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【書き直し中】好きな子を追いかけたら、着いたのは異世界でした。  作者: 縁側の主
一部 二章 森を護りし一族と亜人の勇者
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SS ハロウィンは昨日じゃなかったですか?

家のシマじゃ。ハロウィンは今日だから本場の時間だから。(震え声)


と言う事でハロウィンネタです。

本編と関係ありませんので飛ばしていただいても問題ありません。


ちなみにタイトルは、投稿時間からリアルタイムを指しています。ただの自虐ネタです。

 

 目が覚めると儀式の時に行ったあの白い空間へと来ていた。

 合っていればあいつが居るはずだ。



 "やぁ。いらっしゃい。"



 ほら出た。



 "出たって…。相変わらず失礼だね。"



 仕方ないだろう前回ここに呼ばれた時はいいことが無かったんだから。



 ♪〜



 おい。誤魔化すな。



 "おかしいな君が有利になるように用意したんだよ。"



 色々、大変だったぞ。



 "見てたから大体は知ってる。"



 ・・・で、今回は何だ?



 "え?"



 え?って、何のために呼んだんだよ。



 "あぁ。せっかくだからね。君の記憶にあったお祭りを祝おうかと思ってね。"



 お祭り? この時期あったっけ?



 "あれ? 皆変な格好して街を徘徊するお祭りだよ。"



 あぁ。ハロウィンね。あれ、お祭りじゃないんだけど。



 "こまけぇ事は良いんだよ。話が進まないだろ。"



 アッハイ。



 "で、こっちでもやってみようかなって事。トリック・オア・トリートだっけ?"



 ふーん。良いんじゃない。



 "君。実行委員だから。僕にハロウィンを見せるね。"



 は?



 "じゃ。ヨロシク ノシ"





 ・・・



 ガバッ。



 布団を蹴飛ばす。

 先程見た嫌な夢のせいで布団はぐっしょりと濡れていた。



「嫌な夢を見たな・・・。」



 久しぶりにあの白い空間に行った夢を見た。

 内容はハロウィンの実行委員の丸投げだった。



 外を見ると快晴で今日も1日気持ちのいい日が過ごせそうな感じがあった。



「一生君。そろそろ、起きてください。学校の時間に遅れますよ。」

「わかってるよ。アリシャ姉さん。」



 アリシャ姉さんは俺の従姉妹だ。

 外国で暮らしていたのだが日本文化に興味があったらしく大学はこっちの大学に留学してきた。

 で、両親が海外へ行っている間俺のお目付け役兼しっかりした食事係として一緒に住んでいる。



「もう。早く起きないとみんな来ちゃうわよ。」

「な、何で部屋に入って来るの!?」



 それだけではない。

 何故か毎朝、俺の部屋に入って来るのだ。



「そりゃーねぇ。」



 視線が↑から↓に下ってくる。

 男の子の朝は色々大変だから見ないで。

 前を隠しながら部屋から追い出し制服を着る。



 いつも通りの一連の流れなのだが今は妙に懐かしく感じた。



「「一生クーン。」」



 玄関先で声が聞こえてきた。



「ヤバッ。」



 マッハより早い速度で服を着替えると、カバンを持って玄関へと向かう。

 このままじゃ遅刻だ!!



