つまらない恋の話。
おはこんにちばんは、黒ノ和ノ猫です。
フリガナがスゴい事になってるのは目を瞑ってやってください。
基本ノリで書いてます。とゆうか初作品です。
理不尽でないご指摘、ご注意はとても助かりますので、是非どんどん叩いてください←
それでは、どぞ
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「ふぁ。。。よく寝たー。。。」
開いた窓から吹いてくる少し寒い秋の風、
それを顔に感じて不快感と共に目をさます俺。
俺の名前は阿久津 柳、
名前の柳、てのは、俺が産まれた病院の庭に、
すげぇデカい柳の木があって、
その木のようになってほしいから、つけたそうだ。
その願いのおかげかどうかはしらないが、
身長だけは185cmと、3年の中でもトップクラスの身長ではある。
ついでに言うと、成績は下のトップぶっちぎりだ、ぜひ追い抜いてほしい。
顔は普通、ビックリするほどイケメンじゃねぇけど、
ブサイク、と言われるほど汚くもない、普通の顔、
しいて言うなら、昔あった出来事のせいでできた、
右頬にある大きな古傷が目立つぐらいかな。
そんな俺が目をさましたのは放課後の教室。
太陽がおちてきて夕日に変わり始めたぐらいの時間帯。
飯食って、ねみー、と思ってたら5限目から寝ちまったらしい。
ったく、教師、授業はともかく、帰りのHRぐらい起こせよ、、、
とか思っていると、後ろから目線を感じた。
んまぁ、もう慣れてるから誰だか分かってんだけどさ、、、
寝起きの億劫な体を机から起こして、体を伸ばしながらくるりと後ろを向く。
そこには、微笑んだ天使がいた。
天使、と言い変えて構わない程の造形美を持つ顔。
アイロンの使いすぎで色が変わった、と嘘をつき、
ほんの少し染めている胸辺りまでの茶髪。
決して豊満、とは言えないが、
慎ましさの中で、主張を忘れない健康的な身体。
派手すぎず地味すぎず、
校則に触れない程度に工夫された制服。
まず間違いなく美人、と言われるヤツだ、
俺を見て微笑んでいる表情は、
まるで恋している乙女のような表情で、
まさか、俺に恋してるんじゃないのだろーか?
なんて勘違いの1つでもしたくなるものだが、、、
「柳のほっぺ、、、
真っ赤なまんじゅうみたいね!美味しそっ☆」
残念、そんな事は断じてない。
コイツの名前は羽田 心優、
心が優しい、と書いて心優だ。
コイツは基本食い物の事しか考えてない、
高3女子のクセに、恋愛の、れ、の字もないようなヤツだ、
『れ?れんこん!?煮物にするといいよねっ☆』
ぐらい言いそうな食物LOVEなやつ。
そんでもって、俺の幼馴染み。
俺の初恋の人。
「。。。今日は平気なのか?」
「っ。うん。平気だよ。行こっ。」
ーーー
さて、回想に付き合ってもらおうか。
俺達が出会ったのは、物心つく前、
とゆーか、産まれた直後からだったらしい。
なんでも、分娩室に俺の母親が入っていき、死闘を繰り広げてる間、
父親もずっと不安を圧し殺しながら待っていて、
そんな時に陽気に
『大丈夫!家の子もさっき産まれたんだ!
ずっと心配してたけど、赤ちゃんも妻も問題なくて、
思わず嬉し涙がでちまったよ(笑)
あんたんトコもきっと大丈夫だ!
