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うりと夏休み〜続編〜  作者: ぬこ
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できることなら、どこにもいかないでくれよなっ?



 「瑠璃様も、わらしさまも、ちゃんと、おうちにかえれたんだねぇ。」

 「え?」

 「人は何回でも生まれ変われるっていうのよぅ。」

 

 問いかけた俺に、バァちゃんは笑って。


 「人が生まれ変われるんだから、瑠璃様もわらしさまも、ちゃぁんと生まれ変わってるのよぅ。」

 「んっと・・・。・・・難しいや。」

 「いいのよぅ。バァちゃんはそれでいいのよぅ。」

 「実は俺もまだ、よくわかってなかったりするけど・・。」


 うん、実は、そうだ。

 たまにふとしたときに、このまま一緒にいられるのかなとか、考えちゃって。


 夏の匂いがどんどん夕方になると秋の匂いになってるのをかいだ時とか。

 

 朝、目が覚めて、太陽が眩しくなかったりとか。


 通りに咲いてる向日葵が、種をつけて、茶色くなっているのをみるときとか。



 きっと、大丈夫って、何となく思って、今も居るけど。

 実は、不安なのはやっぱりあるわけで。


 今わかっているのは、うりが、わらしさま、で、瑠璃様。

 きっと、わらしさまも、うりも、冬を経験したことはなくて。

 昔、バァちゃんやジィちゃんと遊んでいた事があって。


 まだ、村の人、会った事ある人や、話したことある人は少ないからわからないけど、他の人はどうなんだろうとか。

 

 それから、いっこ。


 もし。



 もし・・。



 いや、やめておこう。

 思うだけで、口にするだけでも、「今」が台無しになりそうで、怖い。



 人間って、多分、妙な生き物なんだろうって、思う。

 

 うりが帰ってきてくれて、嬉しくてたまらなくて。

 散々泣いて、ぼやけた頭が、次第に考え付いたのは、これからのことで。


 今のとこ、うり、がみえるのは、バァちゃんと、ミヨコさんと。(ジィちゃんにはあってないからわかんないけど。)


 ああ、ニワトリーズはもちろんそうなんだけど、他はどうなんだろう。

 ミヨコさんは、隣村からお嫁さんにきたらしくて、瑠璃様のこととかはしらなくて。

 やっぱり、最初は見えてはいなかったんだ、っていってた。

 ただ、なんとなく、時々、あれ?って。


 見えるわけじゃないけど、なんだか、感じるような。

 

 だから、持たせてくれたかぼちゃとか、うまいものは、二人で分けて丁度いい位の量。


 あれ?って思ったりはするけど、気にはしてなかったみたいで。

 俺と、バァちゃんが話して、ミヨコさんに説明したら、「ああ!」なんて笑ってた。

 それで、ミヨコさん。


 「うりちゃーん、麦茶のみなぁー?お砂糖はいってるねぇ?」

 

 なんて、砂糖入りの麦茶をうりに勧めて。


 きょとん、とみていたうりが、嬉しそうににこーっと笑って、麦茶を受け取ったんだ。




 「ニィちゃん、気にしたってしょうがないよぅ?」

 バァちゃんが笑って俺の肩を撫でる。

 「うん、そうだよな。」

 俺も、そう思う。


 今、ここに居てくれて、このあいだ、うりは「ただいま。」って(実際はそう流暢に言ったわけじゃないけど。)言って。

 そんで、俺と一緒にいるんだ。

 すくなくとも、今は一緒にいる。

 

 もし、またいつか。

 うりがどこかに行ってしまったら、俺は、またうりを待つ。

 うまい飯を準備して。


 そして、おかえりって言ってやるんだ。



 でも。


 ・・・できるなら二度とどこにもいかないでくれよなっ?



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