「待って一生君。お弁当とおにぎりだけは持っていきなさい。」

「アヒハホ。へえはん。(ありがとう姉さん。)」

「今日はハロウィン行くんでしょ?」

「あほへへんはくふふ。(あとで連絡する。)」



 手を振るアリシャ姉さんに笑顔を返し急いで玄関を出る。

 玄関の外にはボブカットが可憐な幼馴染のソフィアと少しお転婆な女の子のエリーピコピコとトレードマークのポニーテールを揺らして待っていた。



「ちょっと。遅いんですけど。」

「そんなのこと無いよ。エリーがせっかちなだけだよ。いつも通りだよ。」

「ソフィー。それが遅いって意味なんだけど…。」

「ごめんごめん。いつも待たせて悪い。しかし、ソフィーは今日もかわいいな。」

「はぅ…。」



 目の前にいるソフィー(ソフィア)の頭を撫でる。

 彼女は顔を真っ赤にしてうつ向いてしまい俺にずっと頭を預けたままだった。



「朝から見せつけてくれんじゃないの。」

「エリー、来るか?」

「ばっかじゃないの!!」



 怒ったエリーにお誘いをしたら2倍になって帰ってきた。

 顔を真っ赤にして。



 こいつ人前だと恥ずかしがるんだよな〜。



「今日はハロウィンだな。」

「えぇ。今年はリベンジよ。昨年は惜しい所まで行ったから今年は優勝を狙う。」



 エリーの力強い拳が天高く突き上げられる。

 ごめん。俺はそこまで熱くなれない。



 この街のハロウィンは特殊だ。

 仮装と称しながらも毎年お題が出されるのだ。

 その中でより雰囲気の出ている参加者に優勝が贈られるのだが、その商品も優勝者しか知らない。



 因みに今年のお題は『ハイファンタジー』なんだと。



 ビックリなんだか、そうじゃないんだか。よく分からない仕様だ。



 ま、今はとにかく今は学校だ。

 電車で二駅の近い学校だがそこそこの有名進学校それが俺達の通う学校だった。

 世界的に有名な賞ををお持ちの方がたくさん卒業生にいる超有名高校で海外から留学してくる人もいる。

 俺も将来は海外に出て色んな歴史的文学を学んで行きたい。俺は考古学者を目指しているのだ。





 ・・・



 駅を降りると悪友夫が待っていた。



「よう。お三方今日もお熱いね。」

「本当。見ててあんた達三人だけ常夏だわ。」

「おはよう。一也と恵さん。」

「一生君。もうちょっと何かリアクションあるでしょ?」



 とまぁ、何でか分からないけど妙に絡んでくる悪友達だ。

 悪い奴らじゃ無いんだけどね。



「恵。今日ハロウィンよ行くんでしょ?」

「ふふふっ。よく聞いてくれました。今年は頑張ったよ。一也とバッチリ決めてやるの。」



 フフフッと黒い笑みを浮かべ続ける恵ちゃんを俺達4人は生暖かい目で見守る。



「アリシャさんは来るのか?」

「おう。ノリノリだったぜ。」

「そうか。そうか。楽しんでくれると良いな。そう言えばソフィアちゃんは今日はいつになく大人しいな。」

「はぇ!?そ、そ、そ、そんなこと無いよ。」



 手をワチャワチャと振るソフィア。

 顔が赤いし確かに大人しい。



「どうした? 熱でもあるのか。」



 ソフィアのおでこにそっと手を添えるとソフィアは固まってしまった。



「……ぁぅ。」

「ちょっと、一生。ソフィーは今日のハロウィンの格好で照れてるのよ。」

「なるほどな。期待していいって事か?」

「ふっふん。あまりの凄さに皆気絶するかもね。」



 思わず生唾を呑んでしまう。

 凄いって、あれがこうしてこうなっちゃうのかな(?)



