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Jailbreak  作者: 宮沢弘
第二章: 揺りかご
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2−1: 揺りかご1

 地球規模の地球規模のリサイクルおよび再生可能エネルギー法が定められ、数年が経った。その年の九月、断続的にあったエネルギーと環境についての番組がまた放送された。

 その法律にもとづき、途上国への資金援助、技術援助がなされていた。また、リサイクルの徹底と再生可能エネルギーへの緩やかな移行により、物価の高騰も、環境汚染も認められなかった。

 砂漠には太陽光発電プラントや風力発電プラントが設置されていた。また、海上にも太陽光発電プラントや風力発電プラント、潮力発電プラント、海洋温度差発電プラントが設置されていた。番組ではそれらを順次紹介していった。

 砂漠の太陽光発電プラントでは、3mほどの高さに市松模様にパネルが設置されており、その下では砂漠緑化プロジェクトも進められていた。穀物が育てられ、あるいは草が育てられ、収穫されていた。セルロース由来のバイオ燃料により、穀物に依存すると想定されていたバイオ燃料の生産量も大きく増えていた。

 風力発電プラントでは、さまざまな型の風車がいくつも回っていた。そこでもまた燃料用の草が育てられ、また収穫されていた。一部地域では、追い立てられた住民もいたが、充分な補償と理解によって移住、あるいは生活様式の変化を受け入れていた。遊牧から、それが穀物ではないとしても農耕への移行がなされた地域もあり、安定した仕事と生活が提供され、やはり充分な補償と理解によって、それはなされていた。

 海上の太陽光発電プラントの下では、魚介類の養殖がなされていた。風力発電プラントが紹介され、潮力発電プラントが紹介された。また、海上、あるいは海上と陸上に設置された海洋温度差発電プラントでは、低沸点媒体を用いたもの、熱電方式を用いたものが紹介された。あるいは、ただ深層水を用いたエアコンや冷蔵設備も紹介された。これまでは充分なエネルギーの供給を受けられなかった島々に住む人々の笑顔が映し出されもした。

 あるいは、様々な資源の採掘が行なわれていた場所では、設備が取り払われ、リサイクルされていた。(わだち)は消えかけ、草や灌木が茂り始めていた。

「この地球という命の揺りかごは、これからも私たちを育み、守ってくれます。人々の英知によって、それが可能となりつつあります」

 ドキュメントの最後は、さまざまな人々の笑顔と、さまざまな土地の自然を映しながら、そう締め括った。


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