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紅愛がパチパチと手を叩き、立ち上がった。


「3人とも見事だわ。いい連携ね」

「すごいな」

「希一、次はあなたも参加して。彼らの動き、参考になったでしょ」

「……あぁ」


希一も立ち上がり、湊たちの元へ歩み寄る。


「……希一、足だけは引っ張んなよ。悪い点はフィードバックしてやる」

「そうだな。頼むぜ」

「よし、じゃあ魔人が出たらまず俺が先制を……っ!」


湊の言葉をスルーし、希一はさらに1歩前に出てへーラーを呼び出した。


「おい、希一お前」

「まずは俺1人にやらせてくれ。……そして、見ててくれよ」

「!」


皆が一様に目を見開く。だが、彼の目は真剣だった。


そして、チラリと紅愛を見やる。


「(!……あいつ、またあの顔を)」


以前にも見た、彼女の今にも泣きそうな表情を彼は見逃さなかった。


だが、見られていることに気づいた彼女はハッと目を見開くと、わざとらしくため息をついて再び椅子に座り足を組む


「仕方ないわ。……フェリアス。やってちょうだい。1体で」

「4体だ」

「っ!希一、あなたなにいってるの」

「いいからやらせてくれ、4体だ。……12体ある神器のうちの何体もが魔人側に渡り、今まさに人間界を侵食してるんだろ。なら、ちんたらやってる暇はねぇ」


強い口調でそう言うと、彼はへーラーを握る手に力を込めた。


「……フェリアス、4体よ」

「ふっ。わかった」


紅愛の指示に不敵な笑みを浮かべながら頷くフェリアスは、ダミー魔人発生器から4つの光を放った。


「……こいよ」


先ほどと同じように前2体後ろ2体で一斉に襲いかかる魔人を前に、希一は一歩も動かず。


「分閃」


へーラーを振りかぶると、刀身からいくつもの光線を放った。


光線は避けた2体を除く前2体に当たり、希一はすかさず前に飛び出す。


「希望の灯、ティ・ファーレ!」


彼が右掌をかざしそう叫ぶと、火の玉が現れ拡散し、前の2体をまず直撃。

さらに避けて移動していた後ろの2体の顔をも攻撃した。


前の2体は、もくもくと発生する煙に塗れてチリとなって消えた。


「スカイ・ジャッカー」


煙に包まれ視界不良のなか、希一がそう詠唱すると、背中の翼を羽ばたかせ空中へ飛び上がった。


「あいつ、飛んでる……!」

「すごっ……希一」


湊と薙沙が驚嘆の声をあげる。

紅愛はただ黙って目を見開いた。


空中へ飛び上がった希一は、煙の中で魔人の影を捉えると、へーラーを目標に向け突き立て。


「……一閃」


刀身に光を集め、巨大な光線を放った。


地面が破壊される轟音が響き、希一は翼を羽ばたかせゆっくりと地に降り立った。


へーラーを消すと、翼は消え瞳も元に戻った。


「ねね、今の希一の攻撃……」

「あぁ俺たち3人の」

「全ての攻撃を、再現してた」


薙沙ら3人は口をあんぐりさせ、それぞれ呟いた。


「……どうだ」


一息ついて、コツコツと希一は歩く。その方向は、椅子に座る紅愛である。

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