絶体絶命
絶体絶命、転生初日でこれである。
もっとテンプレな展開を期待してたのに、どうしてこうなった・・・
どうせ居場所はばれてるんだから、やつらが近づいて来る前に殺るしかない。殺れるのかは謎だが一か八か
真ん中にいる奴に狙いをつけ・・・放つ!
バシッ!・・・矢が当たる前に鉈で斬られ防がれ、さらに周りの四人が弓矢を構えていた
「マジかよ!ハイゴブリン強すぎだろ!」
いや、俺が弱いのか!初日で勝てるわけなかった・・・
奴らの放った矢が左右両手足に突き刺さる
「くっそ!痛すぎるだろう・・・」
もう殺されたも同然のダメージ・・・血も無限ではない
意識が朦朧とするなかで声が聞こえてきた
『早く使わないと死んでしまうわよ』
女神様?の声が聞こえてきた、使うって何を・・・
『あなた自分の能力、確認してないのかしら』
あ・・・
『馬鹿なのかしら?ここはあなたの元いた世界とは全く違う異世界なのよ?弱肉強食とはまさにこの世界のことね』
今、まさに実感してます・・・
女神様?が突然思い出したように笑顔になり言った
『私がチュートリアルをしてあげます!体で覚えなさい』
え・・・怖いくらいの笑顔だ、最初からこれが目当てだったのではと疑いたくなるほど
目を開けると仰向けにされてハイゴブリン4人が両手足を切断しようと鉈を振り上げているところだった
マジかよ!今度こそ死ぬ!
あれ?からだが勝手に・・・女神様が俺を動かしてるのか
「『ストーンスピア』」
ハイゴブリン達の下から石の槍が突き出てくるが
普通にかわされる・・・かわすんだ!てか普通に魔法使ってる!覚えてたんかい!
俺は刺さっていた矢を抜き・・・抜くんだ!
「『パーフェクトヒール』」
何事も無かったかのように傷が無くなっていた
回復魔法も覚えてた!
「ナニモノダ?」
後ろの方で見ていたハイゴブリンがいった
「『答える必要を感じない』」
「マサカ、ユウシャか?」
「『それはない』」
こんな間抜けな勇者いたら笑っちまうよ!
「殺スコトニハカワリナイ、ヤレ!」
「『いらっしゃいな』」
こうして女神様?によるチュートリアルというお楽しみが始まった