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悪魔のシェアハウス――悪魔は人を騙すけど嘘はつかない。《友情》《裏切り》《契約》《願い》すべてを賭けた選択の脱出劇  作者: ユキマル02
【冬美編】

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第50話『五十嵐くんの好きな人』



【登場人物】


まもる:主人公。友達思いの優しい高校生。現在の姿は小学生。家族が大好きで早く元の世界に戻りたいと思っている。冬美のことが好き。悪魔が嫌いなので悪魔に対して少しだけ口が悪くなる。


冬美ふゆみ:元気で明るい美少女。現在の姿は小学生。家庭環境が複雑で、この空間に残ることを望んでいる。


孝志たかし:誠の親友。現在の姿は小学生。兄貴肌で面倒見がよくて優しい性格。父子家庭で幼少期は父親から暴力を振るわれていた。誠をいつも支えてくれる存在。誠の握るおにぎりが好き。


五十嵐:誠の親友。友達のことを大切する優しい高校生。医者の家系で裕福な家育ち。放課後の悪魔と契約して皆を閉じ込めた張本人。そこにはある理由が…。悪魔が疲弊するくらいガチガチの追加契約を作った。



【登場する悪魔たち】


放課後の悪魔:この空間を創った存在。関西弁で話すが、ときどき標準語に戻るのが逆に怖い。常にテンションは軽く、距離も近い。見た目は人間のようだが、明らかに異質。誠たちを翻弄する存在。


宇佐美:誠専属の『コーディネーター』。時間や場所を問わず服を用意できる能力を持ち、寸分の狂いもなく時間を把握できるため、【時計】の役割も果たしている。

名前は『宇佐美』。白くふわふわした毛並みを持つウサギの姿をしている。


シェフ:この空間の専属『料理人』。無口で寡黙、人間があまり好きではなく、長話も嫌い。料理に対するこだわりは現実のプロと遜色なく、「料理に関しては嘘はつかない」という姿勢は本物。つい最近新しい契約者を得た。…誠たちの味方?


清掃の悪魔:常にテンションが高くノリの軽い青年。この空間の『清掃員』

軽い口調からいきなり雰囲気がガラッと変わるため油断できない。

誠が苦手意識を持っている悪魔。シェフとは古い友達らしい。


メイド:丁寧な口調で微笑む、美しいメイド姿の悪魔。

冬美専属の「レディースメイド」として身の回りの世話を担う一方でその本性は冷酷かつ策略家。「性格は悪いです」と本人も公言している。つい最近新しい契約者を得た。


整備士シンさん

部屋の整備や修理を担当する悪魔。

無骨だが気さくで、誰とでもすぐに打ち解ける“面倒見のいいおじさん”のような存在。


「嘘を見破る能力」を持つ特例の悪魔


普段は豪快に笑う気のいい兄貴分だが常軌を逸した執着と狂気がのぞく、油断できない悪魔である。


最近新しい契約者を得た。



寝室清掃の悪魔


銀髪眼鏡のメイド服を着た少女の悪魔。

主人公誠が偶然にも遭遇した裏方の悪魔。


普段は清掃が終わるとシェフの用意した食事を厨房に設置されている

従業員休憩室で食べている。


かなりのネガティブ思考で一人で突っ走り結論が出るとすぐに手持ちのナイフで自害しようとするので困る。まだまだ謎の多い悪魔である。




(以降、悪魔たちは順次追加予定)



【※注意】本章は、冬美という人物の人生と過去を描くため、未成年への性的被害や家庭内での暴力を含みます。興奮を目的とした描写ではありません。読むことで辛くなる可能性がありますので、少しでも辛いと感じた場合は、読むのを中断してください。







