18 出現
その日のスオロは至って平和だった。
王たちの会談が開かれている最中、この街の住民はこれまで通りの日常を送っていた。
カイ王が取り戻した安寧を享受する彼らは、水面下で起こっている異変も知らずに笑みを咲かせている。
「手続きは完了しました、どうぞお通りください!」
にっこりと来訪者に告げる西の城門の衛兵も、その一人。
彼が審査していたのは、スウェルダのとある商会の女であった。
「ありがとう。私は、この街に来るのを心から楽しみにしていたのです」
抑揚の少ない口調で言う女は、衛兵の頭を愛でるように撫でる。
彼女は舌なめずりしながら、黒い瞳を赤く輝かせた。
大型の馬車三台を城壁内に運び入れ、女は口元を微かに曲げる。
――ふふ、調子は上々ですね。
通りを進む馬車を訝しむ視線は一切ない。この街の民たちは、青年王が築く平和が崩れ去るとは全く考えてもいない。
まだ革命から二ヶ月と経っていないのに、もう平和ボケが始まっているのだ。
本当の意味での平和など、この地方のどこにもありはしないのに。大多数の民衆は一時の凪に飛びついて、それに気づいてすらいないのだ。
「さて、久々に暴れるとしますか。愚民どもには破滅を、英雄気取りの王どもには鉄槌を! 全ては悪魔の望みのままに!」
都市の中央を横断する大通りのど真ん中で、女は馬車を止めて高々と叫ぶ。
その声に民衆の注目が一気に集まった。ある者は立ち止まり、ある者は彼女を振り返って、何事かとぽかんとした間抜け面を晒している。
女――ドリス・ベンディクスの傀儡――は笑いを堪えきれず、噴き出した。
「本当に、ほんっ……とうに、愚かですね! ふふ、全て壊して差し上げます。――さぁ、行きなさい怪物ども! 邪魔者は皆殺しにするのです!」
彼女が率いていた馬車たちの天井が、轟音を放って吹き飛ぶ。
潜んでいた箱から天井を突き破って出現した魁偉の異形たちは、青空の下に砲声を打ち上げた。
『アアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!』
三種の獣が一つになったキメラ、黒い妖精インプ、半人半蜘蛛の女怪アラクネ、目玉の怪物ゲイザー、流動する粘液のスライム、女性の上半身に鳥の下半身を持つセイレーン……他にもそれぞれ種類の異なる中型の怪物たちが、獲物を前に歓喜の咆哮を迸らせる。
彼らは皆、レヴィアタンが集めた【異端者】たちだ。力こそを絶対の掟とする彼らが、水龍の化身であるレヴィアタンに逆らうことは決してない。
人並みの知能に、人以上の能力。
そんな尖兵たちが、悪魔の意思を受けて人々を殺戮するべく進撃していく。
「うわあああああああああっ!?」
「化物だ、化物が出たぞおおおおっ!!!」
「逃げろ、逃げるんだ! おい、やめろ、押すな――!」
たちまち狂乱の様相を呈す大通り。
逃げ惑う男女、腰を抜かして動けない老婆、泣き叫ぶ子供たち――そのどれもが、怪物の魔の手に絡め取られ、命を奪われていく。
壊された馬車から近くの建物上に飛び移った女は、指揮官としてその混沌を俯瞰した。
血飛沫が舞い、断末魔の叫びは絶えない戦場。
いや、戦場ですらない。これは蹂躙だ。抵抗する術のない弱者を無差別に殺戮する、無為で無情な殲滅。
民衆の命などレヴィアタンには興味がない。求めるのはただ一つ、【神器使い】の命のみ。
悪魔に仇なす神の使徒を滅ぼすことが、彼女の生きる意味なのだから。
「オレも戦わせて、お姉さん!」
と、無感情に人の死を見つめる女に、少年の声が投げかけられる。
馬車の残骸の中から彼女を見上げていたのは、銀髪銀瞳の少年だった。顔立ちは端正で、以前レヴィアタンがシルのもとで目にした高飛車な少女によく似ている。
姉と同じく着衣を好まない彼は、尻の上部から伸びる尻尾をぴんと立て、これからの戦闘に張り切っていた。
「せっかちですね、ワンコちゃん。あなたは切り札です、指示があるまで私と同行し、戦闘には参加しないこと」
女はそう言いつけて建物を屋根伝いに移動していく。姉と違って真っ直ぐな少年は、まさに忠犬といった様子で主の後について行くのだった。
レヴィアタンの悪器使いであるドリスの魔法によって、この商人の女は彼女の操り人形と化している。意識を完全にドリスに乗っ取られた彼女は、今自分が何をしているのかも知らない。
舞台を作り、役者を操る演出家。それがドリスという女の本性だ。彼女は決して、戦場には現れない。
