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由衣と祐也  作者: 雪月花
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勉強会は大成功

 梅雨も明けそうだな、と思う今日この頃。

 テストも終わって、私たちはまた部活の日々に戻った。


 みんなとは、あのあともう2回勉強会をした。まぁ、帰りに1時間ほど、ドーナツ屋さんでみんながわかんなかったところをチョチョっと説明しただけなんだけどね。

 2回目からは、みんなも心得ていてくれて、私の負担にならないように、わからないところだけをちゃんとピックアップしてきてくれたので、とっても効率的な勉強会だったと思う。聞かれてみて、わりと曖昧だったところもあることがわかって、自分でも勉強になったりした。他人に説明するするって、ほんとに勉強になるなぁ。

 祐也とは毎日いっしょにやっていたが、そのことはみんなには内緒にしていた。なんかいろいろめんどくさいことになりそうだったので。


 さて、テストの結果はどうだったのかというと、なんと仲良しメンバー全員が順位を上げたのだ。隆正くんなんか、苦手な英語が上がったのは私のおかげだ、女神様、なんて言って私を拝んでいた。

 そこまで極端ではないにしても、みんなにお礼を言われたのは嬉しかった。

 圭くんがしみじみと、


 「やー、オレも20番も上がっちゃって、ほんと隆正ほどじゃないにしても、由衣ちゃんに足向けて寝らんないよ。

 それにしても、由衣ちゃんスゲーよな。オレたちに教えてくれた時間とっても、今回、学年1位なんてさ。ほんと、神だぜ」


 うふふ、そうなんです。

 私は初の学年トップをとってしまった。苦手な理系でほとんどミスが出なかったのがその理由。祐也のおかげです。


 「みんなに説明したのはとっても良かったんだよ。自分が曖昧に理解していたところがはっきりして、ミスが減ったんだ」


 そう言うと、「いやいやいや」とか「また教えてね」なんて言いながら、みんなニッコリしてくれた。


 「でもさ、今回は、祐也もスゲーよ。だって、50位に入ってるんだぞ。前回より100番ぐらい上げたろ。あの悲惨だった古文で平均点超えしてるし。なんか秘策があったわけ?」

 「……由衣に聞いた」

 「ず、ずるっ!!! そうだよな、お前、行き帰り、毎日一緒だもんな。電車の中とかでも、ちょこちょこ聞けるよな。ズルすぎる~~」


 二人の勉強会のことに触れずとも、圭くんは自分で理由づけて納得していた。


 「私も物理のわかんないところを祐也に聞いたりしたので、今回、物理の成績が上がったんだよ」


と私が言えば、みんなは「ほお~~」と祐也を見直したように見ていた。


 「うん、もともと祐也はできる科目とできない科目の落差が激しいんだよな。だから、できないやつを克服すれば、順位は跳ね上がるのはわかる」

 「そうだよな。もともと数学や物理はかなりよかったもんな。お前、理系なんだな」


 圭くんと隆正くんはそんなことを言っていた。うちの学校は3年で理系と文系のクラスに分かれる。そうか、祐也は来年、理系クラスに行くんだな、じゃ、来年も同じクラスになることは無いのかぁ。

 その時は漠然とそう考えていた。




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