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そのキセキを忘れない  作者: 如月一
北東戦線防衛戦
9/10

吹雪の中で


 イスカ基地は自然の猛威の中にいた。

 絶え間なく殴りつけてくる猛吹雪のせいで目視は使えず、ただ手元の魔術レーダーのみが頼り。


「魔術障壁の濃度がちょうど半分に達しました。完全復旧まで残りおよそ4時間程度です」


 敵が機を伺いながら攻め込むのには十分すぎる時間だ。

 ガラス張りの司令室から見えるのはほんの数センチ先まで。


 ローデンクロウ指揮官も冷や汗を滲ませつつ来たるべき時を待つ。


 そしてついにその時がやってきた。


「エスト岬観測所より敵艦隊を探知、その数リットン級五、イージス級二の計七隻!」

「各エネルギー砲塔射撃種に通達、これよりイスカ基地は湾内での迎撃作戦を予定通り遂行する。最終防衛ラインの死守に努めよ!」


 順次イスカ基地の魔術探知レーダーにもその影が現れ始める。


「撃て!!」


 合図とともにエスト岬、シュヴィー岬に設置された合わせて42の魔術エネルギー砲塔が火を吹いた。

 吹雪の中でもそれがもたらした轟音は重く響く。


「命中報告入りました、48発中命中23、敵被害はリットン級二隻航行不能、他損害軽微!」

「続けて撃て!」


 第二撃も間をおかずに放たれる。

 その効果は先ほどとは比にならないほど、、、落ちていた。

 続く第三撃、第四撃に至っては一切の効果なし。

 加えて敵の反撃にあい42あった砲塔は半分以下にまで減っていた。


 このままでは最終防衛ラインを突破される。

 そうすれば敵の火力でも魔術障壁が破れるだろう。

 つまり北東戦線の崩壊だ。


 軽く悲鳴が聞こえそうな雰囲気も漂う司令室をローデンクロウが宥める。


「落ち着いて。こうなることはある程度想定内だったろ。無謀な突撃作戦で弾を散らしてくれるほど甘くはない、必ず何か敵も切り札があるってさ」


 加えて無線をとり軍内部にその声を伝える。


『慌てるな、こちらはまだ切り札がある。その持ち味が十全に発揮できるように、例のポイントまで引きつける。それが俺たちのやるべきことだろ』


 依然敵艦隊は侵攻の手を弱めない。


「指揮官、このまま行けばB104ポイントに到達する前に防衛装置が全て破壊される可能性が」

「予定を早め質量砲塔による支援を提言します」


 指揮官は短く頷く。


 そして質量砲塔による支援も加わった第五撃。

 しかしながらそれはやはり全くの効果を示さない。


 最も冷静さを保っていたローデンクロウ指揮官までもが声を荒げる。


「原因の究明を急いで!」

「了解」


 だがそんな猶予はもうない。


「……想定よりかなり早いが君らの力を借りるしかないようだ。すまない、よろしく頼む」



「うーん、流石にちょっと遠いわね。作戦変更、イグナイトはここに残って私を神権でサポート。テイラ川みたいに私が一人で突っ込み役やるわ」

「それはいいが魔力は全快してるんだろうな」

「本部で魔力カートリッジを5本割った私を信じなさいな」

「まぁいいが今回はちゃんと帰りの分の魔力を残しとくんだぞ」

「もちろんよ」


 二人の神権代理者はホワイトアウトした視界の先にあるだろう敵を伺いながら最後の身支度を整えた。



「最終防衛ラインまであと1100メートル!」


(頼むぞフェリー、イグナイト、、、)


 その時だった




 一閃




 目を疑うような白い光の矢が敵の艦首を貫いた。


 




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