表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

地上二階の校舎の窓から落ちましたが私は無事です

「ええー! 私死んでたの!? それに、今は12月って・・・。えー! アニメの話数とんで話の内容分からなくなっちゃったじゃん!」


 アリスにこれまでの状況を説明した。どうやらアリスは自分が死んでいたことに気が付いていなかったらしい。


「なるほど・・・。どおりで話しかけても無視されるし、机に花瓶も置かれるわけだ。いじめられてるのかと思ってたよ」


 アリスはポンとてのひらを拳でたたいた。ニコニコしながら言うその姿は、事故で死んだとは到底思えない。


「私、死んだときの記憶ないからなぁ。車が来てあぶない!っていうのまでは覚えてたんだけど・・・」


 即死だったから痛みとかもなかったのか。苦しまないで逝けたようでよかった。いや、全然良くはないんだけど。


「そうだ幸助! 私幽霊になったらやりたいことあったんだ!」


「お、何?」


 アリスはニコニコしながら言った。


「壁抜け! やっぱりこれをやらないと幽霊じゃないでしょ!壁抜けする様子取ったらトレンド入り間違いなしだね!」


 霊体だからそもそもカメラには映らないけどね。


「よし! いっくよー!」


 アリスは、生前と変わらない100m11秒代の快速で教室の端、窓側に向かって勢いよく駆け出した。


「とう!」


 アリスは壁にも負けず、勢いよく外に飛び出した!


「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 そして落ちた。


☆★


「うう。ひどい目にあった・・・」


 アリスはふらふらと教室に戻ってきた。


「幽霊だから空飛べるのかと思ってたよ」


「五点着地がなければ即死だった」


 ここぞとばかりのドヤ顔でアリスは言った。


「コ〇ンかよ。というか、五点着地なんてどこで覚えたんだ?」


「パパとママが昔教えてくれた」


「アリスのお父さんとお母さんすごいな・・・」


 アリスのお父さんとお母さんはどことなくおっかない雰囲気を持っているが、人格者でとてもいい人だ。前にお線香をあげに行った時も、とっておきの料理を僕にふるまってくれた。一番つらいのは二人だろうに、アリスを失った俺の心配をしてくれた。俺が泣いているときも優しい声で、「娘はこんなに愛されていて幸せ者だ」と言ってくれた。泣きたいのは二人のほうだろうに。


「そうだ! せっかくだし、(うち)にきてよ。幸助が来たらパパもママも喜ぶだろうし」


「そういえばここ1か月くらい行くってなかったな。アリスが見えるかどうかの確認も含めて行ってみるか」


「うん!」


 夕日がまぶしい外で日の光を胸いっぱいにあびて、俺たちは有住邸へと向かった。淡い期待や、不安を胸に。


 もちろん途中で顧問の安藤先生にばれて、部室に強制連行された。

 次回以降もう少し早く執筆できるよう頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