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Butterfly  作者: simakaze
第1章 運命の少年
8/10

約束

 約2か月ぶりの投稿……皆様お待たせして申し訳ありませんでした<(_ _)>

 この2か月、ネット環境の壊滅や友人の葬儀など立て続けに不幸が続き投稿が今日まで伸びてしまいました。

 なのでじらしたからと言って、某戦車道アニメの様に内容が神がかっている訳ではありませんのでご了承ください。

 さて、今回は海人と春雪の再会です。

 海人の考え方や、春雪の対応、三笠の絡みなどこの話は相当迷いました。何気に投稿が伸びた一因でもあります。

 海人君は他人の気持ちを読み取るのは得意だけど、自分や親しい人の気持ちには大変鈍感なようです(笑)

 次回は開戦前夜、封密命令やら政治工作やら、出来れば仁川沖開戦のあたりまでやりたいな……

 舞鶴艦隊は、寒風吹きすさぶ荒波の日本海を、佐世保へと航行していた。


「天宮、交代だ!!」


「はい!!」


 露天艦橋で当直をしていた海人の元に上官がやってきて交代を告げる。海人は、何事もなかったことを上官に告げると、自室へと戻っていった。


「あっ!海人ー、おかえりー!」


 部屋に戻ると、彼のスペースで三笠が寛いでいた。彼女は、先ほどまで海人と一緒に露天艦橋にいたのだが、彼があまりにかまってくれないために拗ねてどこかに行ってしまったのだ。

 

 まあもっとも、見かけだけでもきちんと仕事をしておかなければ後でこっぴどく叱られるのは海人の方だ。ここは一般の会社ではなく軍隊。体罰だってある。

 それで済めばいいが、その不注意のせいで艦が沈んだなどと言うことになったら笑い話にもならない。

 第一、三笠の姿は常人には見えないのだからあの場で彼女の相手をしていたら大変痛い人に見られてこの語の人生に多大な影響を与えてしまいかねない。


「ねえ、海人?」


「ん?」


「佐世保ってどんなところ?」


 海人は言葉を詰まらせた。この3年、彼は佐世保に帰るどころか、考えようともしなかった。

 目の前で無邪気に質問してくる少女が、だんだんと荒目しくなっていく。



「ねえ、海人?」

「ん?」

「佐世保ってどんなところ?」

 海人は言葉を詰まらせた。この3年、彼は佐世保に帰るどころか、考えようともしなかった。

 目の前で無邪気に質問してくる少女が、だんだんと恨めしくなっていくのを感じた。


 だが、ここで怒りを表しても仕方がないことも解っている。彼女の胸の内には「悪意」などと言うものは概念自体存在しないからだ。

 たとえ悪意なくとも他人を傷つけることは間々あるが、今海人が抱いている憤りは十中八九自分のせいなのだから、それで怒りをぶつけられては迷惑もいいところだ。

 それを理解し、己の中で決着をつけられる程度には海人は冷静だし人間もできている。


「ごめん、ここ数年帰ってないからよく分かんないんだ。」


「どうして?」


 質問を返せば、また新しい質問を投げかけてくる。幼子と言うのは何でも知りたがる。

 その姿勢や、輝かしい眼が、幼い日に見た春雪のモノと似ていると感じるのは、決して木のせいではないだろう。

 だが、今の海人にとっては彼女を思い出させるものは苦痛だ。彼は、胃がキリキリするのを抑え込み、それが表に出ぬように努めた。


「まあ、いろいろあってね…帰れなかったんだ」


「いろいろ?」


「そう、いろいろ」


「ふ~ん?」


 三笠はそれ以上は聞かなかった。彼女なりの気遣いなのか、或いはこれ以上聞いても話してくれ名だろうと察知したのか。

 どちらにせよ、これ以上追及されないことに海人はほっとした。いつの間にか額に汗をかいていたらしく、彼の前髪はぐっしょりとしていた。


 それを制服の袖で拭う彼に、三笠は笑顔で言った。


「じゃあ、久しぶりに帰れるんだぁ~、良かったね!!」


「っ!?」


 海人は絶句した。それはもう、先ほどまでの憤りや胸の所につっかえていたいらつきが吹っ飛ぶほどに。


 海人にとって最大の不幸は、彼女がまだ子供だったことだろう。子供と言うのは大人比べて裏表のない純粋なものだ。

 それは善く言えば「素直」、悪く言えば「遠慮を知らない」と言える子供らしい性質だ。そしてこれは、幸か不幸か彼女の本質でもある。


 そんな彼女に、海人はただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

―1904年(明治37年)2月6日

 昼過ぎ、舞鶴艦隊は佐世保を眼前に捉えた。


パパパ、パパパ、パパパパッパパー


「入港ヨーイ!!」


 ラッパの音を聞いた水兵たちが自分の持ち場へとつく。海人も、自分の持ち場である操舵艦橋で配置についていた。

 すでに艦長と航海長がついており、先輩の航海士が速力通信機(テレグラフ)のロッドを握り準備している。


「両舷、てーし!!」


「両舷、てーし!!」


「両舷、微速後進!!」


「両舷、微速後進!!」


 艦長の指示を受けた航海士が、命令を復唱しながらロッドを自分の方へと引き倒す。チリン、チリン、チリンと言う音が鳴り、機関室へと連絡が回る。

 命令を受けた機関室では機関科員達が、それに合わせて機関の出力や前後進のギアを入れ替える。

 

