・終章・
「ねぇねぇ夏緒」
「あー?」
「ボク、夏緒が音面さん達を見送った日からずっと調べてたんだけど……」
「見つけたのか?」
「うん。哀婉州の、星草町に住んでる夫婦に三つ子が生まれたんだって。男の子二人に女の子が一人。一卵性と二卵性が同時に生まれたから、すごい注目されてるみたい。それで、その三つ子の名前が、男の子が鳥三河と炉鳥兎。女の子が友っていうんだって」
「ふ〜ん」
「ふ〜ん。って反応なさすぎ!ちょっとは喜んでよ!」
「喜んでるよ。ーーアイツら、ちゃんと転生できたんだな」
「うん。本当に嬉しい!音面さん達、今度の人生は良いものになるといいな……」
「なると思うぜ。五寿の神さまはちゃんと願いを叶えてくれたみたいだからな」
「そうかな……?そうだといいな」
「つーかさ、お前なんでそんな複雑な顔してんだよ」
「あー……んー……ボクが五寿神さんにお願いしてる事は、五年経っても叶わないのに、音面さん達は一ヶ月ちょっとで叶ってるから……なんか……」
「………………」
「まぁ、羨ましがっても叶えてもらえるわけじゃないんだけど、五寿神さんは、いつボクの願いを叶えてくれるのかな……?って思って……」
「………………」
「はぁ……。もう!なんか言ってよ夏緒!」
「ーー大丈夫だよ」
「……何が?」
「叶うよ。お前の願い」
「なんで分かるの?」
「分かるから」
「なにそれ……。ありがと」
「どういたしまして。つーか眠い。俺は寝るぞ。じゃーな」
「え!?ちょ、ちょっと待ってよ!」
「おやすみー」
「え〜!?夏緒〜!!」
「…………zzz」
「む〜分かったよ。ーーそれじゃあ」
おやすみ。