ex 魔法少女ストライク・マリー。
その大きな紅く燃えるドラゴンを前に私は空中に浮かぶ。
兄さんの作ってくれた空飛ぶ箒。ちょっとメカメカしいけど、とても早く飛べるのでお気に入り。
魔法の服も作ってくれた。どこかで見たことの有るような感じだけど、可愛いので好き。
「マリー、ドラゴンは最強種よ。油断しないで」
肩に乗るフェレットが注意を促す。
「わかってるってイルマ。アレを倒せばダンジョン攻略完了!でしょ?」
右手に赤い宝石のはまったワンドを持ってドラゴンに向ける。
「さあ!かかってらっしゃい!」
『Gaaaa!!!!!!!』
待ってましたとばかりに大口開けて向かってくるドラゴン。私も加速してドラゴンへ突進。
「ほいっと」
余裕でその牙を避ける。
「フレア・バースト!」
すれ違いざま魔法を叩き込む。
「マリー!ファイアドラゴンに火炎系は効かないわよ」
「わかってる!景気付けよ!」
キュン、と反転して再び突進。
「アクア・ゲイザー!」
ワンドから大量の水が噴出する。滝のように迫る水にドラゴンはビクッと一瞬止まる。すぐに進路をズラす。が。
「甘い!」
ブン!とワンドを振ると水流がドラゴンめがけて曲がる。
『Gyaaaaaaaaaa!!!!!!!!』
体の炎を消され、力なく滑空するファイアドラゴン。
「マリー!トドメを!」
肩にしがみつくフェレットのイルマが叫ぶ。
「よぉっし!はっ!」
空飛ぶ箒からドラゴンめがけて飛び降りる。下ではヨタヨタのドラゴンがこちらを見る。ドラゴンがニヤリと笑った気がした。
ドラゴンは大口を開けて待ち構える。
「ルクス!!」
ブォンとワンドから光の剣が伸びる。
その光を見たドラゴンはガチン!と口を閉じると、改めて口を開く。その口中には赤々と燃える炎が有った。
「マリー!ファイアブレスが来る!」
空飛ぶ箒に残ったイルマが叫ぶ。
剣をそのままにして左手をドラゴンに向ける。
「プラズマ・シールド!」
『Gobbbbbboooooo!!!!!!!!』
シールドを貼るとほぼ同時にファイアブレスが当たった。
まるで火炎放射器のように炎の吐息が当たる。
ブレスは10秒ほど続く。直撃すれば一瞬で消し炭だろう。
『Guuuu………』
ドラゴンは見た。炎の中で平気な顔でいる少女を。
「炎もプラズマの一種!防げるのよ!チャージ!」
光の剣が伸びる。それはまるでランスのように。
ガフっとドラゴンが炎を止める。
自らの胸に刺さった光のランスを見て、マリーに刺されたことを悟る。
『Gluu………』
力なく墜落するドラゴン。
シュパッと空飛ぶ箒がマリーの元へと飛んでくる。
ズシャァと地面に落ちるドラゴン。傷口から炎がまるで血液のように脈動して出てくる。それも数秒でとまる。最強種、レッドドラゴンが倒された瞬間である。
「これで……ダンジョン攻略、完了」
「マリー」
ダンジョンから出てくるとそこには兄さんが待っていた。
「おかえり。マリー」
「ただいま。兄さん」
いつもと変わらない笑顔で。いつものように箒からマリーを下ろす。
「これで、ダンジョンも消滅する。お前のおかげだ」
「エヘヘ……」
守護者が居なくなったからか、元々無理のある構造の塔が崩れる。
「……これで……終わり……?」
「いいえ、塔は、まだまだ有ります。これは最初の一つに過ぎません」
箒の上のイルマがため息をつく。
「ふふ、先は長そう、だね」
「そうだな。もっと魔法も箒も強化しなきゃな」
「箒はもっと可愛いのがいいなぁ」
「マリーの最高速度に合わせるとああなるんだよ。諦めろ」
「ぶー」
大量の塔の瓦礫に夕日が当たる。
「かえろ」
「ああ、みんなも待ってる」
ひょいっと空飛ぶ箒の後ろに兄さんを載せる。
「お、おい」
「しっかり捕まっててね!」
「ちょ!まて!ああああああああ!」
ガッと握られたアクセルレバーに反応して一気に加速する飛行箒。
その最高速度は時速一〇〇〇キロを越える。亜音速である。
「あはははは!」
「……」
「マリー。ウィザードが気絶してますよ」
ぐったりとマリーの背中にもたれるウィザード。
「あらら」
しかし速度は落とさない。
この分だとマッハを超えるのも遠くはないだろう。
マリカ「って夢を見たの。たのしかった!」
光路郎「……まぁ、夢だしな。うん」
イルマ「がーーーー!なんで私がマスコットポジション何ですか!?」
セリカ「私は出なかったんですね。マリカさん」
エイジ「オレは……まあ……いいか」
石動「実現したら、自衛隊いらない気がしてきたんだが」
相模原「そんなことないですよ。怪獣退治の露払いは自衛隊の伝統です」
石動「そんな伝統は捨ててしまえ」
エイプリルフールに間に合った……。
午前中だけだってのは知ってますよ?