 水上を走る船は、陸上の乗り物に比べて抵抗が少ないため速力を出しやすいが、反面船体が大きく重量があるため、一度速度に乗るとなかなか停止できない。

 そのため、艦長や船長、航海長などの各部署の長は、何処で停止したり、後進をかけるかを考えながら入港しなければならない。

 特にこの時代は、高性能なタグボートやスラスターなどの補助機構がないため、航海科の人間にとって、入港は毎度冷や汗ものである。


「よし、予定の位置だな。両舷投錨!!」


「両舷投錨!!」


―ガラガラガラガラガラ、ボッチャン


 予定の位置に着くと、「三笠」は錨を下ろした。他の艦も予定位置について錨を下ろしていく。


「内火艇用意!!予定の者から順次上陸せよ!!」


 作業が終了すると、艦長から上陸許可が出た。上陸する者はいくつかのグループに分かれていて、幸か不幸か海人は最初のグループだった。


 海人は渋々、左舷後部の内火艇用ラッタルまで来た。


「天宮海人だな。よし、乗っていいぞ!!」


「ありがとうございます!!」


 海人は敬礼して、ラッタルを降りる。内火艇に乗ると、すでに何人かの将校が出発を待っていた。海人も、木でできた下座に座り、出発を待った。


「舫い綱解けー!!」

 艇長の下士官が叫び、水兵が舫い綱を解く。ブオオォォーと豪快な音が鳴り、内火艇はゆっくりと艦を離れ、陸へと向かった。


 陸には、艦隊の乗組員の家族が所狭しとひしめき合い、乗組員たちに手を振っていた。一方内火艇の方も、多くの乗組員でごった返しており、双方とも目的の人物を見つけるのは大変困難な状況だった。


 ここまで来て、上陸をためらっていた海人だったが、この人混みを見て少しほっとした。これだけの大人数ならば、そう簡単には見つからないだろうし仮に見つかってもうまく逃げられるからだ。


「フウ…」


 安心した海人は、他の乗組員と同じように船室から身を乗り出し、あたりを見回した。

 彼が佐世保を旅だった頃、すでにこの辺りは大分開発され、町も大きく発展していたが、今はそれ以上に賑わいを見せている。

 港町と言う事もあって、乗員やその家族の為に旅館や宿泊施設も以前より格段に増えていた。


 しばらくあたりを見回していた海人だが、しばらくして動きを止めた。特に理由があった訳ではないが、まるで暗闇の中で一点の光を見つけたようにその部分を凝視した。

 そこには自分が求めていながらも、拒みたくなる何かがあるような気がした。


 内火艇は10分程度で岸壁に着いた。艇を降りると、それぞれの家族が出迎える。皆、笑顔で語り合ったり抱き合っているが、これから行く先を知っているのかその表情は少し浮かないものばかりだ。

 そんな人混みの中を、海人はひっそりと隠れるように進んだ。なるべく目立たない様に、人混みの間を縫うように進んでいく。


「海人兄さん?」


 不意に名前を呼ばれ、足を止める。声がした方を振り返ると、そこには美しく成長した春雪がいた。


「春…雪?」


 海人は、しばし彼女に見入っていた。彼がいなくなる前よりも大人びた容姿を持ちながらも、活発な印象を当てる大きな目などかつての面影も十分に残している。

 

