――この魔法はおそらく力属性の魔法。打ち消すには、相反する「力」を加えるしかない。


 押されているなら跳ね返し、引き込まれているなら斥力を発生させる。それが力魔法に対抗するセオリーだ。

 だがそれを強引にやれば、固定部は衝撃に壊れてしまうだろう。両の手首と足首が使い物にならなくなれば、まともに戦うことも、歩くことさえできなくなる。

 

 ――それだけは、ダメだ。十字架から逃れられたとしても、その後戦えなくちゃ意味がない。


 この短い時間の中で彼女が見せたであろう手がかりを、何としても探り出すのだ。

 幸い、十字架の魔法は即死のダメージを与えるものではない。トーヤたちには、考えるだけの猶予がある。

 

 ――『いつだって天使は残酷』『人に救いを齎さない』……。


 魔法を読み解く上で最も重要なのが、「詠唱文」だ。ここには魔法の使用者の想いや願いが込められており、その魔法の本質が表れる。

 詠唱の中断を余儀なくされたエインも、痛みに顔を歪ませながらも思考を巡らせていく。


 ――『良いではないですか』『人は生まれながらに、罪を背負っているのですから』


 罪。それがキーワードなのではないかと、トーヤは直感的に思った。

 人が持つ罪。他の生物にはない、人だけの罪。それは知能や心が生み出す類のものだ。 

 犯罪を起こす悪意。七つの大罪の悪魔が司る、心のあり方。憂鬱、虚飾、暴力。

 そして、偽証。


「ゼステーノさん……勝負はまだ、終わっちゃいない」 

  

 トーヤの台詞に赤髪の皇女は振り返る。

 少年は彼女へ、魔法のカラクリを暴いて突きつけた。  

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新作ロボットSF書きました。こちらの作品もよろしくお願いいたします
『悪魔喰らいの機動天使《プシュコマキア》』
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