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第2話 砂漠のハイエナ! ムギチャとアープル

「ひ、ひぃ……ひぃ……。重い……肩が、肩がちぎれる……!」


空悟孫は、広大な砂漠のど真ん中で膝をついていた。 背負っている風呂敷包みは、もはや「巨大な肉まん」のような形状になり、彼の体力をゴリゴリと削っている。


「ちょっと悟孫くん! シャキッとしなさいよ! あと1キロも歩けば、16個目の玉があるアリ地獄なんだから!」


数子がホバーバイクの上で優雅にアイスを食べている。


「数子……お前、さっきから『計算上は大丈夫』って言ってるけどさ……。俺の体重より、この玉の合計重量の方が重くなってる気がするんだけど……」


「気のせいよ! ほら、動いた動いた!」


その時だった。


「待てェーい!!」


背後の岩陰から、派手な煙幕とともに二人の影が飛び出してきた。


一人は、長い髪をなびかせ、顔に大きな傷跡のようなペイントを描いた自称・美形の男。 もう一人は、その肩に乗っている、妙にツヤツヤした赤い肌の小動物……いや、喋るリンゴのようなナマモノだ。


「この先へ行きたければ、持っている玉と、その女の連絡先を置いていけ! 俺様は砂漠のハイエナ、ムギチャ様だ!」


「そうだそうだー! 連絡先は、できればLINEがいいぞー!」


肩の上のナマモノが、甲高い声で追従する。


「……えっと、誰?」


悟孫がポカンと尋ねると、ムギチャはキメ顔で自分の胸を叩いた。


「誰だとは失礼な! この砂漠で俺たちを知らない奴はいないぜ! 行くぞ、相棒のアープル!」


「了解だ、ムギチャ! 必殺の『麦茶・ストレート・フラッシュ』をお見舞いしてやるぞ!」


アープルと呼ばれた赤い生き物が、ムギチャの手のひらにスポッとはまった。 どうやら、アープルをボールのように投げつける攻撃スタイルのようだ。


「食らえ! 投石ならぬ、投リンゴ攻撃!!」


ビュンッ! と凄まじい速度でアープルが飛んでくる。


「……あ、危ねぇ……!」


悟孫はフラフラになりながらも、如意棒を振り回した。


パコーンッ!!


いい音が響き、アープルは砂漠の彼方へとホームランされていった。


「あーれー!! 意外と硬いぞこいつー!!」


「アープルーーー!!」


ムギチャは絶叫し、慌てて相棒を追いかけて走っていった。


「……何だったんだ、あいつら?」


「さぁ? それより悟孫くん、今の衝撃で風呂敷の紐が緩んで、玉が一個落ちたわよ」


「……え、嘘だろ!? 砂に埋まった!? 掘るの!? これを今から掘るの!?」


16個目を手に入れる前に、15個目を紛失しかける。 空悟孫の受難は、加速する一方だった。


(つづく!)

後書き(担当:ターベジ)

……ふん、笑わせるな! ムギチャだと? 喉が渇きそうな名前の山賊に苦戦するとは、やはり貴様は下級戦士だ、空悟孫! しかも相棒が「リンゴ」だと!? 俺様の故郷では、リンゴは戦うものではなく、食後に剥いて食べるものだ!


貴様ら地球人の戦いのレベルが低すぎて、俺様の戦闘力が逆に下がってしまいそうだ。

いいか、次に俺様が登場する時は、もっと「エリート」らしい圧倒的な力の差を見せてやる。


おい、作者! 次回はもっと強そうな敵を出せ!

例えば……そうだな、「牛乳」とか「乳酸菌」とか、お腹を下しそうな名前の連中だ!


それから、この後書きの尺が長すぎると苦情が来ているらしいが、俺様が書きたいと言っているんだから文句を言うな!

貴様ら、次回まで「梅雨」に備えて除湿機でも買っておくんだな! はーっはっはっは!!

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