君が教えてくれたこと
君が教えてくれたのは
数学だけじゃなかったよ
ルートとか三角数とか
日常的に使えないものじゃなくてさ
言葉を交わすこと
君との会話で初めて
その楽しさを知ったんだ
僕が贈ったおはように
お返しがあったとき
胸の奥の奥で明かりが灯った
まだ蛍みたいに
仄かな光だったけれど
変わったのはこのときだ
思いっきり笑うこと
何気ない日々の幸せに
涙が出るほど笑う君は
愛しくなるほど
やさしい花だった
拙い僕の言葉でも
頷きながら聞く君は
きっと当たり前なんかじゃなくて
大切な人だ
大切な人にしようって
君は僕の太陽になった
暖かい太陽は
僕とは遠かった
手を伸ばしても届かないのだと
ずっとあとに知った
君が笑うたびに
少しずつ怖くなってゆく
この光を
このあたたかさを
失った日にはどうしよう
太陽が明るく笑うだけ
僕の影は薄くなって
誰にも気づかれず踏まれてしまう
「太陽が眩しいほど、影も強くなるんだよ」
太陽が高く昇るにつれて
背後に映る影も際立ってゆく
晴れの日の影は
決して脇役じゃない
主役のひとりなのだ
君がそう教えてくれた
そっか
だから君が笑うたび
僕の心があたたかくなるんだ
君が幸せそうに声を上げるほど
僕も嬉しくなるんだ
君が教えてくれたこと
それはきっと
この胸に募る幸福と
目を閉じれば映る君の微笑み
ご覧いただきありがとうございました。
君が教えてくれたことは、胸に募る幸福。
誰かに届きますように。