「生きてる限り幸せになれないって、どういうこと?」


 もう一人の五十嵐くんの衝撃的な言葉に、持っていた漫画が手から滑り落ちる。誠くんから借りた漫画なのに、落ちた衝撃で漫画は開いた状態でフローリングに落ちてしまった。


「っ!あ、誠くんの漫画!」


 私は慌てて屈み、床に落ちた漫画を拾い上げた。

 開いていたページの端が、少し折れてしまったけど、無理やり戻せば問題なさそうだ。


「よかった、大丈夫そう」


「大丈夫かい?借りものは大切に扱わないとダメだよ?好きな人のモノなら尚更だね」


「っ、誰のせいで……っ」


 当たり前のようにソファーに座ってコーヒーを飲む『彼』を私は睨みつけた。

 彼はそんな私の姿を楽しそうに見下ろすと、静かにカップへと口を付ける。


「あ、そういえば。今日はなかなか、面白いことがあったよね」


「ちょっと!勝手に話を変えないで。私が幸せになれないって話の続きを教えてよ!」


「キミの話なんかより、今日の話の方が断然面白いだろ?」


「今日って……五十嵐くんが、『放課後の悪魔』の儀式をしたって話?」


「そう。アレ、かなり面白いことになってたね」


 そう言って彼は口元に手を当ててクスクスと笑う。

 なんだか、馬鹿にしているような笑い方で気分が悪い。


「彼に触れられていたからかなぁ?心臓が、こう激しく動いて――」


「やめて」


 言葉を続けさせないように私は持っていた本を彼に投げつけた。

 持っていたカップに漫画が当たってコーヒーが彼の服に零れる。


 静かになった室内に、微かなコーヒーの香りが漂っていた。


「あんたが何者かは知らない。でも、五十嵐くんと同じ顔で、五十嵐くんの純粋な『恋心』を貶すことは私が許さないっ!!」



◇◇◇



「っえ?冬美!?」


「孝志くん?えっ、五十嵐くんどうしたの!?」


 私が五十嵐くんの家で療養しているとリビングに突然、孝志くんが入って来た。驚いたのはほんの数秒だ。孝志くんの肩にぐったりともたれ掛かる五十嵐くんが目に入って、私は慌てて駆け寄った。


「五十嵐くんっ、酷い顔色、汗もひどい……だ、大丈夫なの?なにがあったの?」


 青白くて、今にも倒れてしまいそうな肩に手を置いて頬に触れる。矢継ぎ早に孝志くんに質問をすると、孝志くんは、言葉を詰まらせながら「前に言ってた、ほら『七不思議』のやつ」と言って、何か言いたげな表情で私に目を向ける。


「それって、もしかして放課後の悪魔?ってやつ?」


「うん。それやってからコイツ、なんか変で」


「変って?」


「わかんねぇけど。一人で帰らせたらダメだって思ってさ」


「孝志くん……ありがとね」


 放課後の悪魔の儀式をすることは今朝届いたメールで知っていた。

 私はむしろ、五十嵐くんからのお土産話を楽しみにしていた。


「五十嵐くん……どうして、こんな」


 汗で張り付いた髪を指ではらってあげると、五十嵐くんの瞳がゆっくりと開かれる。


「冬美、だいじょうぶ、か?」


「え?」


 とても小さな、今にも泣きそうな震えた声だった。

 五十嵐くんのこんな、弱った声は初めて聞いたかもしれない。


(大丈夫ってなにが?もう手術は終わってる、他に心配されるようなことあったかな?)


