新人襲来
コメントいつも、ありがとうございます
今週から2週間は、仕事が忙しくなりそうです
残業が確定している日もあります
そのため、更新が1日2回だったのが
1回になりそうです。
ご了承ください
完結目指して頑張ります。
お付き合いいただけたら、嬉しいです
よろしくお願いします
「おはようございます。姫様。」
私の離れに新人さんが来た。
新しい侍女と護衛の騎士さん達である。
しかも、連れてきたのは宰相だった。
なぜ?
普通は女官長とか、近衛団長とかじゃないの?
私は離れの客間(一応小さい客間はある)で、宰相を迎え入れた。
宰相の後ろには侍女さんが8人と、騎士さんが8人いる。
この人達は全員、私の専属になるそうです。こんなに人がいるかな?
今まで4人ずつだったのに
「宰相?確認だけど、全員が専属になるの?」
「はい。今回は私と陛下で選びましたので、ご安心ください」
「それはありがたいのだけど・・・」
私は人が多いんじゃない?とは言いにくかった。
せっかく連れて来てくれたのに『いらない』とは言えないよね
「何か、問題でも? やはり、少ないでしょうか?増やしましょうか?陛下からの許可もありますし。」
「落ち着いて。大丈夫よ。逆に多いと思うのだけど」
宰相の追加しましょう、発言に自分の心境を正直に言うしかなかった。
私の離れにこんなに人はいらないと思う。
「そんな事はございません。少ないと思っています。ただ、離れも大きくないので、このくらいが妥当かと」
「そうなのね。わかったわ。でも、この人達に無理強いはしてないわよね?王宮の中でも私の専属は、良い場所とは思えないわ。嫌がる人に無理にとは言えないもの、その辺は大丈夫かしら?」
私は小国の姫で、留学生(人質)だ。王宮の中で働く場所として、良い条件の場所ではないと思う。それに侍女さん達は結婚相手を探しに来てるのに、出会いが無かったら問題だろう。
その事で実家の人達に、何か言われては気の毒だ。
「勿論です。姫様が何を思って、そんな事を言われたのかわかりませんが、陛下からの辞令です。喜ばない人間はいませんよ。陛下からの『信頼されている』、という証になります。喜ばれる事です。ご安心ください。」
何かおかしな発言があったような。
「?おかしくない?陛下からの辞令?直接?」
「はい。今回は特例ですので。陛下が間違いがないように、とご自分で選ばれました。」
「そう、あんな事があったから、気を使ってくださったのね。ありがたいわ」
まぁ留学生(人質)の侍女が横領、ネグレクトだ。外聞が悪いだろう。陛下の気遣いはあながち、間違ってはいないと思う。
「まあ、それだけではありませんが」
「他にも何か?」
「いえ、姫様の側に安心できる者を、置いて置きたいと、陛下のお考えでしょう」
宰相の言いようは、別な事を言いたかった様な気がしたが、そこは深く聞かない方が良さそうだ。
「姫様。今後はこの者が、姫様付きの筆頭侍女長になります。」
「よろしくお願い申し上げます」
前任の侍女長よりは、幾分若い感じの女性が、私に礼を取った。
「もう着任させていますが、護衛の騎士はこの者になります。」
宰相は隊長さんを見る。
「改めて、よろしくお願い申し上げます」
隊長さんも改めて礼をとってくれた。隊長さんの挨拶に忍び笑いが漏れてしまう。
昨日の自己紹介が、頭に浮かんたのだ。
許してほしい。
隊長さんも察したのか笑いを堪えている様子だった。
「ありがとう。二人とも。これからよろしくね。」
私は笑いを無かったことにして、二人に向き合う。
離れは賑やかになりそうだ。私は今までと違う雰囲気になりそうな事に安心していたら、まだ何かあるらしい。
「姫様。もう一点。私がこちらにお邪魔したのは、理由がございます」
「新人さん達の事だけではないのね?」
でしょうねと、同意したかったが、宰相の様子を見て中止した。
「はい」
宰相の言いにくそうな顔を見て、追い打ちは良くないと思う。うん。
新人の配属は、宰相が来る案件ではない
「何かしら?」
宰相に話の続きを促す。
「裁判の件です。」
「もう始まるの?早いわね?」
「ええ、始まるのはもうすこし後ですが、ほぼ日程は決まっています。それに伴って姫様に事情を説明したいと、陛下が」
宰相が口を濁す
「陛下が?その口ぶりからすると、陛下が直接説明してくださるの?」
「はい」
おかしくない?言ってはなんだけど、この程度(?)の事で陛下が出てくる?いや、この程度ではないのかな?下手したら外交問題だもんね。でも、普通なら気を使って宰相クラスだよね?
「宰相。ごめんなさいね。馬鹿にしているつもりはないのだけど、普通は宰相が説明してくれたら、十分な内容ではないかしら?」
「はい。私もそう思っています。姫様がおっしゃる事が順当な事かと」
「そうよね?」
「はい」
「で、なんで陛下が説明してくださるの?」
「自分で説明すると陛下が。私が何度も自分が説明しますと、言うのですが聞いてくださらなくて」
「そうなのね。」
他に言いようがなく、私は口籠る
宰相と二人頭を悩ませるが、ここは考えても仕方がない。トップダウンだ。陛下がそう言うなら何か理由があるのだろう。
ここは私が頷いた方が上手く行きそうだ
「わかったわ。宰相。陛下がそう言われるなら何か理由があるのだと思うわ。陛下の判断にお任せするわ」
「姫様。」
宰相は、私が止めてくれると思っていたのか、悲しそうだ。
諦めなさい。宰相。トップダウンには逆らわない方が良いのよ
『長いものには巻かれときなさい』