「わざわざ敵のもとまで出向き、返り討ちに遭うリスクを冒す必要がどこにありますか。私はアマンダ・リューズやエイン・リューズの轍は踏まない。神器使いは私を殺せないし、殺させない」
唯一、彼女と接触して正体に感づいた神器使いがいる。その少年はきっとこの事態を鎮圧した後、ドリス・ベンディクスを討伐しに来るのだろう。
ただの商人に過ぎないベンディクス家の一人娘を、その手にかけてしまうのだろう。
「『アタシは形を持たない。自動的に宿主を探し、流動する魂なの』……でしたっけ、レヴィアタン? そんなあなたにも、ドリスという女を使い捨てにさせはしない」
傀儡の女は人間離れした速度で、街をぐるりと囲む城壁へと向かっていく。
そう呟く女の横顔には、どん底から這い上がった女の執念と覚悟がありありと浮かんでいた。
*
――やはり、仕掛けてきたか。
アレクシル・フィンドラは、外から聞こえてくる騒乱の音に動じはしなかった。
悪魔が暗躍していると分かった時から、こうなる予感はあったのだ。だから彼は、カイやケヴィンがこの事態を理解して混乱する中でも冷静に対応することができた。
「会談は一旦中断しましょう。今は事態の沈静に当たるべきです。――いいね、カイ君?」
「っ、ああ、もちろんだ。我が軍から部隊を出動させる、両陛下には出せる限りの戦力で我々の補佐を頼みたい」
「了解した。――ミラ、お前の【神器】の初陣だ! 任せるぞ」
アレクシルの呼びかけに二人の王が応じ、ミラをはじめとする【神器使い】たちは動き出した。
この防衛省を本部として、自衛のために残す戦力を除く全ての【神器使い】を戦場と化した大通りへ投入する。
フィンドラからはエミリアとトーヤ、シアン、ジェード、ユーミ。スウェルダからはミラとウトガルザ王。
王が本陣を離れるわけにはいかず、カイはこの場に留まることになったが――ルノウェルスには【神器使い】にも劣らない実力を有する戦士がいる。
ミウ・ルノウェルスもその一人だ。眼鏡の下で不安を色濃く滲ませる弟の肩をぽんと叩き、彼女は力強く頷いてみせる。
「大丈夫よ、私たちを信じて。私は神器を持たないけど、『宝玉』や『雷剣』がある。怪物くらいやっつけられるわ」
「姉さん――無事に、戻ってきてくれよ」
笑みさえ浮かべてみせるミウとは対照的に、カイの表情は硬い。
他国の王との初めての会談に加えて、悪魔による殺人事件まで起こり、今の彼は押しつぶされそうなくらいに精神をすり減らしていた。それを側で誰よりも感じていたミウは、彼の体に両腕を回して抱きしめると言った。
「ええ。全て片付いたら、皆でぱーっと打ち上げしましょう! お金は全部私が出すから」
姉の太っ腹な発言に、カイは思わず笑みを漏らした。
カイが白いマントを翻して走り出す姉を見送る中、黒髪の少年はアレクシル王の側に近寄ると彼に耳打ちする。
「悪魔マモンが出ました。地下街の中央広場にて、現在ティーナさんが交戦中です」
その報告にアレクシルは目を少し見張った。間を置かず、彼は微小な声でトーヤへ指示を出す。
王からの命を受け、少年は凛と顔を上げて彼に答えた。
「はい! 必ず、役目を果たします。西のメインストリート、ですね!」
少年はエルや他の面子を連れて本部から出て行った。
その後に、黄金の鎧を纏ったエミリアと彼女の副官らも続く。
「私たちも行きましょう。怪物の出現がどんな理由で起こったものだとしても、私たちには奴らを討つ義務がある。平和を目指す義士、それが我々フィンドラ軍です」
軍人として毅然と部下を率いる彼女は、揺るぎない口調で自分たちの使命を口にした。
「私も向かおう。怪物には刃を通さないものもいる、魔導士が不可欠になる場面もあるだろうからね」
ルノウェルスの防衛大臣であるオリビエもまた、王たちにこの場を預けることにした。
長杖を握り締めて足早に部屋を出る彼の背に、青年が声を投じる。
「オリビエ! お前は今の国防の要だ。無茶はしてくれるなよ」
幼い頃から自分と共にいてくれた魔導士の身を慮ったカイの言葉に、オリビエは「当たり前じゃないか」と笑みを返す。
カイという少年を悪魔から守る――その使命は今や、ルノウェルス王国を守りぬくという崇高なものに置き換わっていた。そしてオリビエには、この使命を遂げる覚悟がある。
「心配は要らないよ。私は君を残して逝くつもりは毛頭ない」
