表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私立青春学園

俺の幼なじみはビッチである

作者: 122番目


ビッチという言葉が不愉快に思われた方に先に謝罪させていただきます


内容は性的なものは一切ありません


ただ、乙女ゲー、ギャルゲー、その他恋愛ゲームが好きな方には不愉快を与える恐れがありますので、ブラウザバックをお願いします


別に構わないという方は、稚拙で二番煎じでありますが短い間楽しんでいたたけると幸いです

俺の幼なじみはビッチである


とは言っても、誰彼かまわず寝る意味ではなく、八方美人の意味である


しかし、神聖な校舎でありとあらゆる目鼻立ちの整った有名人に粉を掛け、異性不純交遊をする女のことを、八方美人だと口にすることはできない



園芸部の貴公子、花園先輩曰わく

「あの子の笑顔はひまわりのように無邪気」である


美術部の天才、絵崎君曰く

「彼女は完全な美、キャンパスの中に閉じこめることなど許されない…」である


他に天文学部の星野先輩は「あの子は北極星のように、この学園内で一番輝いている」、合唱部の歌川先輩は「愛の曲を聞くと彼女の声に聞こえてきて…集中できないんだ」

と他にも多種多様な惚れ話を、幼なじみで相談役な俺に、様々な美形の美声のため息つきで語られる

俺は知っている


幼なじみが、様々な美形に話しかけたあとに

「恋愛フラグ発生、さて次の行動は~…」

と呟くことや、

「次の時間帯は蹴谷君とのイベントで、体育館行かなきゃ」

と忙しく走り回っていること

他に

「奏先輩とフラグたってるけど、鳳凰堂会長のイベント優先優先」

など、どう聴いても男を手玉にしか思ってない発言をよくしていることを


逆ハールートなるものに行けないことや、攻略キャラなのに攻略できないキャラがいるなど、完全にゲーム感覚でいることを



俺は知っている


あいつがこの学園に入る前、泣きながら俺に縋ったことも


「あーちゃん、利里最近怖い夢を毎日見るの…利里が利里でなくなちゃう夢…」

「あーちゃん、怖いよぉ……」


大丈夫だと、華奢な体を抱きしめるしか出来なかったこと


そして学園に入った途端、別人のように笑うようになったあいつを見て……呆然とした


     アレは誰だ


あいつはあんな媚びた風に笑わない、いつも敬語で、他人に話しかけるのに少しだけ躊躇する臆病者で、何でもないことにすぐに一喜一憂して、美里は昔から明るくてすぐに友達がたくさんいて、幼稚園のときに白詰草の指輪渡したら

「美里、彰平君のお嫁さんになる」って……違う……違う違う違う違う!!



はるはるに渡したのは、白詰草のネックレスで指輪じゃ……はるはるって誰だ?

オレの幼なじみはえみり……




気がついたら、家で中学校の卒業アルバムや、昔貰った手紙を読み返していた


あぁそうだ、昔から家康は行事の前日になると眠れなくて写真映りがあまり良くなかったから、見返すと怒られたな……なんで江戸幕府が出てきた


手から砂が落ちるように、記憶が混ざって落ちていく

記憶力は悪くないのに、△▼△にも彰…あーちゃん、彰平君はすごいねって……


………   って誰だ?



知恵熱による一週間の休みのあと、学園は様変わりしていた

結衣の周りにはたくさん人がいて、愛理に惚れた美形がラブパワー注入なうに近付くために俺に相談してきて……


史佳が一週間ぶりに学園に来た俺に気づかず、赤髪の不良、鳳凰堂会長の弟と喋っている


惰眠を貪り尽くして冷めた頭が、俺に告げた


僕の幼なじみは消えて、姿形が同じ俺の幼なじみが現れたのだと


俺は今後、幼なじみと美形達の仲を取り持つ役目があるのだと



もはや俺が思い出せる幼なじみの名残は、本が好きな子ということだけである


だから、今日も俺は図書室に行く


図書室の知者と呼ばれているらしいが、どうでもいい


当番制にもかかわらず、なぜか俺しかいない図書室には今日も幼なじみが来て俺に聞く


「彰平君、みんなは僕のことどう思ってるかなぁ?」


相談しにきた幼なじみを見ると、いつも思い出せることがある


(あーちゃん、加奈ちゃんに嫌いっていわれちゃった…。△▼の話聞いてくれないの……)

(大丈夫、僕が加奈ちゃんに事情聞くから、お手紙と仲直りのお菓子おばさんと作ってきな)


いつでも、友達のことで俺に相談してたこと


幼なじみが帰ったらなぜか忘れてしまうが、好きな人が出来たら互いに教え合うと、約束していたこと


だから、今目の前にいる、自分が美形達にどう思われてるか分析しようとしている女は、幼なじみであるが、幼なじみではない


「彼らの好感度は…」



だから、俺は誰にも聞こえない、心の内で叫び続ける


俺の幼なじみはビッチである!!


この男狂いのビッチが!!




だから、用が終わったら図書室から出ていけ


「どうしよう、幼なじみなのに鉄壁すぎる」


とか小声で言うな、聞きたくもない


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 恋愛ゲームに転生した女主人公が逆ハーを目指すのを嫌悪して拒絶する彰平くんと、その鉄壁ガードに涙するビッチ(仮)さん。 [一言] 二人の攻防を書ければとても面白くなりそうだと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