第0話 前世はフリーランス!
プロローグです!
「皆急げ!!!!!」「もう無理よ!」
「ああ。神よ何故我々に...」
「爺さん!そんなこと言ってる場合か!!」
人々はパニックだった。恐怖と絶望が入り混じった叫び声が、街中に響き渡る。人々は我先にと逃げ惑い、押し合いへし合い、転倒する者も後を絶たない。
「皆どうした??てっえええええええええ!!!!」
「馬鹿!お前も早く逃げろ!」
混乱の中、何が起こっているのか理解できずに立ち尽くす者もいた。しかし、次の瞬間、彼らは目の前の光景に絶句する。
ピカッ
都市が、一つ地図上から消えるほどの巨大な彗星が、月をやすやすと通り越し、漆黒の宇宙から容赦なく地上へと落下した。その速度は、まるで世界の終わりを早送りにしているかのようだった。
彗星が大地に激突した瞬間、世界は轟音と衝撃波に包まれた。それは、まるで世界そのものが悲鳴を上げているかのようだった。都市は一瞬にして瓦礫と化し、人々は爆風に吹き飛ばされ、炎に包まれていった。
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「お客様、間もなく離陸いたします。シートベルトをお締めくださいませ」
耳元で響く、心地よい女性の声。目の前には、煌びやかなシャンデリアと、ふかふかのシート。窓の外には、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。ここは、誰もが憧れるファーストクラス。
私は、シャンパンの泡が立ち上るグラスを傾け、優雅な気分に浸っていた。目的地は、夢にまで見た南国のリゾート地。白い砂浜、透き通る海、そして美味しいトロピカルフルーツ。想像するだけで、心が躍る。
「ああ、最高の気分だ」
私は、思わず声に出して呟いた。このまま、夢のような時間が続けばいいのに。
しかし、その時だった。窓の外に、信じられない光景が広がった。
「あれは…?」
私は、思わず声を上げた。遥か上空に、巨大な光の塊が現れたのだ。それは、まるで太陽が二つになったかのように、眩い光を放っていた。
「まさか…」
私は、嫌な予感がした。その光の塊は、次第に大きくなり、速度を増していく。そして、次の瞬間、それは轟音と共に、私たちが乗る飛行機へと迫ってきた。
ピピピッピピピッピピピッ
「うあああああああああああああ!!!!!」
けたたましいアラームが鳴り響き、とっさに起きた。
「なんだ...夢かよ...」
重い体を起こし、窓の外を見ると、そこにはいつもの見慣れた風景が広がっていた。夢で見た煌びやかな世界とは程遠い、ごく普通の日常。
私は、ため息をつきながらベッドから起き上がった。今日は、フリーランスの仕事で、一日中パソコンに向かう日だ。夢で見たセレブな生活とはかけ離れた、地味な一日が始まる。
「いつかは、あの夢を現実にしてみせる。」
私は、心の中でそう呟き、いつものようにパソコンに向かった。夢と現実のギャップを胸に、今日も私はキーボードを叩く。
え?フリーランスって言っているけどどんなことをしてるかって?
ああ、そうだ。自己紹介がまだだったね。俺は日本生まれZ世代の一般人社会のモブ、天野湊24歳は大学卒業後、大企業に就職…なんて道は選ばずに、フリーランスの道を選んだんだ。
…と言っても、いきなり「明日からフリーランス!」なんてできたわけじゃない。最初は、大学時代に培ったプログラミングスキルを活かして、Webサイト制作の仕事をもらったり、アプリ開発のアルバイトをしたり。
そこから少しずつ実績を積み重ねて、最近はWebマーケティングのコンサルタントとして活動しているんだ。企業のWebサイトのアクセス数を増やしたり、商品の売上を伸ばしたり…そんな仕事だよ。
もちろん、いきなり大企業みたいに大きな仕事ができるわけじゃない。最初は、小さな案件をコツコツとこなしていく毎日。でも、自分の力で何かを生み出す喜びは、何物にも代えがたいんだ。
それに、フリーランスは時間や場所に縛られないのが魅力。朝はゆっくり起きて、カフェで仕事したり、時には旅行先でパソコンを開いたり…。夢みたいな生活、…とまではいかないけど、自分のペースで働けるのは最高だよ。
…まあ、現実はそんなに甘くないんだけどね。締め切りに追われたり、思ったように成果が出なかったり…。それでも、俺は自分の夢を諦めない。いつか、このフリーランス生活を成功させて、夢で見たセレブ生活を実現させるんだ!
…なんてね。ちょっと熱く語りすぎちゃったかな?
え??もっといい方法あるだろって?
うんそうだね~
でも、これが俺の日常。夢と現実のギャップに戸惑いながらも、俺は今日もキーボードを叩き続ける。いつか、この物語が最高のハッピーエンドを迎えられますように。てか俺、誰と話しているんだ.....
「湊、ちょっとスーパーまで買い物行ってきてくれない?牛乳切れちゃったのよ」
母親の声に、俺はパソコンから顔を上げた。時刻は午後3時。そろそろ休憩しようと思っていたところだった。
「はいはい、今行きますよ」
俺は、軽く伸びをして、財布とスマホを手に取った。
「ついでに、何か甘いものでも買ってこようかな」
そう呟きながら、俺はマンションを出た。
いつものように、目の前のスーパーマーケットで買い物を済ませ、マンションへの帰り道を歩いていた。マンションの目の前にはショッピング施設があり、商業施設と劇場、温泉、ライブ会場が一体型となっている。
「今日は何のコンサートだっけなー」
そう思い起こそうとした、その時だった。
「危ない!」
誰かの叫び声が聞こえた次の瞬間、5歳くらいの男の子が
一台のロケバスに轢かれそうになっていた。俺はとっさの判断で男の子を押して救った。
目の前が真っ暗になり、意識が遠のいていく。
「おい!大丈夫か!」 「誰か救急車を呼んで」
周りがざわついているのが分かる。
(おいおい…嘘だろ、、俺死ぬのか???まだ何も成し遂げていないのに...まだ死にたくない....体が熱い心臓がバクバクするぅ...起き上がれ俺...起き上がれ!!!!)
救急車のサイレン音と救急隊員が駆けつけてくれたのが微かに見えた。
それが、俺の最後の記憶だった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
この物語は、前世でフリーランスとして生きた主人公が、異世界でクラゲに転生し、夢を叶えるために奮闘する物語です。
主人公は、前世の知識と経験を活かし、異世界で様々な困難に立ち向かいます。
果たして、主人公は夢を叶えることができるのか?
そして、異世界でどのような出会いと冒険が待ち受けているのか?
今後の展開にご期待ください。
感想や応援コメントもお待ちしております。
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LUMISTAR NOVEL
「 【転嬢経営記】~前世はフリーランスだった転生令嬢は大変魅力的な世界でビジネスを展開してしまった案件~ 」創作学会