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それは、ある日の突然の出来事…。
俺は記憶喪失で名前すらわからないまま、倒れていた。
なにか食わないと死ぬ…。すると、
この匂いはなんだという匂いがした。
なんていい匂いなんだ!
誰かいるのか!
それを俺に食わせて…オゴゴ…ッハハハ…。
「って、なんでそんな強く押し込むだ。この、馬鹿野郎!」
目を開けると、押し込んだ少女はとっさに逃げて行った。
そして、周りを見ると、大勢のヤンキーが…。
え…。嘘だろ…。俺の人生も終わりか…。
バン!ボン!ドシャン!!×10
「次、舐めたこと言ったら承知しないからな!いくぞ、お前ら。」
逝くかと思ったが、死んでなかった。
そこにさっきの少女が…。
「大丈夫?ケガはない?」
俺は怒鳴りつけた。
「お前こそ、舐めてんのか!お前のせいで死ぬかと思ったぞ!責任とれ!」
すると、少女がまた逃げて…。
「まだ足りなかったようだな。覚悟はいいよな?な!」
あ、してやられた。今度こそ逝…
ボン!ボン!バン!バン!ドン!ドン!×20
「ヤンキーに喧嘩売ってんじゃねえよ!こっちのほうが強いに決まってんだろ!」
もう無理だ。バタン!
「大丈夫?生きてる?死なないでね…。」
その声と同時に…俺は起き上がった。
「よかった…。名前はなんていうの?私は紅葉」
顔が近い。それより、かわいい。年齢も18ぐらいで近そう。
「知らねえ。記憶がないから言えねえ。それより、クソガキみなかった?」
「もしかして妹?ごめんね。なにかしたんならね…。記憶戻すの手伝うよ。」
かわいい。それより、妹?
もしそうだったら、絶対に許さん。
「なんか押し込まれて…。怒ったら、逃げて、俺はヤンキーに二度殴られた。」
「妹で間違いないわ。あの卵焼き、私が作ったの、おいしかった?」
「うん。卵焼きっていうんだ、あれ。俺と付き合ってください!」
「喜んで。って、本当に?いいの?」
「いいわけあるか~。」
突如、俺の腹にその少女が飛んできた。
よく見ると、18ぐらいだった。
妹というのは嘘だとハッキリ分かった。
「なにしてるの!彼はもう私のものよ!記憶喪失前の彼とは違う!あんたのことなんか選ばない!」
「なんで…。わたしのことが好きじゃないの?慎也。」
俺は慎也というらしい。
それより、俺は、本当に彼女のことが好きだったのか?
分からない。けど、卵焼きって美味しんだね。
それだけ分かった気がする。
卵焼きは僕の好物です(笑)。記憶喪失前後で過ごした時間の中で、結局、誰を好きになるのかというところが作品の魅力になるところです。「記憶を思い出すのか?」という、これもまだ全然わからないです。最後までお付き合いよろしくです。では…。




