消えゆく遊び場(桃花)
・・・うん?ここって確か公園だったよね・・・
学校の帰り道、いつも見慣れた公園が工事用シートで覆われている。
「彩音。ここ公園だったよね?」
今日は友達と2人で帰っている。
「うん。でも遊具も傷んでいたし、利用する人も少なかったからね」
そっか。でも見慣れた場所がなくなるのはさみしいな。
「それだけじゃねーよ」
後ろから来たタケルたちの男子グループが話に入ってきた
「七野、お前あの公園の張り紙見たか?」
はて?そんなの知らないな
「なんかあったの」
「この公園。自転車禁止、サッカー禁止なんだ」
「いや、それ公園じゃないじゃん」
それはもう公共の場とはいえないね
この公園に一体何があったんだ。
「だろ、なくなって正解なんだ」
「タケルたちはどこで遊んでんの?」
「家でゲームしたり、適当にその辺ぶらついたり」
「サッカーしたりとかは」
「学校は放課後グラウンド使えないし、公園はなくなったろ
団地の公園は他の奴が占領してるから休みの日にラウンドワン行くくらい」
「遊ぶ場所なくなってるんだね」
ま、私は家でゴロゴロしてるからいいけど
「仕方ねぇよ。家の中でできる球技があればいいけどな」
「卓球」
「家に入るか!!」
「おもちゃの小さい卓球台とかは?」
「それ座ってやるんだろ?つまんねぇーよ」
そうだねせめて体育館の半分くらいのスペースは欲しいよね。
「それにYouTubeとかスマホが普及して外で遊ぶやつも少なくなったんだ
いたとしても、他の地域のクラブに入ってたりとかな」
タケルたちも大変だね。
「このままじゃ体育会系は全滅だ」
おお、環境省のレッドデータに載せて頂こう!!
明日の新聞の見出しはこう。
消えた体育会系。絶滅危惧種に認定
そしたら保護するためにも公園の1つや2つ作ってもらえるよ
あわよくばアスレチックもできるかも。
ーー家について数時間後ーーー
「ただいま、あのさ通学路の公園なくなるんでしょ
なんになんの?」
市役所に勤めてるなら知ってるよね。公共の場だもん。
「何になるって公園は公園よ。ただの改修工事でしょ」
「改修工事?」
「ほら、遊具が痛んだりして危ないから新しいのにしてるの」
へぇー、そうなんだ。
「サッカーできる?」
「あそこ車の通り多いから無理ね。」
タケル、ドンマイ