「あのさ、色々聞きたいことあるけど、悪いもうすぐバイトの時間なんだ。あとは、頼めるか?」


「う、うん!任せて!」


「一人じゃ重いだろ?部屋まで運んでいくよ」


「ありがと孝志くん」


「友達なんだから当然だっての。五十嵐歩けるか?」


「ん、少しなら……ありがとな、孝志」


 五十嵐くんが孝志くんの方を見て、力なく笑った。


 孝志くんは五十嵐くんを部屋まで運び終わると「じゃあ、帰るわ」と言って玄関にまっすぐ向かっていった。


「あとはよろしくな。熱とか出たら無理やりにでも休ませろよ?」


「うん!孝志くんもバイト頑張ってね!」


「おう!冬美も無理すんなよ。休んでる理由は詳しくは聞かねーけどさ、何かあったら相談くらいはしてくれ。俺たち友達じゃん」


「う、うん、わかった。心配かけてごめんね」


 孝志くんの見送りが終わると私も慌てて、五十嵐くんの部屋に戻った。

 部屋に戻ると五十嵐くんは上半身を起こした状態でぼんやりと空中を眺めている。


「五十嵐くん?」


「!……冬美。悪い、心配かけたみたいだな」


「もう、大丈夫なの?」


 小走りでベッドの近くまで近寄ると五十嵐くんが私の頭を優しく撫でてくれた。

 私に向ける眼差しはいつだって優しくて、ほんのりくすぐったい。


「うん。もう大丈夫だよ……孝志は?」


「孝志くんならバイトあるからって帰ったよ」


「そっか……」


 そうつぶやくように言うと、五十嵐くんは何かを思い出したかのように、左手で顔を覆った。

 よく見ると耳が赤くなっている。


「~っ、やべぇ。今も、すげぇ心臓ドキドキしてる」


 風邪の時とは違う意味で五十嵐くんの顔はうっすら赤くなっていた。

 私はそれを見てつい顔がニヤついてしまう。


(私だけが知ってる、五十嵐くんの『秘密』だ)


「あんな、近くにいたの。小学生以来かも……」


「へへ、じゃあいいアクシデントだったね」


「いやっ、いいか悪いかって言ったら……い、いいかも」


 最後の声は耳を澄ませなければ聞こえないくらい小さな声だった。

 そこにいつものクールな五十嵐くんはいない。


「わかるよ。好きな人に触れられるだけで、嬉しいもんね」



 ――五十嵐くんは孝志くんが好きなんだ。



「ね、五十嵐くん!孝志くんに惚れた時の話、聞かせてよ?」


 私は絵本を楽しみにする子供みたいに、ベッドに両肘を置いて、五十嵐くんを見上げた。


「っは、はぁ!?またかよっ、お前、本当あの話好きだよな」


「うん、大好き!」


「はぁ……ま、話す相手はお前くらいしかいねぇし、いいか」


 そう言って五十嵐くんは、まだ汗の少し残る顔を私の方に向けて優しく微笑んだ。


「俺が、風邪引いて、誠たちに看病して貰った日にさ。買い物から帰って来た孝志が部屋からお前ら追い出したあとの話なんだけど――」



 そして、大切な何かを思い浮かべるように空中を見つめると、ゆっくりと語り始めた……



◇◇◇



「あー!お前ら、風邪引いてるやつと一緒の部屋にいんなよ。ほら、出てけ、出てけ」


 買い物から帰宅するなり孝志は、俺の自室から誠と冬美を追い出した。


「それ言ったら、孝志もダメじゃん!」


「そうだよ!孝志くんも風邪移っちゃう!」


「俺は看病慣れてっからいいんだよ。ほら、リビングで大人しく待っとけ」


 孝志は「納得してない」と言いたげな表情の二人を追い出すと部屋に鍵をかけた。

 そして、買い物袋を持って俺のベッドに来るとポケットから俺の財布を取り出して手渡した。


「お金ありがとな。しばらくは返せそうにないけど、いつか必ず返すから」


「それは別にいいけど……俺も、あの二人の言う通りだと思う。犬飼もダメだろ」


「俺はいいんだよ。それに、もし俺が移っても、そのあとは誠たちが看病してくれる」


 そう言って犬飼は笑いながら袋から箱を取り出した。袋の中身は初めて見るものばかりで、ジッと見ていると――


「うおっ!?」


 額に突然感じた柔らかく冷たい感触に驚き目を見開いた。


(なんだコレ、ゼリーか?でも、すげぇ……気持ちいい)


「あははっ、悪い悪い。でもさ、冷たくて気持ちいいだろ?」


 冷えピタって言うんだぜ?そう言って犬飼は慣れた手つきで、もう一つの箱から錠剤を取り出して三粒ほど手のひらに落とした。


「ほい。コレが風邪薬な、それと水」


「あ、ありがとう」


 言われるまま、渡されるままに水と一緒に薬を飲みこんだ。こんな風に他人に世話なんてされたことがないから、この後、自分がどう動いて、どんな会話をしていいのか迷ってしまう。


