朝
「いくちゃ、こえ、んま!」
「マジうまいっ!雲罫料理うまいんだなー?」
理佳さんが作ってくれていたかぼちゃの煮物もすげえうまくて、雲罫が「がぃがぃ」してくれた物も、これがまたえらいうまくて。
「山芋があったのでな。それをすり鉢ですって焼いたものだ。」
「すげぇ!」
「しゅげぇ!」
口の周りをベタベタ(かぼちゃやら山芋やらだな。うん。)にしながらも、満足げなうり。
そんな俺達の様子を見て満足げに頷く雲罫。
「喜んでいただいて何よりだ。」
「いや、ほんとありがたいっ!」
「ぃがちゃー♪」
「では。」
一口、口に入れると、そういって黙る雲罫。
ん?と俺とうりで雲罫が口の中のものを飲み込んで言う続きを待つ。
ゆっくりと咀嚼して、目を閉じ。
「うむ、旨い。」
そして、目を開くと。
「全て片付いたら、我が腕を振るおうぞ。」
「おお!」
「ぉぉおお!」
そういって、にっと笑う。
いつもの、「我を信じろ。」という時の笑顔で、
「これから、タクがババァを連れて来る。こちらから出向く手間が省けたというものだ。」
そういって、ずずっとこれまた上品に味噌汁をすする。
一瞬たじろぎそうになった体が、彼の笑顔と、
「ぅ!」
と俺の裾をつかんでいるうりの笑顔に力づけられる。
さっき、誓ったばっかりだ。
「おう、期待してるぜっ!!」
「うむ。我を。」
「信じてるぜ!」
「ぁぃっ!」
うまい朝飯はかぼちゃのひとかけらも残らず完食。
食後には俺が入れた茶。
落ち着いたら食器をもうちょっと揃えてもいいな、なんて思って。
居間から眺める外。
そこに止まる、不似合いな高級車。
「来たな。」
「うり、俺の膝の上にいるんだぞ。」
「ぁぃ!」
ガチャ、と音を立ててドアが閉まる。
そこから降りてくるのは、ババァと、タク。
それを見て立ち上がる雲罫。
居間から庭へ出る。
「雲罫?」
「いや、ヤツの車の窓に仕掛けてあるんでな、そろそろ回収してもいいだろう。」
「あ、そうか!」
ゲタを履いて、スタスタと歩いていく雲罫。
その姿をじっと見るうり。
食器を台所に運んでちゃぶ台の上を片付ける。




