表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うりと夏休み〜続編〜  作者: ぬこ
7/40

庭にかきごおり


 「っかー、やっぱ風呂はいいなっ!」

 「っじゃー!っぱふぉあぃいなっ!」


 似てる似てるっ!

 俺の真似をして、風呂に浸かって、一言。


 うん、やっぱ風呂は最高だ。

 虫の声聞きながら、星を眺めて、風呂に浸かって、手足を伸ばす。


 うりの頭を洗ってやるのも大分上達して、今じゃ頭洗いプロだな。

 もう、洗いながら上を向かせることもないし、洗ってやってる時のうりの気持ちよさそうな様子とかからして、この道でやってけるんじゃないかって位だ。


 「おおーきなぉーぽのうるとけいー♪」

 「お、また歌教わったのか?」

 「ぁぃっ!」

 「ぁとっ、ぁとっ!」

 「ん?」

 

 風呂に浸かりながら手をばちゃばちゃふる、うり。

 「ぃーんせーいまーくーあーにゃーうーもあーぅーさー♪」

 

 ・・・音程から察するに、もしやどこぞの将軍サマの・・・?


 「うり、それは?」

 「ぁっちゃん♪」

 「バァちゃんに教わったのか?」

 「ぁぃっ!」


 得意げに手を上げる、がっ。

 

 「うり、続きしってる?」

 「ぅ?」

 「その歌の続き。」

 「ぉーしぉーしかーめょ?」

 「うーん、ちょっと違うっ!」

 「ぁだー。」


 日ごとにレパートリーが増えてく、うりの歌だが、いっこ覚えると、どうやらいっこ混じるか抜けるかしてるらしい。

 

 「よーっし、そんじゃ大分あったまったから、数数えてでるぞー?」

 「ぁぃっ!」

 「いーち、にーい。」

 「はーんっ!」

 「しーぃ。」

 「ごっ!」






 流石に、夜にもなると、秋の訪れってヤツを感じる。

 風呂上りの風がひんやりして、しっかりあったまった体に心地よい。


 「うりー、もうちょっと寒くなったら、どうしようかー?」

 「ぅ?」

 「寒くなったら、ストーブでも入れるか?」


 首をかしげる、うり。

 

 そっか、うりは冬を知らないのかもしれない。


 「よし、これから毎日がもしかしたらうりの初めて記念日だな。」

 「けき?」

 「おー、いいな、記念日なるならケーキくったりするか!」

 「うりけきすきぃぃぃぃ!」

 「これから、どんどん寒くなって、もっともっとしたら、雪がふるからなー?」

 「ゅき?」

 

 んー、雪、雨になる水分が凍って、でいいんだっけ。

 なんて説明したらいいかなー・・・?


 あ。


 「空からカキ氷が降ってくると思えばいいぞっ!」

 「!!!!!」


 うっわ、うり、目まんまるだぞっ!

 ・・・って、そんな嬉しそうな顔して・・・。


 うん、間違ってないよな?

 雪が積もったところとか、カキ氷・・・だよな・・・?


 「それが、ちょこっとずつ降ってくるから、じーっとまって、いっぱい積もったら、地面一面キレイだぞー?真っ白でな?」

 「ぃちご?」


うり、口半開きっ!


 「ん、んー・・・イチゴシロップかっておけば、まぁ、イチゴ・・・かな?」

 「あじゅき?」

 「小豆か!茹でて、庭に撒いて・・・いや、雪を器に乗せる方がいいなっ。」


 想像してみる。

 庭一面に撒き散らした小豆。

 ・・・シュール、っていえないこともな・・・いわけないよなっ。

 どんぐらい雪が降るのかわからねぇけど、冬は冬の楽しみがあるな。


 「ゆきっ!すき!」

 「その代わり、寒くて体冷えるから、あったかくしてないとな?」

 「あたかーくしてたぁ、雪いーい?」

 「だなっ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