(なんで、コイツ。嫌な顔一つしないで、まるでそうするのが当たり前みたいな感じに他人の世話やけるんだよ)


 俺には最初、犬飼の行動が理解できなかった。


「あのさ、お前が、俺にそこまでする理由なんてねぇだろ?俺とお前はただのクラスメイトだ」


 俯いて、半分ほど減ったペットボトルを強く握りしめた。相手が理解できないときは、とにかく対話するのが一番だ。万が一にも、俺の金を狙っていい人を演じてる可能性だってある。警戒するに越したことは無いだろう。


(同級生に、甘えんなって思うのに……俺は、いま、すごく嬉しいんだ)


 心は警戒しているのに、俺自身がそれを拒んでいる。こんな、心と体がバラバラな状態は初めてだった。たぶん、風邪のせいだ。そうじゃなければ、俺はもっと冷静に相手を判断することも、自分を制御することもできる。


「うーん……そうだな、悪いけどコレは俺の『自己満』のためにやってんだ」


「は?」


 犬飼から返って来た返答は俺には到底理解できないものだった。


「五十嵐は、俺の自己満の犠牲になっただけ!だから、俺がお前の風邪移っても、俺の自業自得!」


「は、はあ?それこそ意味わかんねぇよ……お前って、馬鹿なのか?俺を看病したって、お前が得すること一つもねぇじゃん」


 理由を聞いても、やっぱり俺には犬飼の言葉が理解できない。

 今まで俺は、難しいテストも、難関高の模擬テスト全部満点しか取ったことがないのに、一つも正解を導き出すことが出来ない。


「そうかもなぁ……でも、俺は――」


 犬飼は何かを思い出しているのか、言葉を一度切ると、強い眼差しで俺の方に顔を向けた。

 決意のような強い瞳から俺は目を離せなかった。


「コレでよかったんだって、言い訳する人生歩むくらいなら。勝手に助けて、文句言われて、後悔する方が絶対いい」


「!?」


 なんだよ、ソレ……


「こ、後悔はするのかよ」


「するよ、人間だもん。でも、たぶんそれも一瞬で、お前が元気になったら、風邪移されても、助けてよかった!って思うんだよ」


 こんな選択する人間がいるなんて知らなかった。


 善行も、悪行も、自分の欠落した部分を満たす行為でしかないのに……犬飼の行動は、そのどちらでもない。


 ただ、真っ直ぐで優しい――『自己満足』


「それ、いいな……」


 少し間を置いて、俺は言葉を続けた。


「俺も、お前みたいになれるかな」


 俺は、この瞬間――犬飼孝志という人間に惚れたんだ。


◇◇◇



 ――私たちはお互いの好きな人を知っている。


 私は、誠くんが好き。


 五十嵐くんは孝志くんが好き。



 だけど、私たちは互いに好きな人に気持ちを伝えるつもりはない。



「告白したいよ?っでも、できないんだよっ!好きな人がいて、告白しない選択を選ぶっていうのは、体を引き裂かれるくらい辛い選択なんだよっ」


 私は目の前の、五十嵐くんではない別人を睨みつけた。

 彼は私の怒りや悲しみに動じることはない。


 とても無機質な、人間じゃないような存在だ。


「それこそ身勝手な、自己満だな」


 私たちの苦しみなんて「つまらない」とばかりに鼻で笑う。


「五十嵐くんの恋心はね、とっても綺麗で純粋で、すごく、壊れやすいものなの」


「告白もしてないのに壊れるのかい?」


「アンタにはわからないでしょうね」


 私は溜息をはきながらコーヒーで汚れてしまった本を拾い上げた。

 表紙も中身もびしょ濡れだ。


「はぁ……汚しちゃった。ごめんね誠くん」


(明日、朝イチで冬美が本屋さんに買いに行くから!)


