第7話 紳士の仮面! すっぽん仙人と秘密の甲羅
「……だめだ、一歩も動けねぇ……」
砂漠の真ん中で、空悟孫は「龍の玉15個」+「パイパイの家財道具一式」という、地獄のような重量に押し潰されていた。
「ほら、シャキッとして旦那様! 愛の力で重力なんて超えるのよ!」
「物理法則を愛で片付けないでくれ……! 腰が、俺の腰がバラバラのパズルみたいになってるんだ……!」
そこへ、砂の中から「ズゴゴゴ……!」と巨大な岩のようなものが浮上してきた。 いや、岩ではない。それは巨大な、そして妙にツヤツヤした**「すっぽんの甲羅」**だった。
「おやおや、お困りのようですね。若き旅人よ」
甲羅の上に乗っていたのは、シルクハットを被り、モノクル(片眼鏡)を装着した、非常に品の良い老人だった。
「だ、誰だ!? すっぽんの化け物か!?」
「失礼な。私はすっぽん仙人。こう見えても、数千年の時を生きる紳士中の紳士……いわばジェントルマンの極致にいる者です。ホッホッホ」
すっぽん仙人は、手にしたステッキを優雅に回しながら、悟孫に近づいてきた。
「その重荷、私の修行場へ来れば、少しは楽になる方法を伝授できるかもしれません。……おや、そちらのレディたちは、あなたのお連れ様かな?」
仙人のモノクルが、数子とパイパイを捉えた瞬間、ピカッ!と不自然に発光した。
「左様でございますか……。いやぁ、実に素晴らしい。特にそちらのパイパイ様でしたか? その、チャイナドレスのスリットから覗く、絶対領域の黄金比……。そして数子様の、知的ながらもどこか危ういニーハイソックス……。あ、いや、失礼。非常に健康的な脚線美だと言いたかったのです。ホッホッホ」
「……ねぇ、このじいさん、今さらっと私のニーハイについて言及しなかった?」
数子が引き気味に言う。
「いやぁ、私は紳士ですからね。ただの学術的な観察ですよ。……ところでパイパイ様、先ほど風でパンティを紛失されたとか。宜しければ、私のコレクション……あ、いや、予備の『シルク製・超高級純白布』を差し上げましょうか?」
「なんで紛失したこと知ってんのよ!! ずっと砂の中から見てたんでしょ!!」
パイパイが怒りの扇子を振り下ろすが、仙人はヒラリと、すっぽんのごとき素早さで避けた。
「ホッホッホ! さぁ、修行場へ行きましょう。そこには16個目の玉もあります。ただし、修行の内容は……私の『紳士的な視線』に耐えながら、スクワットを千回してもらうことになりますがね!」
「むっつりスケベじゃねぇか!! 紳士の皮を被ったただのすっぽんだ!!」
悟孫の絶叫が砂漠に響く。 16個目の玉を手に入れるための代償は、腰だけでなく、精神的なプライバシーも削られるものになりそうだった。
(つづく!)
後書き(担当:ターベジ)
……おい、作者。 「超ベジタリアン」に覚醒するだと!?
誰がそんな健康志向な戦士になるか!! 俺様がなりたいのは「超な戦士」であって、生野菜をむさぼり食うウサギのような存在ではない!! ……待てよ、超ベジタリアン……。響きは悪くないな。肉を断ち、ストイックにレタスとブロッコリーだけで体を絞り上げる……。ふん、エリートの俺様に相応しいストイックな姿かもしれん。
それより、あの「すっぽん」は何だ!! 紳士面をして女性の脚を眺めるとは、貴様、俺様のスカウターで「戦闘力」ならぬ「変態力」を計測してやろうか!? 測定不能で爆発するのが目に見えているぞ!!
おい空悟孫! そんなむっつりじじいに教わることなど何もない! 今すぐその甲羅をひっくり返して、すっぽん鍋にしてしまえ!! 俺様の登場はまだ先らしいが、その間に貴様が変な性癖に目覚めないか、それだけが心配だ……。
いいか、次回こそは……次回こそは、もう少し「真面目な」修行シーンを描けよ! 頼んだぞ!!




