意外な展開 4
「持ち込んでくれたものは、全部なの?それともあなたの方には少しは取ってあるの?」
「私が使えるものは少しは取ってあります。ここにある物は、正直、持て余している物になりますね。」
『ざっくばらん』は継続してくれているようだ。話がしやすくてとても助かる。
ここにある物は余り物なら私が貰っても問題ないだろう。
私は自分の腹案を商人と話し合うことにした。
「話し合いをしたいわ、どちらかと言えば提案になるのかな?」
「お願いします」
商人からあっさりと同意が取れる。
商人にも考えがあるのだろう。そのすり合わせといったところだろうか
「ここにあるのは、余っているのよね?」
「はい、正直、捌けなくて困ってます」
「だったら、こうしない? この商品は私がもらう。そして、貰ったもので料理をするわ。あなたはそれを食べて美味しければ、私は作り方を教える。受講料として、私はあなたから欲しい材料を新たに貰うことができる。どうかしら?どちらにもメリットがあると思うのだけど…」
「姫様が調理をされると?」
「私以外に誰かいる?」
提案の賛否よりも調理人の疑問が先に来たらしい。確かに商人の疑問は普通だ。『姫』は自分でキッチンに立つことはない。
まぁ、私は普通の範疇には入らないのだが…
「確かに普通なら私が料理をする、という考えはないと思うわ。でも、忘れてない?私がこのキッチンを陛下からもらったのよ?それに、大豆関連の商品を欲しがったのも私だわ。そうなれば私が料理をする、という考えになると思うのだけど?」
「それが城下の裕福な家なら納得ですが…
ちょっと…お城の中の方となると、そうですね。とは言いにくいですね…」
「それはそうね…確かにそうだわ。私があなたの立場なら同じ事を言うかも…」
困惑したような様子の商人の発言は納得できるものだったので、私は頷いていた。同意された方も安心したように頷いている。
しかし、そこで終わってはなんの意味もない。このまま、『はい、そうですか』となるわけにはいかなかった。私はしっかりとした商品ルートを手にしたいのだ。
「で、どうする?私の提案をどう思う?」
ここからが正念場となりそうだ。