「海人兄さん!!」


 春雪は、急に海人に抱き着いた。急な出来事に、海人は対処できず何もできなかったが転ばない様に何とか踏ん張り彼女を受け止める。

 自分よりも華奢で小さな体とほのかに漂う甘い香り。まだまだ成熟しきれていない部分もあるが、十分に女性としての魅力を持つ彼女をつい意識してしまう。


「バカ、どれだけ心配したと…」


 海人の胸の中で、彼女は小さく呟いた。その声はわずかに震え、海人の服にはわずかなシミができている。


「ごめん…」


 呟くように、それでも彼女にはしっかりと聞こえるように口を開く。


「ただいま、春雪」


 彼女の涙に、ようやく決心がつきずっと言いたかった言葉を告げた。その言葉に春雪はゆっくりと顔を上げ、眼のふちに涙を溜めながらも笑顔で答える。


「お帰りなさい、兄さん」


 2人は、久々の再会を喜び合いしばらくその場で抱き合ったままだった。やがて、周りの人々がいなくなるのと前後して、彼らもその場を離れた。


 当てもなく歩きながら、2人はお互いの失われて時間を埋めるように今までの事を話していた。

 海人は、兵学校での生活や親友ができた事、「三笠」に配属されそこで春雪そっくりな女の子に出会ったことなど様々なことを春雪に話した。

 まるで今までの時間を埋めるように。


「兄さん、昔から人には見えないものが観えてましたからね?」


 心底懐かしそうな顔で、昔のことを語る春雪。その顔は何処か大人びているが、元来併せ持つ愛嬌は微塵も失っていない。


「春雪の方はどんなだった?」


「私は……」


 春雪も、この3年間の事を話した。佐世保の軍港化に反対していた父親が病に倒れ、昨年亡くなったこと。看病していた母親も後を追うように他界したこと。

 今は、近くの店で働いて何とか生活していることなど。


「ごめん、一番大変な時に傍にいられなくて」


「良いんです、知らせなかった私も悪いんですから。それに、兄さんに会いに行こうと思えばまったくできない訳でもありませんでした。私がそれをしなかったのは、過去の自分を諌める為」


「過去の?」


「昔の私は、幼すぎました。自分勝手で我がままで、それが兄さんも気付かぬうちに兄さんにとって重い鎖のようになっていたんだと思います」


「それは違うよ。確かに、引け目を感じるところはあったけど、あの頃の春雪に救われたのは事実だし、君に出会ってなかったら僕は今ここにいないと思う」


 人間の行いは実に不思議なもので、他人を想って行った事が裏目に出ることもあれば、逆に自分勝手な振る舞いがその人を救うこともある。

 そういう意味では、当時の春雪は幼さゆえに海人を自分勝手に振り回していたのも事実だが、それが彼にとって大きな救いになっていた。


「これからは、遠慮なく僕を頼ってくれ。どこまでできるかは分からないけど、君の力になりたい。幸い、普通の仕事よりは多く給料をもらえるし」


「ありがとございます。でも、それでは兄さんに迷惑が……」


 春雪は心配そうに海人を見つめる。過去の反省から、海人に頼るのは、若干のためらいがあるようだ。


「心配しないで、これは僕なりの恩返しと罪滅ぼしなんだ。今度は君の事をしっかりと〝家族″として見ていけるようになりたい。もう遅いかもしれないけど」


「いいえ、そんなことありません」


 春雪は、とてもうれしそうな顔で海人に微笑む。


「血の繋がりがある人たちだって色々な事を乗り越えて、〝家族″になれるんです。そこにたどり着くまでに必要な時間は人それぞれ。私達は、私たちの足取りで〝家族″になっていけばいいんです」


「そっか、そうだね」


 春雪の笑顔につられ、海人も笑顔を見せた。

 

「まだ時間あるし、何処かで夕食でも食べてこうか?もちろん僕の奢りで」


「本当ですか?実おすすめのお店があるんです!」


 そう言って春雪は、喜びながら駆け出して行った。そのあとを、海人はゆっくりと追いかけていく。

 春雪が「はやく、はやく」と急かす度に、「変わらないなぁ」と懐かしさが彼の中でこみあげた。



―佐世保市内某所とある大衆食堂


「美味しかったでしょ?」


「ああ、うまかった」


「ここ、種類は多いし美味しいし、料金も庶民的なんでお気に入りなんですよ。まあ、ここで食べられるのは給料日位なんですが」


 当時、女性の社会的地位はかなり低かった。この時代、職に就くだけでもそれなりの苦労を強いられるのに生きていけるだけの金を稼ぐのは並大抵の事ではない。

 

 彼女がそれを深く語らずにいるのは、彼に心配をかけたくないからであろう。


(給料の送金ってどうするんだっけ?)


 コップに僅かに残ったお冷を飲みながらそんなことを考える。


「やあ、春雪さん!!」


「あ、日野さん!!」


「!?」


 海人と春雪が、食後の余韻に浸っていると突然謎の男から声をかけられた。

 濃紺色の制服と、同じ色の帽子に着いた黄色の帯が、彼が陸軍の将校だと言う事を表している。黄色い肩章には2本の赤い線と、2つの星が並んでいるから、階級はどうやら中尉らしい。


「春雪、この人は?」


「あ、すみません兄さん。この人は日野忠志さん。私が働いている店の常連さんなんです」


「佐世保要塞所属、日野砲兵中尉です。あなたが海人さんですね?春雪さんからお話は聞いております」


 日野は帽子を脱ぎ、海人に握手を求めた。海人も手を伸ばし、握手を交わす。


「海人です。「三笠」の見習い航海士をしています。はじめまして」


 帽子を脱ぐと、えらく存在を主張する眉毛と目地からの強い両眼がひどく目立った。

 明らかに性格は海人の逆。見るからに熱血な男だ。海人も別に冷徹と言うわけではないのだが真正面から壁にぶち当たるよりも、まず最初に抜け道を探す事に労力を使うタイプだ。


