学校生活 初日
いつも読んでいただいてありがとうございます。
ご無沙汰しております。
書き溜めたものが少し形になりましたので、投稿できました。
まだ、ペースができておらず定期的な投稿は難しいですが
お付き合い頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
私は今日から初登校である(入学式は授業がないのでカウントしない)
隣の次男くんとは話をしたのでなんとなく顔見知り感があって安心だが、他の人とは全く話をしてないし、顔も見ていないのでどんな子がいるのか気になっている。
「姫様。お支度はよろしいでしょうか?」
「大丈夫よ」
私は自分で登校の用意をすませ筆頭に返事をする。
本来なら支度は侍女さん達の仕事なのだが、学校の支度だけは自分でしたいとお願いしたので、自分で支度をするという流れにできた。
筆頭は渋っていたが一般のご家庭では自分で支度をするはずだから、学校に行く時だけは自分で行いたいと訴えたのである。
ポイントは【学校に行く時だけ】である。他のときは今までとかわらないので筆頭からも許可が出た感じだ。
もしかしたら筆頭の考えでは【自分で用意する】ことが話題の一つになれば、という気持ちもあるのかもしれない。渋りながらも私の申し出を強く拒否することはなかった。それをありがたく思いながら用意を楽しんでいる私がいる。
「見苦しいところは無いかしら?」
私は筆頭の前で一周回って見せる。その私を微笑ましいと言わんばかりに目を細めている筆頭がいた。
「大丈夫ですわ姫様。初めてですのに、準備がきちんとできておいでです。問題ございません」
「良かった」
筆頭の太鼓判に私も自然と笑みが零れる。
その私が私室を出ると隊長さんが出迎えてくれた。
今日も護衛は隊長さんだ。定番なのだが後ろが気になり見てみるが誰もいなかった。
あの騎士さんはいないのだろうか? 私の動作が不思議だったのか隊長さんが同じように後ろを振り向いて何もない事を確認している。
「どうかなさいましたか? なにか気になるものでも?」
「違うの。 騎士さんはいないの?」
「昨日の者ですか?」
「そうよ。今日はいないの?」
「今日は彼女は研修です」
「研修?」
「正確に言いますと研修ではありませんが、研修のようなものです。彼女は最近の配属ですので離宮内の確認や、スタッフの把握、連携の確認などがあります。本来ならまだ姫様へのご挨拶は見送るはずだったのですが、昨日は急なことでしたので」
後半は言葉を濁された。要は本来は交代する予定ではなかったけど急な変更で新人が出てきたということですね。なるほど。で、今日は本来の新人研修に戻っているということですね。
了解です。
私は隊長さんの話に納得しかなく頷きつつ、車寄せへ向かう。
隊長さんはブレることなく私のエスコートをしてくれているので、この様子だと騎士さんの出番はしばらくなさそうだ。
次はいつ来てくれるのだろうか? 違う意味で楽しみになる。
騎士さんは年上の女性だ。護衛として近くにいてくれることになるので、色々な話が出来るのではないかと密かに楽しみにしているのだ。
正式な配属が待ち遠しい。
「では姫様。行ってらっしゃいませ」
「ありがとう。行ってきます」
学校の車寄せで隊長さんの見送りを受ける。帰りは教室まで迎えに来てくれる事を確認した。
前回の反省を生かした形である。私は経路を確認しつつゆっくりと教室へ向かう。慎重になる理由はもちろん迷子になるからだ。学校で迷子になるなんて恥ずかしすぎる。私は不名誉な称号を得たくない為に落ち着いたフリをしつつ、内面は汗をかきながら無事に教室の入り口にたどり着くことができた。
「おはようございます」
教室に入ると次男くんが挨拶をしてくれた。私もその挨拶に返答をしつつ自分の席へ向う。挨拶の声で他の人も私の存在に気づき、順当に挨拶をしてもらえる。その表情は穏やかな笑顔を浮かべているものの、その笑顔は本物ですか? と、聞きたくなるほど、全員の表情は同じ感じだった。それを見ていると私の表情も同じように見えているのだろうかと心配になるほどだ。
私は自分の表情を心配しつつ挨拶を返して席につく。
私の後ろは女子で次席の女の子だ。その子にも順当な挨拶をされたが、それ以上の会話の進展はなかった。それどころか、その子は別な席へ行きおしゃべりを始めてしまった。次男君も他の席にお話に行っているため、私は一人ぽつんと席に残っている形である。周囲には誰もいない。
あれか? 今日からぼっち確定ですか? 寂しい感じですか?
私は一人席に残され、授業が始まるのを待つしかなかった。
一日の始まりはホームルームがあり、後は時間割のまま授業が行われる。昼休みが入りその後、一時間授業をして終了となる。初等部は部活動的なものは無いが高等部になると部活動的なものが行われるそうだ。
昨日の説明で、そんな話があった。私は学校の仕組みはどこでも変わらないものだと納得したものである。
今日は登校初日で早速のぼっち確定だったが、明日からはどうだろうか。
なんとなく不安があるが学校生活の始まりである。





