駅について。
うまい弁当を食い終わる頃、電車は駅に着いた。
相変わらず人はまばらで静かな駅だ。
「ふむ、よい環境だ。」
「だろ?」
「すまんが食後の一服をさせてくれ。」
「あ、その箱もっててやるか?」
「いや、それには及ばん。気持ちだけありがたく受け取るとしよう。」
そういって、箱をぶら下げたまま灰皿のある出口へ。
幾ら人が少ないとはいえ──いや、少ないから目立つのかな。
雲罫の出で立ちはさすがに目立つ。
「あら、お坊様だねぇ。」
なんて声も聞こえて、タバコを吸っている彼に近づき、箱の中に小銭を入れてやる人もいる。
「あいや、かたじけない。少々休憩しているので待っていただけないだろうか。」
「あらぁ、そうかぃ?」
小銭を入れてくれた人に声を掛け、タバコを消すと。
「では。」
と、改めてその人に向かって何やら祈る。
「あらぁ、なんだか嬉しいねぇ。得した気分よぅ?」
確かに、改めて面と向かって祈られる経験もそうはないもんだろうなー、なんて思ってその様子を見ている、俺。
にこっと笑う人に、同じように笑顔で応える雲罫。
「それでは、失礼致します。」
「はい、気をつけてねぇ?」
すらりと高い身長に笠の中の顔といえばきりっとした表情。
普通にかなりの美男子だと思うのだけど、当の本人といえばまったく気にする様子も無く女体ライターの中身(灰皿とライター一体型らしい。便利だろうが、危険じゃないのかっ?)を灰皿に開けて、俺の方に戻ってくる。
「では、参ろうか。」
「だな。先に、ババァの所、でいいのか?」
「うむ。」