 日野は自分の事を砲兵科だと言っていたが、寧ろ自身が砲弾となって、槍刀を振り回しながら乗馬共々敵の要塞に突っ込んでいきそうな印象を与えらえる。


「春雪、そろそろ」


「あ、そうですね。それでは日野さん、また今度」


「はい」


「失礼します」


 海人は、春雪の手を引くとお勘定を払い店を出た。


(やっぱり直情的なタイプか)


 初めて挨拶を交わした時、そして店を出るとき、日野の態度は海人に対するものと春雪に対するもので僅かに違った。

 士官ゆえ本人なりに隠す努力をしたようだが、考え方同様性格もまっすぐな彼の思惑は海人にはお見通しだった。


 春雪も、もう17歳。当時の慣習で言えば、すでに結婚して子供を産んでいてもおかしくない年齢だ。

 何より、海人が意外に男っ気を感じさせない彼女に、男性の知り合いができていたことは義兄としては喜ぶべきことだ。

 だが、海人はなぜか喜びに浸れない。故にあんな行動をとってしまい、その結果がこの始末だ。


(嫉妬されんのは好きじゃないな…)


 そう思うのであれば彼女の手を引いて半ば強引に店を出るなどと言う暴挙を働かず、遠慮して先に帰るくらいの気概を見せればいい話だった。

 それをいくら後悔しても後の祭りだ。


「あの、兄さん?」


「え?あ、何?」


 考え事をしている中で急に呼ばれ、酷く間抜けな返事を返してしまう。少し呆れた表情で、春雪は海人の反対側を指さしながら答えた。


「いや、私の家に着いたのですが」


「へ?」


 よく見ると、彼らは古びた長屋の前にいた。すぐそばには、先ほどの店の明かりが見える。


「上がっていきます?」


 首をかしげながら春雪が問いかける。


「いや、遠慮しとくよ。夜の9時までには戻んなきゃいけないから」


「そうですか……」


 懐中時計を取り出し、時間を確認しながら答える海人に春雪は寂しそうに呟く。

 そして、春雪は静かに海人に抱き着いた。初めは驚いた海人だったが、拒絶しようとはせず、優しく彼女を抱き返す。


「行ってしまうんですね?」


「ああ」


 春雪の問いに、海人はしっかりした言葉で答える。それを聞いた春雪は、目じりに涙を溜めながらゆっくりと口を開いた。


「兄さんにそれだけの覚悟あるなら、私はもう止めません。それは兄さんの決断、兄さんが切り開こうとする未来の形だから。これ以上、私のわがままに兄さんを付き合わせる訳にはいかない」


「春雪……」


「でも、1つだけわがままを言わせてください」


「?」


 春雪は、それまで密着していた体を離し、海人をまっすぐに見据える。

 目じりにたまっていた涙が、重力に従って彼女の頬を流れそれが月光の光を反射し美しい二筋の小川を作っている。


「絶対に、生きて帰ってきてくださいね」


 海人もまた、春雪の瞳をしっかりと見据え、決意のこめて口を開く。


「ああ、絶対に生きて君の所に帰ってくるよ」


 そう言うと、海人は春雪から離れ「三笠」への帰路に着いた。春雪の両腕が、名残惜しそうに虚空を掴む。

 春雪は、名前を呼びそうになるのを必死に抑え海人の後姿を見ながら彼の無事を祈った。



―1904年(明治36年)2月5日午前1時 佐世保港内連合艦隊停泊地 旗艦「三笠」


「長官、全員揃いました」


 若い士官が、白髪の老人に声をかける。〝長官″と呼ばれた老人は一言「そうか…」とだけ答えると、ゆっくりと腰を上げ、様々な色彩に彩られた部屋を後にした。


「東郷長官、お待ちしておりました」


 白髪の老人、東郷平八郎がやって来た部屋は彼の資質にも負けないほどの豪華さを誇り、部屋の片隅にある速射砲がなければ、到底軍艦の中とは思えない。

 長官公室と呼ばれ、普段艦隊の幕僚や艦の幹部が食事をとるこの部屋に、連合艦隊を形成する部隊の司令官や、各艦の艦長が招集されていた。


「東郷長官に、敬礼!!」


 号令とともに、100人以上はいようかと言う男たちが一斉に東郷に敬礼する。東郷も全体を見渡しながら答礼を返す。

 お互いが、上げた右手を降ろすと東郷はゆっくりと口を開いた。


「諸君、時はついに熟せり!」

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