 思わず想像してしまった。

 小がらだけど結構な体付きのソフィアと肉付きが薄いけどスレンダーなエリー。今年は、アリシャ姉さんも追加されるんだから期待しないほうが嘘だよね。



 俺は浮かれ気分のまま学校へと向かった。





 ・・・



 放課後。

 学校内はハロウィンの話題で持ちきりだった。

 何を着るだの、誰と行くだの。男女そんなに差異の無い話題で盛り上がっていた。

 女子連中は着替え終わったら合流するらしいので、男子組はアリシャ姉さんに合流して待つ算段になっていた。

 一也の格好は冒険者だった。



「さて、駅に行きますか。」

「そうだな。アリシャさんに早く会わないと。」

「お前。恵ちゃんに刺されんなよ。」

「安心しろ見るだけならタダだ。」

「しかし、キマってるなその格好。」

「だろ。あいつなんだか夜頑張ってくれてたみたいなんだよ。凄く感謝しているよ。」



 麻の服に降るプレートっぽい装備はいかにもベテラン冒険者だった。



 等と年相応な会話しつつ駅へと向かう。

 程なく駅につくと一角に人だかりが出来ている。



「あれ? アイドルでも来てんのか?」



 一也がそう言うのはやけにカメラをカシャカシャと撮っている人が多かったからだ。

 ハロウィンが始まってもいないのに妙な熱を帯びていた。



 俺はあまり興味が無かったので直ぐにケータイを鳴らす。

 呼出音が聞こえてきて姉さんが近くにいる事は理解できたが、姿が見えない。

『仮装してくるから一発だよ。』なんて言ってたが、何処にも見当たらなかった。



「あれ〜? おかしいな?」

「おい。一生!!」



 一也の声で振り向くとカメラのフラッシュを浴びまくっているアリシャ姉さんがいた。



「うわーん。一生君。遅いよ。」



 全身をメイド姿でバッチリ(?)決めているアリシャ姉さん。

 完璧なメイドだ。その姿に一切の妥協のスキはない。



『ご主人様は私がお世話する!!』そう言われてみたい。

 それまでに彼女の仮装は完璧だった。



「アリシャ姉さん。おまたせしちゃって、ごめん。」

「ううん。ちょっとビックリしただけだよ。急に囲まれて写真を取られたから何事かと思った。」

「おい。わざとじゃないと思うけど、それはやりすぎだと思うんだ…。」



「うわぁ。ご、ごめん。」



 いつの間にか抱きしめていた。



「別に良いよ。一生君なら。」



 アリシャ姉さんがモジモジしていた。

 俺も直ぐに離したが心臓はまだドキドキしていた。

 俺達が離れたタイミングを見計らってソフィアとエリーと恵ちゃんがやってきた。



「ごめーん。 待った?」



 3人は既に仮装を終えていた。



 恵ちゃんは一也と同じ冒険者。

 ソフィアとエリーは、白と黒の対のお姫様か。

 やっぱりソフィアが白だよなぁ。

 しかし、俺がアリシャ姉さんに抱きついていた姿は見られなかったようだ。



 俺は救われた。神様。感謝します。



「うわぁー。何その衣装ハマりすぎ。」



 エリーはアリシャ姉さんをお見てオドロキの声をあげた。



「うっ。確かに凄いメイドですね。」

「これは盲点だったわ。みんなアレンジで可愛くするからオリジナルのメイドって居ないのよね。破壊力より原点回帰って感じがするわね。」



 皆がアリシャ姉さんを褒めちぎっていた。

 銀髪でタレ目に泣きぼくろ。ファンタジーっぽくて包容力ありそうな顔をしているからオリジナルのメイド服がはえるはえる。



 ハロウィンが始まる直前までアリシャ姉さんの写真撮影を頼んで来る人が後を絶たなかった。





 パレードも無事終わり充実した1日。

 最後は決まって仮装した子供たちが各参加者に



『トリック・オア・トリート』



 と言って回ってくるのが恒例だ。

 そこでお菓子を差し出してあげれば良いのだが、中には忘れてくる人もいる。

 そういう人は子どもたちの洗礼を受ける。



「なんだ。お菓子も持ってきてねーのかよ。しけた大人だな。」

「ガキだと思ってバカにすんなよな。」

「お前。金持ちのドラ息子じゃねーか。趣向品には金かけて、慈善事業は金かけねーってのか? ドケチ。」



 と、こんなふうにイタズラより辛いお仕置きが待っている。

 この時ばかりは他の大人も下を向くばかりである。



 ウチは全員分用意していたので事なきを得た。

 ただ、さっき金持ちの息子にさんざん文句を言った子供たちがアリシャ姉さんに満面の笑みで



『ありがとう綺麗なオネーサン。』



 と言っていたときは流石に顔が引きつっていた。



 何はともあれ時間は経つもので、いつの間にか終わりの時間が近づいていた。



「今年も無事に終わったなー。」



 伸びをして楽しんだハロウィンを思い返していたが、



「まだ。これからよ!!」



 血走った目をしたエリーがそこに居た。

 確か最後に優勝をかけたグランプリの発表があるんだっけ。



 特設ステージの横断が外されるとMCの2人が元気よく進行し始めた。



「さぁ。ルルコクン。今年も終わりが近づいてきたハロウィンですが最後の花火の準備をしましょうか?」

「はい。ギルさん。本イベントのメーンとも言えるグランプリ発表ですね。因みに私はリリコですよ。」

「ははは。ナナコクン気にしない気にしない。では、言ってみましょう。」

