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挨拶 3

怖いかな?って、どんな意味で?

陛下が怖い?

それとも失敗することが怖い??

この国が怖い?


主語がないからどの意味にとれば良いかわからない?… 

陛下に意味を聞く?

いや、それはダメだ。機嫌を損ねてしまうし、言葉を理解できないおバカな子供と思われるかも…

言葉は裏の意味を理解してこそ、なのだから

けど、多分、自分が、陛下が怖いのか?って意味だよね…きっと…

どうする…


私は口元に笑みを浮かべつつ、小首を傾げて陛下を見つめてみた。

言葉は発しないが、どういう意味ですか?と態度で聞いてみた。

言葉がダメなら、ボディランゲージである。


陛下も私を見返す。

厭味なのか、たまたまなのか、陛下も小首を傾げてきた。

言葉に直せば『どうかした?』だろう

これは困った、やはり私は何かを言わなければならないようだ。


私は緊張から少し息をのむ。

嘘はダメだ、絶対陛下には見破られる。

私みたいな小娘の腹芸が通用するはずがないし、正直に話すしか手がない。


ここは子供であることを全面にだそう。そうしよう。

意味がわからない振りをしよう、それしかない。

私は結論を出すと、少し息を吐き心配そうな表情をする。  


「そうですね。少し怖いです(陛下が)、失敗したらダメな子供って思われるかもって考えたら、怖くて仕方ないです(属国街道まっしぐらには遠慮したいので)」


陛下の聞きたい答えではないだろうけど、私はマナーの話に終始することにした。

藪を突いてヘビを出す気はないし、嘘はついてない。

実際にマナーの失敗は怖いのだから。

私の失敗で母国が属国になるのは見たくはない。 


陛下がもう一度小首を傾げて私を見る

言葉に直せば『わかってて言ってるよね?』だろうか


わたしも小首を傾げ陛下を見つめ返す

私からは『分かってるけど、言質を取られるわけにはいかないんで』だろうか

伝わると良いけど、いや分かってるよね、あの様子だと


陛下の眼が今度は笑っているのだから


陛下が笑っていた。

今度は眼も表情も笑っている。

今度は安心していいようだ。

私はホッと息をついた。


「姫は面白いな」

陛下の声が楽しそうに弾んでいた。

私は今度は本気で首を傾げる。

面白い要素があったかな?

首をひねってもわからない私は、陛下に確認したくなった。


「何か面白いところがありましたか?」

「そういうところだよ、姫」

声音がちょっと優しい。

私は失礼ながら陛下をまじまじと見つめ、わからないとアピールしてみる。


陛下は変わらず笑ったままだった。

今度は答えを教えてくれる気はないようだ。

そして、機嫌も悪くないらしい。

私はそう判断した。


「さて、話は変わるが、今年は何が良いかな?」


結局、答えは教えてもらえず私のプレゼントの話へ移行した。


陛下は口元に笑みを浮かべ何でも言ってみろ、という雰囲気になっている。

小国の姫の希望などなんてたいしたことはないのだろう。

まぁ、陛下の力なら何でもできるはずだし。


私は小さく唇をなめ慎重に切り出した。




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