はめられた復讐
上上手取は、静寂に包まれたコンサートホール が舞台で『眼鏡』が出てくる戦う話を1,000文字以内で書いてみましょう。
しんと静まり返った劇場で相対する男が二人。一人は胸元の拳銃を握りしめ、もう一人は腰に備えた刀に手をかける。
この打ち捨てられた劇場に人が入るのは何年ぶりだろうか? 二人が入りこんだ方をそれぞれ見やればくっきりと足跡が残されている。幾重にも積み重なった埃は宙へ舞い上がり二人の体につもりゆく。それはあたかも誇り故にこの場に立たざるを得なかった二人の心境を表していた。
「は~いお二人さん。すでにやる気は十分のようね」
不意に舞台に立つ二人にスポットライトが当てられ女の声が響き渡る。
「あ~ホント埃臭くて嫌。眼鏡に積もって仕方がない。まぁわかっているとは思うけどあなた達二人には殺し合いをしてもらいます」
もちろん命がけでね。そう付け足す彼女の声は本当に無邪気でいて、そして禍々しかった。
「まぁ今更投げ出すこともないから言っちゃうけどあなた達が引けなくなるよう誘導したのは私達なんだけどね~あ、そっちの刀の人は奥さん残念だったね~もう歩けないんだって? かわいそ~」
「っ! あれはお前たちの仕業か!」
「え~でももう関係ないじゃん。そっちの銃を構えてる人の大切な人を偶然とはいえ斬りつけたのは結局のところあなたなんだし」
「そうだ……お前のやったことは消せはしない……目には目を、歯には歯を、復讐には復讐を……だ」
その言葉と同時に銃声が鳴り響く。
「あいつは背中に一生消えない傷を負った。お前にどのような理由があろうとも俺はお前を許すつもりはない」
そして続けて二度三度と銃声が鳴り響いた。
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「あはは~馬鹿みたい。でもこれを放映するだけでかなりの金額になるのよね~かかるのは使い捨ての駒を磨り潰すだけ。達人達に殺し合いをさせるのはやめられないわ」
そして女は笑い声をあげようとして
「ひふっ」
声を上げられないことに気づいた。
「やあ、私のことを覚えているかな? まぁ覚えていないだろうね。君は殺したつもりだろうが所謂死んだふりというやつだよ。苦しまずに死ねること光栄に思うがいい」
この場に現れた三人目の男は女の命を奪うとどこへともなく消え去った。
それは誇りをかけた達人同士の戦いを止めることなどできないと知っていたからでもあった。