オリビエの願いはどこまでも純粋で、ひたむきだった。
彼は何も知らず、無垢なままに「もう一人の自分」を育て続ける。正義を貫く裏に潜む、黒い影――オリビエが友を守るために研鑽するのに比例して、その怪物は力を増していた。
「…………」
王たちの集う大会議室を抜けた彼は大通りまで出て、暴れ狂う怪物たちを遠目に眺める。
まだこの防衛省付近には来ていないが、十数分としないうちに怪物の牙はここまで迫るだろう。
――あぁ、可哀想なオリビエ。君は自分が人を殺したことも知らずに、罪を重ねていくんだ。
彼の心の奥底に潜んでいた悪魔が、意識の表層まで浮き上がった。
喧騒の中に場違いな鼻歌を紛れさせながら、魔導士は軽やかな足取りで逃げる人々の逆を行く。
建物を屋根伝いに移動する女と少年の姿を一瞥しながら、彼は道を逸れて路地裏へと飛び込んだ。
*
「くっ、【雷光斬】!」
ミウの持つ黄金の柄を持つ片手剣、『雷剣カラドボルグ』が閃く。
逃げ惑う人々を背に庇いながら、彼女は半人半蜘蛛のアラクネと交戦していた。
怪物に似合わない美しい相貌を有する、女体の怪物。八つのしなやかな脚で高速戦闘を繰り広げる怪物に、ミウは圧倒されていた。
幅二十メートルに渡る大通りを縦横無尽に動き回るアラクネを、彼女は捕捉しきれない。手の平から糸を放って建物の間を飛ぶように駆ける怪物は、決して動きを止めることはなかった。
「速い――!?」
剣を振るい、雷の一撃を飛ばそうが掠りもしない。
今のミウにはアラクネの残像を捉えるのが精一杯だった。
【神器】を持たない人間の、絶対的な限界。視覚で捉えられる許容範囲を、敵の速度は超えている。
風を切る鋭い音だけが周囲を駆け巡る中、ミウは怪物の注意を自身に引き付けることしか出来なかった。そして、その刹那の間に思考を回転させる。
――私の腕じゃカラドボルグを当てることすら出来ない。宝玉を使うしかないんだろうけど、周りには逃げ遅れた人もまだ沢山いる。どうする、どうすれば……!?
呼吸が浅くなる。鼓動が激しくなり、脂汗が額に垂れる。
迷っている時間などない。躊躇していれば、自分もこの場に転がる死体と同じ運命を辿ることになってしまう。
――カイにはあんな風に言っておきながら、このざま……。
ミウは敵を甘く見ていた。たかが「怪物」とタカをくくっていたのだ。
敵側からしても、三人の王や神器使いが集結したこの場を攻めるには相応のリスクがあった。返り討ちに遭う危険性をも覆す「力」を、敵は惜しみなく投入している。
それだけ悪魔たちは本気なのだ。この都市を火の海に変え、混沌に叩き落とさんというほどに。
『小娘。オマエの命も今、散らしてやるぞ』
その声が彼女の耳朶を打ったのは、彼女が腰から虹色の宝玉を取り出し、呪文を詠唱しようとしたのと同時だった。
「え――?」
振り仰ぎ、その女の顔をミウは目に焼き付ける。
張られた巣に逆さまに吊り下がった女の顔が、そこにあった。
ミウ・ルノウェルスは【異端者】を知っていながら、敵がそれを戦略に組み込むとは想定していなかった。
元々人間である【怪物の子】とは異なり、【異端者】は知性を持ちながら完全に人とは別物だ。そんな存在を『組織』が御せるわけがない――それが、彼女や他の殆どの者の共通認識であったのだ。
今のミウをレヴィアタンが見れば、彼女の顔に唾を吐きかけて侮蔑するだろう。
認めざるを得なかった。自分たちよりも敵の方がこの戦いに全力を注いでいたのだと。
だが――それを認めた上で、ミウは諦めようとは全く考えていなかった。
『――っ!?』
アラクネの笑みを眼前に確認した瞬間、ミウは一切の躊躇を捨てて宝玉の魔法を発動した。
彼女が宝玉を放り上げると共に、彼女の魔力を貪って虹色の光が迸り、ドーム状に高出力の魔力領域が展開される。
「散るのはあなたの方よッ!」
ミウは咄嗟に魔法耐性を持つ純白のマントを体に巻きつけ、頭まですっぽりと覆い隠す。
それから地面に伏せ、魔法の衝撃が去るまでの数秒をやり過ごした。
「…………終わった、の……?」
耳を澄まして怪物の気配がしないことを確かめると、ミウはマントから顔を出す。
立ち上がった彼女が顔を上げると、半人半蜘蛛の怪物は巣にぶら下がったままの体勢で停止していた。
いや、怪物だけではない。彼女の周囲、半径二十メートル以内にいた人間も同様に動かなくなっている。
