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僕の曾祖母が土葬したら大自然の力を得て再誕した件

作者: 神崎幽椰

Twitterネタから作った小説です。


見る人はTwitterの人か、はたまた…


どこかファンタジーなおはなし。

僕が五歳のころ、曾祖母が亡くなった。


その時は顔も知らなかった曾祖母だったが、誰か全く知らない人の葬式でも泣いていた僕は、その日も号泣していたそうな。


その葬式は親族のみで執り行われ、曾祖母の遺言で土葬をすることになった。


その場所は、僕の住んでいる街で一番大きな樹木の下になったようだ。


昔のことだ、記憶が曖昧で詳しくはこれ以上覚えていない。



あれから十二年の時が経ち、僕は十七歳になった。


いつも高校の帰り道にあるその大きな樹木に立ち寄り、コンビニで買った天然水をその樹木にかけるのが日課になっている。周りからは変わり者だと言われるが、そんなの知ったことではない。


そしてそこで必ず昼寝をするのだ、ここは家のベッドよりも安心して寝ることができるから。


ある日、いつも通り昼寝をしていたら、突如とてつもない爆音が聞こえた。


ゴオオオオオオォォォォォォォォォ…


その音に跳ね起きた僕は、辺りを見回しながら荷物を持ち、急いで家に帰ろうとした。


すると、空から稲光と共に巨大な龍が現れた。


「…うわああああああああ!!!!!」


思わず叫び声をあげてしまい、腰を抜かして立ち上がることができなくなってしまった。


その叫び声に反応したのか、稲光と共に現れた龍はこちらに気づいた様子。


「ガアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」


龍は気が立っているのか、こちらを見るなり体をくねらせながらこちらに突進してきた。


「なんなんだよ…なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」


なんかよくわからないけどもうだめだ…と思った瞬間の出来事だった。


目の前に急に眩い光が現れ、龍の突進から僕を守ってくれた。


何が起きたのかさっぱりわからなかったが、僕は樹木のふもとまで走っていった。


龍は怯みながらも、その光に向かって炎を吐き出した。


光は僕と五十メートルくらいの距離があったが、炎を受けたときの衝撃が大きかったのか、一気に十メートル以上こちらに押されているようだ。


僕は樹木にしがみつきながらも、その光を見ていた、どうやら女性のようで、白装束を着ているようだった。


その後ろ姿は少し弱々しいのだが、優しさとなにか強い思いを感じ取ることができた。


光はなんとか炎を防ぎきり、両手を天に掲げ、そこに何かエネルギーを貯めている様子だった。


龍はそれに気づき、光めがけて突進をしてきた。


「あっ…危ない!!!」


思わず叫んでいた。無意識に僕は光に走っていた。


しかし、その心配はなかったようだ。光がそのエネルギーを龍めがけて放ったのだ。


龍は悶えながらも体を反転させて逃げようとしたが、そのエネルギーに破れ、跡形もなく消えてしまった。


僕はやはり腰を抜かしていた。その不思議な力に圧倒されてしまったのだ。


すると光はこちらに近づいてきて、僕を優しく包んでくれた。


それはとても気持ちよく、温もりを感じた。いつものように心地よく眠れそうだった。


すると、どこからか声が聞こえてきた。


「…大きくなったねぇ…曾孫や…十二年ぶりだね…」


「…ひい…ばあちゃん…?」


そう言った瞬間、光は消えていつもの風景に戻された。


しばらく動けずにいたが、僕はなんとか起き上がり、樹木に残った水をあげて家に帰った。


頬に涙を流しながら。

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