第6話 玉よりも重い!? パイパイの嫁入り宣言
「ブヒィィィン! 桃色の空気が肺を満たすブー!!」
鼻にパイパイのパンティを詰めたまま、謎の賢者タイムに突入したブータン。 その隙に、悟孫はベタベタの体で、鼻から逆流して飛び出してきた龍の玉を必死にかき集めていた。
「よし、15個……全部あるな。……ん? 1個だけ、妙に湿ってる気がするけど……気にしないことにしよう」
悟孫が現実逃避気味に風呂敷を縛り直した、その時である。
「……決めたわ」
顔を真っ赤にしたパイパイが、鼻息荒く悟孫の目の前に立った。 その目は、もはや戦士のそれではない。獲物を見つけた肉食獣の輝きだ。
「えっ、何が?」
「あんた、私のあんなトコロやこんなトコロ……空中に舞った秘部まで全部見たわね!?」
「いや、見たっていうか、物理的に目の前を飛んでいったから……」
「言い訳無用! 乙女の純潔をあんな豚の鼻に晒した責任、とってもらうわよ! 私、あんたに嫁ぐわ!!」
「「はぁぁぁーーーーーーっ!?」」
悟孫と、ホバーバイクから身を乗り出した数子の絶叫が重なった。
「ちょっと待ちなさいよ! 悟孫くんは今、77個の玉を集めるっていう大事な『労働』の最中なのよ! 嫁なんて連れて歩けるわけないでしょ!」
「うるさいわね! だったら私が『玉運び係』になってあげるわよ! パパ、いいわよね!?」
娘に甘い牛乳魔王は、練乳の霧の中で大きく頷いた。
「モー……。パイパイがそう言うなら仕方ない。若造よ、娘を、そして我が家の家宝である『特選低脂肪乳』を末長く頼むぞ」
「勝手に話を進めるなよ! 俺の腰、もう77個の玉だけで寿命なんだぞ! そこに嫁まで加わったら、骨密度がゼロになっちまう!!」
「いいじゃない、二人三脚で集めましょうよ! はい、これ私の荷物! 運んでね、旦那様!」
パイパイから渡された特大のトランクが、龍の玉の風呂敷の上に乗せられる。 ミシッ……。 悟孫の腰から、聞いたことのない不吉な音が響いた。
「……数子、助けてくれ。これ、冒険じゃなくて『引っ越し』だよ……」
15個の玉と、1人の嫁。 悟孫の旅は、さらに重く、さらにカオスな方向へと突き進むのであった。
(つづく!)
後書き(担当:ターベジ)
……失恋? 失恋だとぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!
貴様、作者!! どの口がそれを言うか!! 俺様が、あのパイパイとかいう小娘に惚れていたとでも思っているのか!? 笑わせるな! 俺様が愛しているのは「強さ」と「プロテイン」だけだ! 嫁など、戦闘の邪魔になるだけの不純物よ!!
……くっ、だが……だがな……。 なんだ、あの空悟孫のリア充展開は……。 玉を77個集める苦行をしているはずが、いつの間に可愛い嫁(と低脂肪乳)をゲットしてやがるんだ! しかも「旦那様」だと!? 俺様だって、まだ誰にもそんなこと言われたことはないというのに……!!
おい空悟孫!! 貴様、修行を忘れて骨抜きになりおって! そんなに重い荷物が嫌なら、今すぐそのトランクごと俺様が消し飛ばしてやろうか!? あぁもう見てられん! 次回、もしまたイチャイチャするようなら、俺様はマジで「はるか未来」を待たずに乱入して、全員にプロテインを強制摂取させてやるからな!!
あーっはっはっは……(血涙)




