表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌われ家庭教師のチート魔術講座 ~ 前日譚 ~  作者: 延野正行
メゾン・ド・セレマの住人たち
PR
13/13

おまけ

 メゾン・ド・セレマから焼け出され、さらに待避場所の公民館も追い出されたおれは、あてどなく【ノア】を彷徨った。


 なに? 仕事を探せ?


 ハロワ?


 ぷぷ……。何それおいしいの?


 だいたいおれはちまちました仕事なんて性に合わない。

 やるなら、ノーリスクハイリターンだ。


 見てろよ、あいつら! 絶対ビッグになって、アパートの1つや2つポケットマネーで買えるぐらいの金持ちになってやるからな。


 すでにそのための秘策はおれのポケットの中に入っている。

 あとはどうやって実行に移すかだ。


 しかし、その前に深刻な問題があった。


 ぐぎゅるるるるぐあごごごごごごご……。


 腹の虫は激しく唸り声を上げた。


「腹減った……」


 公園のベンチで寝そべっていたおれは、空を見上げた。


 流れていく魔法陣が、ドーナツに見えた。

 いよいよ、おれもヤバいらしい。


 しかも、暑い。


 今すぐ文明の利器(クーラー)の恩恵を受けるか、魔術によって氷漬けになりたい気分だった。


 ふと、そんなおれに影が覆い被さる。


「こんなところにいたのか、カルマ。……ニャン」


 女性の声はやたらと威厳めいているのに、可愛らしい語尾によってすべてが台無しになっていた。


 黒髪に、巫女装束。やたらとキツい眼光をおれに向けている。

 しかし何故かその頭には、猫耳がついたカチューシャが乗っかっていた。


「なんだよ。理音かよ。金ならないぞ」

「そんなことは見ればわかる。……ニャン」

「じゃあ、なんだよ。部屋まで追い出されたおれを笑いに来たのか?」

「それもあるが……。元部下に、飯でもおごってやろうかと思ってな。ニャン」

「ああ。そうかよ。それは…………ご……苦………………ろう……」


 はあ?


「マジか!」


 おれは撥ね起きた。


 反応に驚きながら、理音はこほんと咳払いをする。


「何が食べたい?」

「じゃあ、アレ!」


 おれは指さす。


 公園のすぐ外にあるファミレスだった。


「あれでいいのか?」

「おうよ」

「そ、そうか」


(てっきり、高級寿司とかステーキとかねだられると思ったが……)


 何故か、理音は頭を抱えている。


「行こうぜ! 理音!」

「わかったわかった」


 我ながら、子供みたいにはしゃぎながら、歩いていく。


 後で振り返ってみて思ったが……。


 理音が無償で奢ってくれるなんて、あり得ない話だった。


 けれど、まあ……。



 それはまた……。別の話――――。



                             【 了 】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