11
師団長行きますよーって声をかけられた。今日は王宮に行く日でニコルと一緒に行く事になっていた。行きたくないが仕方が無いと重い腰を上げ立ち上がる。
絡んでくる奴がいるから本当嫌だ。あの優しい笑顔の元でお茶を飲んでいたいなーと想いを馳せながら歩いていく。
嫌々ながら外廊下を歩いているとキャーキャーと騒がしい声が聞こえる。
「今の時期は新人が多いからやはり騒がれますね。」
「はぁー面倒くさい。何のために仕事にきてるんだか。」
「麗しの師団長がそんな事を言ったらダメですよ。手を振ってあげたらどうですか?新人が長く勤めてくれますよ。」
「そんな奴ら辞めてしまえ。」
「本当見かけによらず厳しいんだから。結婚できませんよ?」
しないよって言いながら塔の方を見ると、さらに騒がしくなった。本当辞めて欲しい。ん?一瞬目が合う。ミア?ミアがいた。そんな馬鹿な。あそこは本部か?
師団長可愛い子でも居ましたか?行きますよーって引っ張られていく。ちょっと待て。
「ニコル。新人の名簿用意して。」
「は?まさか本当に一目惚れでもしました?」
「いいから!早急に!」
ニコルは納得のいかない顔をしながらわかりましたよって用意するよう指示を出してくれた。王宮で用事を済ます間に用意してくれ名簿を確認する。該当しそうな名前が数人いる。本名がわからないからな。本部だから人事か経理か総務…。こっそり見に行くか。
「ちょっと出てくる。」
「さっきから本当どうしたんですか?」
「気にするな。すぐ戻る。」
本部へ向かい歩いていく。あ、居た。本部に行くまでも無く、まさかの途中で発見した。こっそり近づいていき手を取り部屋に入ってもらう。
静かにと声をかけた瞬間、抱きついてきた。気づいてくれた。あの日抱きしめられなかったミアがここにいる。
「なんでいるの?顔見せて。」
と頬を触り顔を見る。透けてない。本物だ。ミアがさらに抱きついてきたが慌てて離した。さっきは嬉しすぎて抱きしめたが、こんな密室で無理でしょ。悲しい顔しないでよ。可愛すぎる。
戻らないとっていうミアに明日約束を取り付ける。また抱きついてきて、また明日って去って行った。恐ろしい…私は顔が真っ赤になっているのがわかった。しばらくその部屋から出る事が出来なく困ってしまった。
出れるようになって早急に師団長室へ戻りさっさと今日の仕事を終わらすよう指示を出した。いつも休み返上で働いていたが、明日は絶対休む!皆が唖然としていたが気にせず仕事を捌いていった。




