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境界線の無い正常な思考

塵と化する記述式記憶法

作者: レー・NULL

図書館とはどういうものか、根気よく探せば大抵の知りたいことは出てくるだろう。とはいうものの、今ではもっと便利で楽な方法があるというのも事実。


まあ、正直言ってここは探せど探せど、数割の本は白紙だろう。それらは、これから書かれていくのだから。


さて、本とは。ソレを表現する媒体であって、別に本で無くとも良いのだが、ここは便宜上ソレを本とする。実質は認識上本なのだから、本とする以外の表現など有るわけがないのだが


重要なのは内容である。ソレを表すのなら積木がきっと解りやすい筈だ。積み上げていくソレはその状態でこそその人そのものであると。言いたいわけだ


端的に言えば、ここは図書館でありながらも、僕自身であると言うわけだ。こんな比喩しか知らないが、それもここに書かれているソレの一部であり、それ以外には今のところは無いと言うことを証明している。


書くということは成長であり変化であり、ソレは必然的にここに有ると言うことになる。


例えば、こう。問われるとしよう。


「ソレらには、そこまでの意味があるのか」


アンサー。貴方には全く意味が無いでしょう。


あたりまえの話だろう。もちろん、ソレの中には下らないものやら、意味のわからないもの等も含まれてはいる。だが、それらの基準は何処にある?いや、そんなものは無い。故に、ソレは総じて無意味と表現される。


では、意味とはなにか。全くの妄想であり、目に写らない幻覚であったりもする。基本的には主観的な価値観に左右されるものであり、それ自体に意味を問うのは愚か極まりない。


主観的に言わせてもらえば、無駄に喋り続ける箱やら、善悪混在する情報塊。そんなものに比べれば、二色でありとあらゆる全てを記す、それが如何に素晴らしいか解るだろう。


だからこそ。僕はソレを本とするのだ。永き時に朽ちず残り続ける。人は解っているのだ。


「朽ちるよ」


いや、朽ちない。太古より人は本を利用してきた。そしてそれは、今でも残っている。今でも本は作られている。そして、本は過去を記す重要なもの、本によって過去は記された。故に、本は朽ちることを知らない。


「さあ、見てみなよ。進化の本を」


進化の本。それは最古のソレであって、ソレであることも確かに難しい事。単細胞生物が、哺乳類になるまでの進化の過程。つまりは、胎児のソレである。


己のソレである本。好きなように開くことが出来る筈。だが、開かない。何故だ、劣化している、崩れている、塵と成っている


「全ては無常」


周りを見渡す。古い順に、ソレである筈の本が、劣化している、崩れている、塵と成っている。ソレが全てあって自身である。積み上げた積木は、それ全てで自身である。一つでも無くなれば、それはその形を保てない。僕が僕であるためには、ソレは全て必要なんだ。


僕が僕で無いなんて許せない。僕が僕であるうちに、全てのソレが残っている間に、全てを終わらせよう。全てのソレを消し去ろう。さよなら


薄れていく、意識が。これで僕のままだ



「問い1。本に代わる情報源を答えよ。また、それらの寿命を答えよ。ここでの配点は貴方の寿命の数値とする」

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