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〜うつとの出会い編〜

うつとの出会いを簡素に書き連ねてみました。

簡単にサクサク読めるように書いてます。

ご一読いただけると幸いです。

―〇〇ちゃん(私の名前)は、ほんと底抜けに明るいよね―


そういわれ続けた25年間。

3年目の1年間。私は仕事が楽しく、毎日全力投球をしていた。本当に楽しくて。

でもきっと、この生活をしていたら、病気になるかもなぁ…くらいに思ってはいた。


そんな私がある日突然、ぷつんと糸が切れた音が聞こえた。

涙が止まらず、仕事に行けないと思った。すぐに精神科を受診した。


―うつ状態にありますね、1か月は休むように―


ぼろぼろになった私がすがるように向かった精神科で言われた言葉で覚えているのはそれだけだった。

上司に診断書を出すも、2週間だけ休職するよう言われた。

1か月休んで帰ってきたものはいないから。それが理由だった。


何も考えることができなくなっていた私は、そこからめきめきと悪くなっていった。

―数字が認識できない

―モノの値段がわからない

―人前でアドリブで話ができない

―電話を受けられない

―人込みに対する恐怖

―患者さんと話すことに対する恐怖


挙げればきりがないほど、症状は日に日に増えていった。

1が1と認識できず、128円という数字が1と2と8の組み合わせにしか見えず。

値段の認識が全くできなかった。

一人暮らしをしていた私は、買い物すら満足にできなくなり。

今までの貯金にものをいわせ、前回と同じものを買う戦法をとった。

そうでなければ、何を買っていいかもわからなかったから。


職場も混乱したと思う。今まで元気印として働いていた私が、ぼろぼろの姿で復帰したときは唖然とされた。

復帰に際して、たくさんの支援を受けた。できる仕事、できない仕事を振り分けてもらい、やれることだけをやる生活だった。


そんな生活が半年を過ぎたころ。当然不満が出た。

残業当然で、同じ給料をもらって働いているスタッフがいる中で、平然と帰る。

できることしかやらない。私が逆の立場なら、不満も言うだろうと思っていたから、仕方ないと思った。


でも何よりつらかったのは、「何もするな」と当時の上司から言われたことだった。

できることをしていかないと、働けなくなるのに。

できることを取り上げられたことが、何よりも悲しく、辛かった。

その日の夜は、人生初の過呼吸になった。


私の職場だけの話ではないかもしれないが、看護師業界のうつ病に対する意識はまだまだ低いと思う。

ほかの業界では、メンタルケアが推奨される中、看護師業界にはあまり浸透力が薄いと思う。


―甘えなんじゃないか


これはうつ業界の永遠のテーマだと私は思っている。

これはまた別の機会で話そうと思う。


そうして、紆余曲折。私はこの職場を辞めた。

正直、絶望もあったように思う。

病気への理解されない悲しさ。

患者さんへの理解をと叫ぶ中それかよという思いもあったかと思う。

そうして私は、さらなる絶望へと足を踏み入れることとなる。


これが、私のうつとの出会い。

今では仲良くなったけれど、当時は辛かった、というよりあまり記憶に残っていない部分も多い。

人間という生き物は、辛いことは忘れるんだなぁと実感するあまりである。


次回は、うつになった私が仕事を辞めていきついた先での出来事を書き留めようと思います。

また、読んでいただけたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うつ病には縁がありません。 だからこそ、読ませて頂きました。 知らない事を知れて良かったです。 [一言] 「好きに生きなさい。私は好きに生きる」 元婦長で生涯を看護に捧げた母の言葉。 …
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