混乱の最中にあった大通りで戦闘は勃発していたため、そこから安全圏まで逃げ切れた者の方が稀という状況にあり――彼女の周りで『巣』に阻まれて身動きを取れずにいた市民も少なくはなかった。
巻き込まれて死んだ十名ほどの遺体を見つめ、ミウは唇を噛んで俯く。
「ごめんなさい……助けられなかった」
その謝罪には誰の声も返ってこない。アラクネも、市民たちも、その光の直撃を受けた者は全身の体液を沸騰させられ、一瞬のうちに絶命していた。
怪物を放置すれば犠牲者はさらに増えていた。これ以上の被害を食い止めた、それは断言できる。
だが……そのために彼女が犠牲を強いたことも事実であった。
「ミウ王女! 今のは……!?」
「――ミラ、殿下」
こちらに駆け寄ってくる赤髪の王女に、ミウはその名を呟くくらいしか出来ない。
彼女の表情や態度、そして周囲で傷もなく倒れる人々から結論に至ったミラは、立ち尽くすミウの手を掴むとそのまま引っ張って先へ進んだ。
「大勢を救うために少数を犠牲にすることは、必ずしも避けられることじゃないのよ。そういう選択を取らなくてはならないこともある。王族なら、そのあたりの取捨選択でくよくよしちゃいけないわ」
ミラ・スウェルダは、アレクシル王が言う『王』になりきれる人物であった。
ある意味では残酷で、人の心を殺した選択。それを肯定できる王者としての成熟を、彼女は若くして迎えていた。
「あなた、今の魔法で魔力を使いきったわね? 魔力を分けてあげるから、私と一緒に行動なさい。いいわね?」
「で、でもそんなことしたら、あなたが力を十全に発揮できなくなるんじゃあ……」
「それは杞憂よぉ。私の神様は『神々の黄昏』で人工の太陽を空に掲げ続けた、立派なお方なの。そんな神様の加護を受けた私の魔力は、無尽蔵といって差し支えないわ」
放たれた怪物たちは、既に西の大通りを飛び出して都市中を蹂躙しにかかっている。
その数を三国の戦士たちは把握しきれていないが、『ルノウェルス革命』の際の凶狼のように大量の怪物がなだれ込んでいるわけではなさそうだった。敵はおおよそ十数体の少数精鋭を送り込んでいる。数を考えれば、【神器使い】がそれぞれ各個撃破することも不可能ではない。
空いた手でどんと胸を叩くミラに頼もしさを覚えながら、ミウは彼女に頷いた。
「わかったわ、ミラ殿下。あなたの力、貸してもらう。それと――敵の怪物の全てが理知を備えた【異端者】だという可能性があるの。少なくともさっき倒したアラクネは、そうだったから」
「理知のあるモンスター……そんなものが、本当に!?」
「信じがたいけれどね。でも、だからといって隙を見せちゃいけない。そうしたら最後、首元に食らいつかれてしまうから」
目を剥くミラに、ミウは忠告を付け加える。
あの時、敵が言葉を発してくれたのは幸運だった。事前に敵が【異端者】であることを踏まえておけば、実際に相対して動揺する心配もない。
『技と駆け引き』を敵が用いてくるのなら、こちらも対人用の戦闘スタイルでいけばいいだけだ。もちろん敵の肉体は怪物のもので、彼らならではの体術なども使ってくるだろうが――心の準備が出来ているだけでも、少しはマシになる。
「皆さん、大通りは危険です! 路地裏から下へ逃げて!」
すれ違う人々にミウは声を張り上げて呼びかけた。
散り散りに指示に従って避難する彼らを横目に、ミラは並走する王女へ言う。
「あなた、『結界』張れる? 張れるなら怪物と遭遇しだい、私とそいつを結界で囲んで。檻に閉じ込めた上で早期の決着を図るわ」
「了解! 魔力を最大まで回復させれば、十分は持つと思う」
「十分あれば充分よ。――バルドル様、力を貸して」
ミウに作戦を伝えると、赤髪の王女は腰からレイピアを抜き放つ。
光の神の名を呟く彼女は、全速力で疾走しながら【神化】を発動させていった。
真紅の髪は透き通るような白へ。纏っていたドレスは白銀に煌く鎧へ。抜けるように白い肌に、元の特徴を残した緋色の瞳。
白き騎士と化したミラ・スウェルダは、まさに神というべき美貌だった。風になびくマントや輝きに満ちた細剣は、その凛とした姿に華を添えている。
「私こそが戦場に咲く花! 輩には光の加護を、邪なる敵には神の鉄槌を! さぁ――行くわよ!」
高らかに告げ、ミラは加速する。
見据える先にいるのは巨大な目玉の怪物、ゲイザーだ。その眼球に攻撃の照準を合わせ――彼女は引き絞ったレイピアを思い切り前へ突き出す。
「【穿光剣】!!」