「そうだね、理解できないね」


「それなら理解できないまま、無関心でいてよ。本当は私にも、五十嵐くんにも興味ないんでしょう?」


「あぁ、それはちゃんと理解してたんだね」


「ほんっとムカつく。早く引っ込んでよ」


「そうさせてもらうよ」


 ――えっ?


 彼は一言そう言うと、静かに俯いた。

 そして、ゆっくり顔を上げると――


「熱っ!!?」


 室内に五十嵐くんの悲鳴が響き渡る。

 彼の足元に落ちたコーヒーから白い湯気が立ち上っているのが見えた。


「えっ、あ!わ!ごめんっ、五十嵐くん!今、タオル持ってくるから!!」


「熱~~っ、な、なんだ?なんで、俺、さっきまで部屋にいたはずじゃあ」


「動いちゃダメだからね!今、氷も持ってくるから!!」


「?あぁ、ありがと。つーか、なんで俺コーヒー飲んでんだ?」


 彼が表に出ている間の記憶は五十嵐くんにない。


 そして、その日、五十嵐くんが疑問に思ったとしても寝てしまうと全て忘れている。


「勉強やりすぎて、疲れちゃったんじゃない?」


 コーヒーのかかった膝をタオルで拭いて、上から袋に入れた氷で冷やした。

 五十嵐くんは状況がよくわかっていないのか、ぼんやりとした表情で濡れた膝を見下ろしている。


「でも、俺、コーヒー苦手なんだけど。うわ、口の中、にがっ」


「今、甘いミルクティー入れてあげるよ」


「うん。あのさ……俺に、なんかあった?」


「っ!」


 キッチンに向かう私の背中に五十嵐くんが疑問の声を投げかける。

 緊張で足の先が冷えていくのを感じる。


「俺、うっすらとだけど……前にも、同じようなことあった気がするんだ」


「それは……」



『もし、ボクのことをバラしたら。今すぐにでも、孝志に『告白』してあげるよ』



「っ……気のせいだよ、五十嵐くんは頑張りすぎちゃうからさ、無意識にカフェイン?を求めちゃったんだよ」


 思い出すのは、彼の言った言葉だ。


「そう、なのかな?」


「そうだよ!それに、見てよホラ!」


 私は戸棚からコーヒーの入った箱を彼に掲げて見せた。

 同じことを、数えるのを忘れてしまうくらい何度もやった。


「コーヒー!これ買ってるの五十嵐くんでしょう?飲まないなら買わないって」


「確かに……特に、今日は儀式やなんだって、すげぇ疲れてたから、無意識に飲んでたのかもなぁ」


(よかった!零したことは追及されなかった!)


「もう夜も遅いし、歯磨いて寝よ?」


「冬美は?」


「私もあと一杯飲んだら、寝ようかな」


「そっか……俺も、一杯飲んだら寝るわ」


 療養中は五十嵐くんの家に寝泊まりすることはお母さんから許されている。五十嵐くんが私の家に迎えに来た時、彼の顔を見て一瞬にして女の顔を作った母は気持ち悪くて見てられなかった。


(五十嵐くんは、冬美の家族なの。変な目で、そういう対象として見て欲しくない)


 ソファーの上、毛布に包まってスマホでSNSを見てたら五十嵐くんに声をかけられた。


「冬美。あんま夜更かしすんなよ、おやすみ」


「うん、おやすみなさい」


 パチンッとリビング以外の電気が消される。


「私も今日は早く寝よっと」


 明日は汚してしまった誠くんの本を買いに行かないといけない。私はスマホの目覚ましをセットして、リビングの電気を消すとソファーに寝転がった。


「おやすみなさい、五十嵐くん、孝志くん……誠くん」



 つぶやくようにそう言って、毛布に顔を埋めて、私は静かに目を閉じた――。





最後まで読んで頂きありがとうございました。


Xでは【悪魔のシェアハウス】の自作の表紙を公開してます。

作画から色塗りまで全部ひとりでやってます。

こちらでお見せできればよかったのですが、なろうは表紙設定出来なので(^_^;)


もしご興味のある方は覗いて頂けると嬉しいです!

めっちゃ気合い入れて描いてるので!どの表紙も自信作です!

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