父親が泣いてたら示しがつかねーぞ!!!』
と渇を入れてくれたのが心優の父親だったらしい。
この1時間後に俺が産まれたわけだが、
俺の父親はともかく、心優の父親まで感動して泣き出してたらしい。
示し、どこいったんだよ。(笑)
そんなこんなで偶然にも同じ日の同じ病院でお互い出産をすませ、
父親通しが謎の友情を育んだため、
それからはよく言う家族ぐるみの付き合いになっていった。
ーーー
フライパンの上の肉汁がジュージューと弾け、
いい具合に火の通ったハンバーグからは食欲を煽る匂いが鼻をくすぐる。
心優に起こされた(?)後、お腹すいた!と心優の喚きが始まる前に早く飯を作ろう、と思い、さきほどやっと家についた、
やっと、と使うのは、それなりに苦労があったからで、、、
いや、具体的にはただの寄り道なのだが、、、
「ハンバーガー食べたい!マック寄ろっ!」
「ん、」
「甘いの食べたい!ローソン寄ろっ!」
「ん、」
「甘い物の次は、、、」
と、心優の胃袋は直接マントルにでも繋がってるのではないか?と思う程に底無しなので、少々無理矢理にでも引っ張ってこないと恐らく一生家に着かないのだ。
あれから焼き鳥、スナック菓子、アイスクリーム、と続き、最後の牛肉コロッケが食べれなかったのを怒っているのか心優はさきほどから一言も口にしない、まぁ、一様想い人ではあるので、こうふてくされてる所を見ると罪悪感もわかなくもないが、食い物与えればすぐ機嫌を直すので、気にしないように努力をしよう。
などと思いながらハンバーグに箸を刺し、出てくる肉汁の色を確認していると、不意に後ろから手が伸びてきて、俺の目線をその手で遮った。いわゆるだ~れだ?てやつだ、
まったく、怒りより空腹の方が勝ったのか、、、
若干の照れ隠しも込め、少しぶっきらぼうに(普段からそうだが)接してみる。
「。。。
あのなぁ、心優、料理してる時だけはちょっかい出すなって。。。」
「ガッハッハッハ!
心優ではない!お~れだ!」
「。。。」
心優だと思って振り向くと、そこに居たのは、、、
髭は生やし放題、髪はボサボサ、シワだらけのスーツに曲がったネクタイのダメな父親を体現しているようなていの我が父親だった。
「。。。。。ドス」
「うっ!?」
とりあえず腹パン1発ですませてやった。
「まさか。。。
息子に軽いスキンシップして、
一発もらう日が来るとは思わなかったよ。。。」
「安心しろ、顔は狙わない、目立つからな、」
「なにその加害者思想っ!!?」
このままだと終わりそうもなく、面倒なので、
心の中で大きく溜め息をつき、真面目な話をなげかけてみる。
「今日は帰ってこれたんだ?」
「ん~?んー、まぁな、
夕飯つついたらまた出なきゃなんねーんだけどな、」
「そか、今度はどこ?」
「あそこだよ、商店前の道路の整備員、
中々時給いいんだぜ?ヤロー達も悪くねーしな!」
「そか」
家の父親は俗に言うフリーター、てやつだ、
いくつかの仕事を掛け持ちして、それなりに稼いでくれている。
一様就活もしてはいるんだが、中々独創的なうちの父親は、非正規なら面白半分で雇うが、正規で雇いたくはない人材のようだ。
まぁ、中卒のぐーたら中年オッサンには、誰も興味もたない、というのもあるんだろうが、
母親は既にいない、父子家庭、てやつだ。
俺が小学生低学年の時、買い物に行く道中で、車がスリップして、歩道に居た母親の所につっこんだらしい、即死だった、とも聞いた、泣き喚いたりなんなり、て事はなかったらしい、今思い出すと自分の事ながら、中々薄情だな、と思う。実の母親が死んだのに、涙の一滴も流さなかったのだから、
ーーー
いい具合(を少し通りすぎたが)に火が通ったハンバーグを皿に移す、
父親がその時いてもいなくても、おかずは一人分多くつくるので、ハンバーグが足りない、なんて事はない。
出来上がった料理をテーブルの上に置くと、食前のサラダが3人前全部食されていた。間違いなく心優だ。
「心優、サラダ食ったか?」
「。。。フンッ」
「。。。サラダ、食ったろ?」
「。。。。。フンッ」
「。。。。。サラダ、食いやがりましたでしょうか?」
「。。。。。。。。。プンッ!」
「よし、ハンバーグ無し、」
「私が食べましたぁぁぁぁぁ!!!!」
光速を超えるスピードの態度の変えようだった。
まぁ、俺が長く待たせたのも悪いし、軽く注意するぐらいにして、白飯をよそって食卓を整える。
一段落してから、俺はハンバーグに箸を入れる。半分に切って小皿に移し、隣の部屋の仏壇に備える、母親の仏壇だ。どこにでもあるような茶色い小さい仏壇、母親の顔写真の前に小皿を置いて、元の部屋へと戻る。
「さて、いただこーか!心優ちゃん!」
「うん!!!待ちすぎてお腹すいちゃったよ!パパさん!」
「お前は食ってたろ。」
「\(◎o◎)/」
「変顔でごまかすな。」
「おぉ!!!心優ちゃん面白いwww」
「でしょでしょー?\(◎o◎)/」
「。。。遊んでるならハンバーグもら「すんませんでしたぁぁぁ!!!」
「。。。うるさい。」
そんなこんなで俺らの食卓が過ぎていく。
ーーー