現実世界 5話 (冥夜)
私は生きている喜びを感じなかった…
家では家族から虐待をされ…学校では、何故か人から避けられている。すこしは喋る人が居るが、それでも何処か少し避けられているように感じた。
私は途中からこの高校へ転校してきた。前の高校で虐待をされているのを生徒の一人に見られて大事になってしまったのだ。
その時にその生徒からはは気持ち悪がられた。
『なにその傷!キモッ!近寄らないで!』
私の心は傷付いた…
その生徒…彼女が見た傷は、『奴隷』の文字が背中に大きく掘られていた。
その後その彼女は学校へとその事を広めた。
あっという間に美少女と人気のあった私からどん底へまで落ちてしまった。
その夜私は両親からいつもより激しい暴行を受けた。
『苦しい』
そして、私達家族は夜逃げをして、今の高校へと転校してきた。
それから私は怯えながら行きてきた。誰かに傷を見られないか…
『怖い』
そしてまた、あの時のように気持ち悪がられ…両親から虐待をされるのはいや…
『誰か助けて』
『大丈夫…動かないで。』
気づいた時には私は『彼』と出会っていた。
私はまた傷を見られてしまった…体育の授業で更衣室で着替えられないから誰もいない時に教室で着替えていた。
その時に『彼』に出会った。
私は咄嗟に身体を脱いでいた制服で隠す…だが遅い。もう既に『彼』に背中の傷を見られてしまった。
私は覚悟を決めた。
『また気持ち悪がられる』
そんな恐怖で身体を震わせながら。
そんな私に『彼』は近寄ってくる
「ご、ごめんなs…きゃっ!!」
『彼』は突然私の手を掴み、私の傷をマジマジと見つめる。
『この頃の傷じゃないな。
………そうか、この傷を隠すためにここで…………ちょっと待ってて。』
え?………
『彼』は気持ち悪がるなんてことはしなかった。
『彼』はポケットから包帯を取り出した。
なぜポケットにあるのだろうとかはどうでもいい。
『彼』は私の身体に包帯を巻き始めたのだ。
…何も言わず、真剣に……傷の形なんか気にしてないと言う顔で……
『終わったよ。
もし包帯を見られたらサラシ代わりです…とかでも言い訳して?君、結構胸大きかったから胸にも少し巻いたから。』
あっ………
私は『彼』に裸を見られていることに気づいて、顔が熱くなった。
でも、それ以上に私は、『彼』の事で熱くなっていた…
『優しい///』『かっこいい///』『うれしい///』
そんな感情が私の中で回っていた。
『彼』は教室を出て授業へ行ってしまった。
もっと…もっと、『彼』の事を見ていたかった……そんな感情が湧いた。
『彼』は同じクラスの人だった。今まで気にしていなく、存在もわからなかったのに………教室で『彼』を見た時、一瞬で『彼』だと分かった。
それだけで顔が熱くなってしまう…
それから私は『彼』を陰で見続けた。
朝も、学校でも、『彼』が家にいる時も……帰りが遅くなって両親に暴力をされるが、そんなの気にしない。
私は『彼』………『刹那』君を見てるだけで他にどうでも良くなっていた。
だけどある日、私は家族にすてられた………裏社会『奴隷商』に…私は『奴隷』となった。悲しさは無かった。
『奴隷商』は人を金で売って、稼ぐ所らしい、売られるまでは自由にしていいそうだ。死ぬもよし。働くのもよし。
買われたらその人のものになってしまい、自由は無くなるらしい。
それは嫌だ!
『刹那』君を見てられない
『刹那』君と同じ世界にいれない
そんなのは絶対に嫌だ!
私は走った。
『刹那』君の所へ。
だけど『刹那』君は家にいなかった。
そうだ!学校!
『あら?誰かしら?』
!?!!!
私は学校へと足を向けたら『刹那』君の家から人が出てきた。
あ、この人は『刹那』君のお母様……
挨拶もしたかったけど今は『刹那』君…彼に会いたい気持ちがあり、無視をして学校へと行こうとした。
『あ!ちょっとまって!』
その声に私は足を止めた…今止まったって『刹那』君に会えるはずもないのに、私の足は無視をすることはできなかった。