王と魔王
「……ついにこの時が来たか」
赤きマントを羽織る王が口を開いた。
それに対峙するは黒きマントを羽織るツノの生えた大男―― 魔王。
「ほう、国王自らがお出ましとは……覚悟はできておるのだな?」
「愚問。お前を倒すために様々な犠牲を払ってきた…… 今こそ決着をつける時ぞ」
「ククク、今更泣いて逃げ帰っても遅いからな」
不敵な笑みを浮かべ笑う魔王に臆する事なく、王は歩みを進めて行く。
「いざ、尋常に―― 勝負ッ!」
そして赤マントを掴み、放り投げた。
小麦色に輝く勇ましい身体――王は裸であった。
それと同時に黒マントも宙を舞う。
鍛え抜かれた身体を露わにする魔王もまた――裸だった。
両者リラックスポーズで見合いつつ、ゆっくりと距離を詰める。
そして幾ばくかの睨み合いの後――
「フンッッ」
最初に仕掛けたのは王の方だった。
王は力強いサイド・チェストのポーズを魔王へと向ける!
「ほう……中々の筋肉ッ! まるで腕が大木の様だ……だがッ」
それに応じるかの様にダブル・フロント・バイセップスで応戦する魔王!
「クッ……なんて眩しさ! まるで大地に聳える山脈の様だ!」
「もう根を上げるか? 今ならドラゴンタクシーを呼んでやるぞ?」
「何をッ」
負けじとサイド・トライセップスで応戦する王!
「何ッ! なんと見事な上腕三頭筋……!」
「これが日々の公務を犠牲にして得た力ッ! まだまだ奥の手は残っているぞッ!」
「……フフフッ! 久々に血湧き肉躍る闘いが出来そうだわッ!」
そう言いながら魔王が繰り出すはフロント・ラット・スプレッド!
津波すら防ぐ防波堤の様な筋肉を見せつける!
負けじと王もアブドミナル・アンド・サイで応戦ッ!
暴風にも打ち勝つ巨木の様な肉体を見せつける!
その後もモスト・マスキュラー、バック・ダブル・バイセップス、両者の最も得意とするポーズ――
兵士や魔物たちの外野も巻き込み、闘いは三日三晩と続き、両者が力尽きた所で闘いは終わった
誰かは言った。
「普通に戦えばよくない?」と
何故か続きました↓
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