「テメェ。ワザと言ってんだろ!? では、第十位です。」



 今年のMCは輩臭が凄いな。



 とまぁ、こんな感じでランキング発表され第3位まで進んできた。



「ドキドキするね。」



 今のところ。一也と恵ちゃんペアもエリーもソフィアもアリシャ姉さんも呼ばれていない。

 クオリティーは高いはずなので問題は無さそうなのだが、まさか本当にグランプリでも取れるのだろうか。



 そう考えると期待せざるを得なかった。



「第3位は……。」



 きた。

 ドラムロールが流れてきて場を盛り上げる。



 ージャン。



「一也と恵の愛の冒険日記 さんです。」



 おぉー。3位だ。一也と恵ちゃんは。

 ダサいネーミングだったけど取り敢えずおめでとう。

 ステージに上がった2人は何やらとりとめのない挨拶をして帰ってきた。

 悔しそうな恵ちゃんを一也が慰めていてあいつらこの後を2時間くらい休憩しに行くだろうなって感じだった。



「続いて第2位。」



 おっ。続きが始まった。

 ドルドルドル……。ジャン。



「ソフィーとエリーの双子のお姫様 さんです。」



 2人の名前を呼ばれた瞬間、会場は熱気と声援で包まれ恥ずかしそうにステージに上がっていった。



 控えめにコメントするソフィアと悔しさをストレートに表現するエリー。

 またも対極の2人が場を温めていた。



「お疲れ様。」

「悔しいよ。イッセイ。」



 エグエグと嗚咽を鳴らして泣くエリー。

 本当に頑張っていたもんな。

 頭を撫でて抱き寄せるとエリーは俺の胸にピタリとくっついてしまった。

 ソフィアも寂しそうな顔をしているので手を出すと腕を絡めてきた。



 ちっ。



 そこら辺から舌打ちが聞こえてきた。

 そんなに変な事してないよな。



 それより、一位は誰だ?



「会場も熱気やら何やらで騒然として来ましたね。ロロッカさん。」

「最早他人じゃねーか。さっさと1位発表しねーからだろ。」

「さて、残す所は後一つ。栄光のグランプリは誰の手に」

「おい。無視すんな!!」



 ドルドル……。



 正直、エリーとソフィアの順位が決まってしまえば後はどうでも良かったんだけどな。帰ろうかと思ったがその前に発表された。



 ジャン。



「ご主人様。お慕いしております。 さんでーす。」



 ん? 誰だそれ。名前を言えよ。



「それ。私です。」



 手を挙げたのはアリシャ姉さんだった。



 えぇー!?



 俺達が驚いたのは言うまでもない。

 しかも、壇上に上がる際何故か俺も連れて行かれた。



「はい。今回のグランプリ受賞者ですが参加はこちらからお願いした珍しいケースのご参加だったんですよね。」

「そうなんです。カメラ部門のグランプリで優勝した一枚の写真で運営が参加を希望したのです。」

「ご本人様に確認取りましたところ。ペアならOKとの事でしたのでこちらとしても問題ナッシングだった訳ですね。」



 写真? ペア? ん? 

 よく分からんって顔をしていたら、一也がニヤついていた。



「では、カメラ部門のグランプリ写真から。スクリーンをご覧ください。」



 バッ。



 映し出された写真は、俺とアリシャ姉さんが抱き合っている写真だった。

 構図もよく出来ていて、アリシャ姉さんを後から追いかけてくるカメラ小僧達が敵に見えてくるから抱きしめ合っている2人が更に強調されていた。



 これは、マズいだろ。

 冷や汗が背中を流れると同時に俺を掴んでいたソフィアとエリーの手が離れた。





「あのー。ソフィアさん?」



 無視。



「エリーさん。」



 無視。



「さっ、一生君。行きましょう。」



 引きづられて離れていく2人を見るとうつ向いてわなわなと震えていた。



 あぁ。終わったなー。

 本能でそう察した。





 ステージに上がり。マイクを向けられても何を言われたのか、何を言ったのか覚えていない。



 気がつくと優勝商品贈呈の場になっていて、金色の封筒が渡された。



「では、商品開封です。」



 言われるがまま封筒を開封する。

 すると中から紙が一枚出てきた。



【いい夢見れた? ハッピーハロウィン。】



 その紙を見た瞬間に目の前が明るく輝いた。

 光に完全に呑み込まれると意識は次第に薄れていった。







 ・・・





 目が覚めると辺りは薄暗かった。



「なんだ。まだ、交代の時間じゃないぞ。」



 髭面のクマみたいなおじさんが屈強な顔を覗かせていた。

 レオ叔父さんだ。



「いや。夢を見て覚めたところです。」

「そうか、いい夢だったか?」

「はい。まさに夢でしたね。都合が良すぎました。」

「まぁ。明日からエルフの里付近に入るからな、妖精が夢を見せてくれたのかもな。」

「そう。ですね。」



 鏡が夢に出てこなかったのが気になるが、まぁいいか。

 再会した時、その時は鏡と一緒にハロウィンをしよう。



 イッセイは心に誓った。


いきあたりばったりで書いた結果がこれだよ。

ハロウィン当日に間に合わなかったorz


お蔵入りするのも何でしたので1日遅れの投稿でした。


HAPPY HALLOWEEN。

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